植物の持つはたらき
 植物の持つはたらきはどのようなものだろう?もちろん、光合成や蒸散などのはたらきはよく知られている。光合成は二酸化炭素を吸収し有機物をつくり出す。有機物は栄養源になる。二酸化炭素の吸収は地球温暖化を防ぐ。

 蒸散では葉から水分を蒸発させることで、気化熱によって周囲の温度を下げ、湿度を一定に調節する効果がある。植物自身は蒸散によって体温の維持をはかる他、根から水を吸収し、水に溶けている養分を体中に運ぶはたらきがある。

 しかし、植物のはたらきはこれだけではない。私たちは生活の中で色々な恩恵を植物から受けている。緑色の波長は目に優しく眼性疲労をとる効果がある。森林浴やアロマテラピーなどの健康効果。樹木からは「フィトンチッド」という揮発性の成分が出ていることに関係するといわれる。


 さらに、ホルムアルデヒド・キシレン・トルエンなどの有害物質を吸着・分解する作用、マイナスイオンを増やす効果が報告されている。さまざまなな薬用効果、リラックス効果のあるハーブ、漢方薬にも植物は多い。染料として使う植物もある。野菜として食べる植物は、ビタミン源や食物繊維として重要だ。

 今回、NASAでは“宇宙温室”の可能性について真剣に検討するよう促す研究が発表された。宇宙旅行に植物の癒し効果を積極的に利用しようというものだ。


 植物の癒し効果、宇宙でも必要
 過去数十年間、スカイラブや国際宇宙ステーション(ISS)、スペースシャトルミッションの宇宙飛行士たちは、微小重力が植物の成長に与える影響の研究を続けている。1970年代、ソビエト連邦の宇宙ステーションミッション「サリュート」でも、私的な温室で実験が進められていた。

 オーストリア、ウィーン工科大学の宇宙建築家サンドラ・ハウプリック・モイスバーガー(Sandra Hauplik-Meusburger)氏率いるドイツ航空宇宙センターの研究チームは、飛行士たちの努力が報われそうだと最近発表したレポートで結論付けている。宇宙での植物栽培は実利を伴うばかりか、心理学的にもさまざまな利点がある。NASAが計画中の2030年代の有人火星ミッションなど、長期間の宇宙ミッション計画では真剣に検討すべきだという。

 「育てている植物を、飛行士たちは“僕たちのグリーン・フレンド”と呼んでいた」とモイスバーガー氏は語る。研究テーマは「極限環境での居住可能性」。なぜ植物が有人火星ミッションの成功の鍵を握るのか? 同氏は次のような理由を挙げている。


 1. サラダ・マシーン
 「食料の問題はいつの時代でもついて回る」。宇宙探査のパイオニアたちは、チューブ入りのまずい食事で生き延びなければならなかった。

 現在は地上で用意され、腐敗防止のために慎重にパックされた食事がある。メニューも豊富で、新鮮なフルーツや野菜が届く場合もあるが、冷凍保存の設備に乏しく、すぐに食べなければならない。

 ISSに本格的な温室を設置すれば、野菜を栽培して栄養を補えるようになるだろう。新鮮な野菜は、ストレス軽減、やる気向上などのメリットをもたらすと考えられている。 ISSのロシア側モジュールには、「ラダ(Lada)」という宇宙ガーデンが既に設置されている。モイスバーガー氏によると、「一種のサラダ・マシーン」らしい。NASAは現在、アメリカ側モジュールに「ベジー(Veggie)」を持ち込む予定だ。


 2. ストレスの軽減
 心身両面に強いストレスがかかる宇宙では、心安らぐ活動が余暇時間に求められる。ガーデニングには、ストレスを和らげて気分を明るくする“癒し効果”があるという。NASAの元宇宙飛行士、クレイトン・アンダーソン(Clayton Anderson)氏は次のように証言する。

 同氏は数年前、ISSの宇宙飛行士と地上の学生チームが同時にレタスとバジルシードを栽培する教育実験に携わった。彼は活動を活気づけようと、新芽が出たらレタスチームかバジルチームが「得点」するゲームの手法を取り入れた。

 「植物が芽を出すと、かわいくて写真を撮りたくなる。なんと言っても、成長を見守るうちに張り合いが出てきて、精神が高揚するんだ」とアンダーソン氏は振り返る。


 3. 空気の質
 ISS滞在中のアンダーソン氏は、クルーの古い体操着を別にすれば、不快な臭いはあまり感じなかったという。しかし、モイスバーガー氏によると、「中には敏感な宇宙飛行士もいる。『ワインセラーのような臭いだった』と話す人もいた」そうだ。

