2014年の天文現象
 2012年は「金環日食の年」、2013年は「彗星の年」であった。金環日食は、雲の隙間を通して見えたリングに感動した。昨年のアイソン彗星やパンスターズ彗星は話題になったものの期待はずれの結果になってしまった。

 さて、今年、2014年はどんな年になるのだろう?天文現象や宇宙開発について調べてみた。

 天文現象の方は地球全体で見ると、金環日食と部分日食がそれぞれ1回と、皆既月食が2回ある。残念ながら、日食が見られるのは、南極や北アメリカで、日本では見ることができない。

 だが、10月8日の皆既月食は、ほぼ日本全国、どこででも月食の始めから終わりまでを見ることが出来る。もちろん、当日晴れることが条件。満月が地球の影に入って欠け始めるのが18時15分、皆既月食が19時25分に始まり、ちょうど1時間後の20時25分に皆既が終了する。


 8月中旬には、明け方の空で木星と金星が大接近する。マイナス等級の惑星コンビが、迫力ある輝きを夏休みの朝に届けてくれるだろう。その木星では、年後半からはガリレオ衛星同士の相互食も見られる。

 流星群は、1月4日未明が見ごろのしぶんぎ座流星群が好条件。8月のペルセウス座流星群は、満月を過ぎたばかりの月明かりの中でどれだけ見えるか。12月のふたご座流星群は夜半過ぎに月が昇るそこそこの条件だが、例年同様安定した出現が期待される。


 民間人の宇宙旅行が始まる
 宇宙開発の方は、あの「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」が小惑星1999 JU3に向けて打ち上げられる。小惑星の観測とサンプル採取を行い、東京五輪が開催される2020年に地球に帰還する予定だ。欧州の探査機「ロゼッタ」は夏ごろにチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着。11月には搭載の着陸機「フィラエ」が史上初の彗星着陸探査に挑む。

 民間では、非営利企業「マーズ・ワン(Mars One)」が、人類初の火星コロニー建設を計画するプロジェクトが募集した火星への片道旅行で、世界140か国、約20万人の応募者から実際の訓練を受ける1058人の候補者が選ばれた。

 オランダに拠点を置くマーズ・ワンによると候補者は最終的に24人に絞られ、2024年から6回に分けて打ち上げを実施し、それぞれ火星に向かう。このプロジェクトの唯一の難点は、5500万キロ離れた火星に6か月かけて到達する旅のチケットが片道であることだ。(AFPnews 2014年01月03日)

 また、米ヴァージンギャラクティックが今年末にも始める宇宙旅行を、日本のクラブツーリズム社が、国内で独占的に販売する。10年間で900人の参加を見込んでいるという。

 宇宙旅行は専用の宇宙船で米ニューメキシコ州の空港を発着し、高度100キロメートルの宇宙空間まで上昇する。約2時間の飛行で4分間の無重力状態を楽しめる。参加費は約2500万円で、日本からはすでに18人が予約しているという。(asahi.com 2014年1月7日)


 皆既月食 10月8日
 日本においては最大の天文ショーは10月8日(水)の皆既月食です。石垣島以西では月の出の時にすでに食が始まっていますが、それ以外、すなわち、ほぼ全国どこででも月食の始めから終わりまでを見ることが出来ます。もちろん、当日晴れることが条件ですね。

 満月が地球の影に入って欠け始めるのが18時15分、満月が暗く赤銅色に輝く神秘的な皆既食は19時25分に始まり、ちょうど1時間後の20時25分に皆既が終了します。欠けていた月がもとの満月に戻り月食が終わるのが21時35分です(いずれもJST:日本標準時)。

 その他、2014年の主な天文現象を地球全体で見ると、金環日食と部分日食がそれぞれ1回と、皆既月食がもう1回あります。ただし、日食はいずれもあまりよい条件のものとは言えません。

 4月29日(火)の金環日食では、南極大陸の一部のみが金環食帯となり、インド洋南部、オーストラリア大陸等で部分日食となります。

 一方、10月24日(金)の部分日食は、太平洋北部と北アメリカ大陸でのみ見られる日食です。 皆既月食は4月15日(火)にも、北アメリカ大陸やハワイ諸島以東の太平洋上で起こります。あいにく、日本では東日本で月の出の直後に部分月食が終わる僅かな部分月食です。


 惑星現象
 
惑星現象としては、冬から春のかけて金星と木星が見ごろ、春から夏にかけては火星と土星が見ごろとなります。

 金星はいま、宵の明星としてとても明るく夕暮れの空に輝いていますが、年が明けると明け方の東の空に移り、2 月15日(土)に-4.6等星という最大光度に達します。もっとも太陽から離れる西方最大離角は3月23日(日)です。

 火星は4月9日(水)に2年2か月ぶりの衝(地球から見て太陽と正反対の位置)をおとめ座で迎えます。この頃は一晩中、火星を楽しむことができます。また、地球にもっとも近づくのは4月14日(月)ですが、あいにく、地球との距離は0.6176天文単位(約9,239万km)とかなりの小接近です。

 近年では火星は2003年8月27日に5,575万kmまで近づいています。火星の軌道は楕円であり、地球もわずかに楕円軌道のため、このように最接近の距離がそのたびに異なります。

 木星はいま、夕方の東の空に明るく輝いていますが、1月6日(月)にふたご座で衝を迎えます。4月ごろまでが観望の好機です。

一方、環のある人気者の土星は5月11日(日)にてんびん座で衝を迎えます。春から夏の観望会ではぜひ土星をお楽しみください。


 主な流星群
 主な流星群を紹介しましょう。

 条件のよい流星群は年初めのしぶんぎ座流星群です。しぶんぎ座流星群の極大予想は1月4日(土)です。月明かりもなく最良の条件となります。風邪をひかないよう十分暖かい服装で楽しみましょう。

 ペルセウス座流星群は8月13日(水)が極大との予想ですが、ほぼ満月と重なってしまい条件はよくありません。しかし、明るい流星が多いのがペルセ群の特徴ですから、ぜひ、チャレンジしてみましょう。

 今年も多くの流れ星が出現したふたご座流星群の極大予想は12月14日(日)です。下弦の月がありますが、ここ数年、安定してたくさん流れていますので要注目ですね。

 その他、2014年(平成26年)は平年で、年の干支は甲午(きのえうま、こうご)です。伝統的七夕は8月2日(土)、中秋の名月は9月8日(月)となります。


参考: 国立天文台 ほしぞら情報 2014年 2014年の天文現象


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