iphone5の発熱
 iphone5を使っていると、急に発熱して驚くことがある。特に充電するときに多いようだ。また、ゲームやマップアプリなど長時間使っていても熱くなる。

 電子機器が、熱を持つこと自体は異常ではない。だが、本体温度が上がりすぎるとデバイスの充電が停止する ・ディスプレイが暗くなる、またはディスプレイに何も表示されなくなる ・カメラのフラッシュが一時的に無効になる ・携帯電話無線が低電力モードに入る。この間、電波が弱くなることがある などが起こる。(アップル公式サイト)

 これまで電子機器の冷却には、放熱板やファン・コンプレッサーなどの外部強制冷却が利用されてきたが、発熱が大きくなるに従い大型化し、携帯性も悪かった。電気浸透流(EOF)を利用したEOポンプも、半導体の電源をかなり上回る高電圧のものだった。


 EOポンプのEOとは、電気浸透(electro-osmosis)のことで、液体と固体が接している所に電圧をかけた場合に、液体が移動する現象である。これにより生じる液体の流れを電気浸透流(EOF)という。液体の中にある溶質や荷電粒子だけが動く電気泳動と違い、バルクの液体が動く現象である。19世紀初め、物理学者ロイスが電気泳動と同時に発見した。

 今回、東京工業大学の大場隆之特任教授らは、40ボルトの低電圧で1平方センチメートル当たり140ワットの冷却(放熱)が可能な、厚さが100マイクロメートル(0.1ミリメートル)の超小型・チップ状冷却装置を開発したと発表した。マイクロプセッサー(MPU)など、発熱が大きい大規模集積半導体の冷却や、小型電子機器への利用が期待される。


 40ボルトで働く超小型“冷却チップ”
 東京工業大学異種機能集積研究センターの大場隆之特任教授は、東京大学や大日本印刷などと共同で、40ボルトの低電圧で1平方センチメートル当たり140ワットの冷却(放熱)が可能な、厚さが100マイクロメートル(0.1ミリメートル)のチップ状冷却装置を開発したと発表した。マイクロプセッサー(MPU)など、発熱が大きい大規模集積半導体の冷却や、小型電子機器への利用が期待される。

 電子機器の発熱は不可避で、マイクロプセッサーなどでは1平方センチメートル当たり100ワット以上の発熱量となり、これを並べると一般的なホットプレートの発熱にも匹敵するという。

 開発した“冷却チップ”は、「電気浸透流」(EOF、= Electro-Osmotic Flow)という、電圧をかけると液体の荷電部分が引っ張られて、液体全体が流れ出す現象を利用して、冷却水を循環させる仕組み(EOポンプ)。半導体の微細化技術やウエハの積層技術を組み合わせることで実現した。半導体の一貫工程で製造でき、低コスト化が可能だ。この冷却機構(Closed-Channel Cooling System :C3S)は直接デバイスに搭載でき、小型化が著しいモバイルなどの携帯端末にも応用が可能だ。

 これまで電子機器の冷却には、放熱板や外部からの強制冷却などが利用されてきたが、発熱が大きくなるに従い大型化し、携帯性も悪かった。これまでの電気浸透流を利用したEOポンプも、半導体の電源をかなり上回る高電圧のものだった。(2013/12/13)


 そもそも冷却装置とは?
 現在のCPU(中央処理装置)は高密度に集積された半導体素子であり、電流を流せば(動作させれば)発熱するが、高温になるといくつかの問題が起きる。

 電気抵抗率の変化による半導体機能(オーバーヒート#コンピュータ、熱暴走)・導体機能の問題。異常な熱膨張・収縮によるパッケージの寿命の問題。

 十分な冷却を行わない場合、前者は即時的な機能不全を、後者は著しい寿命の低下をもたらす。一見正常に機能したとしても冷却不足であった場合は、設計上の寿命よりはるかに早く故障する可能性がある。

 初期のパソコンのCPUはNMOS回路を利用していたが、1980年代にその発熱が問題になり、CMOS回路に移行して、一度は問題を解決した。だが、その動作速度が向上するにつれて消費電力が増大し、発熱の問題が再燃した。

 パソコンでCMOS半導体を利用したCPUの発熱が問題視され始めたのは1993年前後の486の頃からで、雑誌で「CPUで目玉焼きができるか」等の企画が出されたり、2001年頃には「このままのペースで発熱が増加すれば、CPUの発熱による単位面積あたりの熱流量は間も無く原子炉のそれを上回り、2015年には太陽のそれに達する」と主張された事もある。

 実際、CPUの最大発熱量(TDP)は2010年までの20年以上にわたりほぼ一貫して上がり続けており、それに伴い冷却装置も強化されている。(wikipedia)


 表面放熱
 冷却するための装置・部品を一切使わずに、プロセッサの表面から放熱させる方法。発熱量が高い最近のパソコン向けCPUでは不可能である。

 しかし最近は、表面放熱量を増やすことのできるCPUの設置方法が採用されることがある。例えば、モバイルコンピューターで、CPUをキーボードと平行になるように設置し、キーボードの裏面の金属製フレームに密着させ、ここから放熱する方法である。ただしこのような表面冷却は、きわめて薄型であるモバイルコンピューターでしかできないうえ、ファンでの放熱に代替できるほどのものではなく、一部のモバイルパソコンやPDAなどでの採用にとどまっている。


 ヒートシンク
 ヒートシンク(heat sink)とは、発熱する機械・電気部品に取り付けて、熱の放散によって温度を下げることを目的にした部品である。日本語では放熱器、板状のものは放熱板と呼ぶ。

 主に、熱が伝導しやすいアルミニウムや銅などの金属が材料として用いられることが多い。その用途により、大きさ、形状も、千差万別である。小さいものは数mmから、大きなものはメートル単位の巨大なものもある。

 大量生産の場合、アルミニウムの押し出し成形で製造するとコストが安く付くため、広く使われている。 ヒートシンクの性能は、熱抵抗によって表され、熱抵抗が小さいものほど性能が高い。

 熱抵抗は、ヒートシンクの材質、大きさ、形状などによって決まり、ヒートシンクの性能を上げるために表面積が広くなるような形状(一般的にはフィンと呼ばれる板や棒の生えた剣山状や蛇腹状)に成型されることが多い。

 また、自然冷却だけでは冷却能力(熱の放散能力)が足りない場合、ファンなどをとりつけて強制的に空気の移動量を増やすことで同じ大きさでも冷却能力を増大させることが出来る。


 空冷
 
冷却ファンを使用し空気を利用して冷却する、最も一般的な方法。ヒートシンクの上に冷却ファンを載せた状態で使用され、ヒートシンクとファンモータが一体化したものが多い。

 店頭で販売されているCPU製品にはサーマル・ソリューションと称して、十分な性能の強制空冷式冷却装置が付属している。特に記述がない限り市販されているパーソナルコンピュータにおいて、CPUの冷却にはこの方式が用いられる。

 Pentium黎明期(i486の末期)の頃になると、クロック周波数50~100MHz、消費電力が30W前後に上り、自然冷却では放熱が間に合わず、ファンでおこした風を吹き付けて冷却する強制空冷が行われる様になった。

 その特性上、どうしても高周波の風切り音が発生してしまう。これをできるだけ抑えようとメーカーは静音性も重要視したファン開発を行っているため、標準付属品以外にも様々な製品が販売されており、その中には流体力学や航空工学の成果を応用したと謳うものまで存在している。

 また一般にCPUの冷却装置はケース内部にあるため、空冷を続けるためには、ケース外部との継続的な換気が必要になる。ファンなどによる換気のほか、効率を上げるために冷却装置のすぐそばに換気口を設けたり(パッシブダクト)、冷却装置が外気に直接面するようにレイアウトする例もある(BTX規格など)。


 水冷
 空気よりも熱容量が大きい水を冷却に用いる方法。CPUに水を循環させるヘッドを接触させて、熱を水で持ち去り、外部のラジエータで放散させる。ラジエータには空冷ファンを付け、冷却能力を高めることが多い。

 大型汎用機では普及している方法だが、一般的なパソコンに用いるには仕掛けが大掛かりになり、また、定期的なメンテナンスも必要で、一般に空冷式より高価になることなどから、簡便に用いる事のできるものではなかったが、冷却性能の高さに加え、ファンによる騒音を嫌い静粛性を求める人も用いる。

 2010年頃からはチューブ素材などの進化によりメンテナンスフリー化が進み、パソコンケース内部で完結し、簡単に取り付けられる高品質の簡易型水冷クーラーのキットが自作パソコン用途向けに販売されており、現在ではホワイトボックスパソコンメーカーの中にもBTO用パーツやハイエンドモデルとして用意するところが現れるなど、ゆっくりながらも確実に普及が進んでいる。


 ガス冷
 パソコンの筐体に小型のコンプレッサを組み込んで、冷蔵庫などと同様の方式で液体が気化する時の気化熱を利用した放熱を行うもの。マニアが自作する物のほか、これを組み入れた製品を出荷しているメーカーや、パソコンショップのショップブランド品に仕込んで販売する例もある。

 水冷よりもさらに高い冷却効果を得られる反面、冷却装置そのものがそれなりに大掛かりかつ高価であり、一般的なエンドユーザーの使用環境であれば空冷や簡易水冷でも必要十分であるため、一般的な方式ではない。

 ガス冷却に用いられるガスは数種類あり、主に炭酸ガスが用いられる。


 ヒートパイプ
 ヒートパイプ (Heat pipe) とは、熱伝導性を上げる技術・仕組みの一つ。単に伝熱効率を上げるだけでなく、一方の温度が高い場合にのみ熱伝導性を発揮する熱ダイオードとしての使用法もある。

 NASAにより人工衛星中の放熱に利用されたのが実用化の始まりである。熱伝導性が高い材質からなるパイプ中に揮発性の液体(作動液, Working fluid)を封入したもの。パイプ中の一方を加熱し、もう一方を冷却することで、1.作動液の蒸発(潜熱の吸収)2.作動液の凝縮(潜熱の放出)のサイクルが発生し熱を移動する。

 冷却部を加熱部より高い位置に設定することにより、凝縮後の作動液を加熱部に戻すことができるが、パイプ内壁をウィックと呼ばれる毛細管構造にすることにより、高低差がない場合や無重力の宇宙空間でも利用が可能になる。

 Digitimesによると、Apple、Samsung、HTCなどスマートフォンメーカーがCPU冷却装置「ヒートパイプ」の採用を検討していると報じている。(via 9To5Mac 2013.6)


 ヒートポンプ
 ヒートポンプ(heat pump)は、熱媒体(ガス・水・空気)や半導体等を用いて低温部分から高温部分へ熱を移動させる技術である。手法はいくつかあるが主流は気体の圧縮・膨張と熱交換を組み合わせたもので、一般家庭でもみられる製品でヒートポンプを使っているものとして冷凍冷蔵庫、エアコン、ヒートポンプ式給湯器などがある。

 19世紀後半より、熱力学の理論としては確立されていた。当初は熱移動による冷却技術として利用が始まり、その後1970年代後半には熱回収によって加熱を行う省エネルギー技術としても利用されるようになった。

 冷却にも加熱にも同じ原理が使える。熱の移送の方向を逆にして同じ装置を加熱にも冷却にも使ったり(エアコンなど)、冷温熱同時取り出し(給湯製氷機など)も可能である。冷却(冷房・冷蔵・冷凍・製氷)には実用的な代替手段が乏しいため、ほぼ全ての分野でヒートポンプが使われている。

 加熱(暖房・給湯)の場合、発熱現象そのもの(燃焼など)を利用する従来の方法に徐々に取って代わりつつある。大気・地中熱・水(地下水・河川・下水道)・排熱等から、投入エネルギー(電気が多いがその他の動力・熱のものもある)よりも多い熱エネルギーを回収して利用する。適切な条件下で利用すれば省エネルギーや温暖化ガスの排出量削減が可能であり、地球温暖化への対策技術の一つにも挙げられている。

 冷蔵庫、冷凍庫、エアコンなどで使われるヒートポンプでは、熱媒体の気化熱および凝縮熱を用いて周辺環境中の空気、水、土、岩などと熱のやり取りを行う。熱媒体は機器の用途によって呼び方が変わり、冷却機器であれば冷媒、加熱機器であれば熱媒とも呼ばれる。(wikipedia)


参考 Wikipedia:CPU冷却装置 東京工業大学:40ボルトの低電圧ではたらく次世代超小型冷却装置



実用ヒートパイプ
クリエーター情報なし
日刊工業新聞社
トコトンやさしいヒートポンプの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
クリエーター情報なし
日本工業新聞社

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