 温室があれば、不快な臭いの軽減に役立つかもしれない。NASAの研究によると、室内植物は大気汚染物質を吸収し、空気の質を改善する効果があるという。また、植物は空気中の二酸化炭素を取り除き、酸素を補ってくれる。


 4. 時間の経過を表す
 地上の人間は、睡眠と覚醒の24時間サイクル「概日リズム」に順応している。一方、太陽光の変化や季節の移り変わりに乏しい宇宙では、概日リズムは混乱し、睡眠障害につながる場合がある。

 宇宙での生活にリズムをもたらすのが、やはり温室だという。植物が開花したり生気を失えば、時間の経過がわかるからだ。「パターン化しがちな生活に、植物は変化をもたらす。分刻みのスケジュールだが、そこには違う時が流れている」とモイスバーガー氏は述べている。

 今回の研究結果は、「Acta Astronautica」誌2014年3月・4月号に掲載されている。(Joseph Bennington-Castro for National Geographic News January 24, 2014)


 植物が持つ不思議な力
 近年、森林浴やアロマテラピーなど植物がもたらす健康効果などが話題になっていますね。では、人はなぜ植物に触れたり、公園や森林など樹木に囲まれた場所に行くと「すがすがしさ」や「心の伸びやかさ」を感じるのでしょうか?

 それは、普段と異なる環境に出かけることで気分転換ができるということもありますが、樹木からは、「フィトンチッド」という揮発性の成分が出ていることも関係があるのです。防虫効果や殺菌作用のあるこの成分は、自律神経を整えて精神をリラックスさせる効果があるといわれています。観葉植物にはヒーリング効果があるといわれるのは、こうした理由があるからです。

 最近では、植物にはホルムアルデヒド・キシレン・トルエンなどの有害物質を吸着・分解する作用があり、タバコの煙や建築資材などから出る化学物質に対して効果があるのではないかと注目されています。つまり観葉植物は、天然の空気清浄機のような働きをしているのですね。

 その他にも、植物は光合成をして二酸化炭素から新鮮な酸素を作り出す働きをするだけでなく、室内に観葉植物を置くと、根から水を吸い上げて葉から蒸散させるため、ある程度室内湿度の調節もしてくれます。

 また、観葉植物の中で暫く前に流行したサンスベリアはマイナスイオンがよく出る植物として有名。

 空気中にはプラスイオンとマイナスイオンのどちらも存在しています。このバランスで人や動物は過ごしやすい環境か否かが変わるひとつの要素でもあるのです。マイナスイオンが1.2倍ほど高い方がリラックスできる状態です。また、マイナスイオンは体の酸化を抑えて疲労を防ぐことで免疫アップに繋がるともいわれています。


 オススメの観葉植物と効果
 サンスベリアなど、マイナスイオンでリフレッシュできる。カポック、アレカヤシ、ゴールドクレストなどは、室内の湿度調節に適している。

 アオワーネッキー、ポットマムなどは、ホルムアルデヒドを除去する作用の大きい。ホマロメナ・バリシー、カンノンチクなどは、アンモニアを除去する作用が大きい。

 ゴムの木、アンスリューム・レッド、ゴールデンポトスなどは、有害科学物質を除去するはたらきがある。


 ハーブの主な薬効と用途
 バジル: 腹痛・吐き気・便秘など消化器系の不調をよくしたり、食欲を増進する働きを持つ。またトマトソースやパスタ、ピザなどの料理と相性がよいスパイスとしても知られている。

 ペパーミント: 消化不良・腹痛・胃痛・吐き気・不眠などに効果がある。清涼感のあるさわやかな香りを活かし、ハーブティーやお菓子などに用いられる。

 ローズマリー: 古くから民間療法では腹痛、頭痛、精神安定などに使われている。また抗菌作用や酸化防止作用などもあり、肉料理をはじめとするさまざまな料理に広く利用されている。

 タイム: 中世時代には「勇気が出るハーブ」として用いられた他、消化促進・強壮・抗菌作用などがあることも知られている。また肉料理の臭み消しとしてよく使われる。

 マジョラム(スイートマジョラム): オレガノに似た甘い香りを放ちます。生葉も乾燥葉もいろいろな料理、とくに肉や魚の臭み取りや風味づけにおすすめです。ハーブティーにすると、胃腸強化や鎮静作用があり、不安やストレス・緊張を緩め、心を暖めて悲しみや孤独感を癒してくれます。

 アロエ: 消化不良・抗菌作用・抗炎症作用などの働きの他、保湿成分を含んでいることから、化粧品の原料としても用いられる。


参考 National Geographic news: 植物の癒し効果、宇宙でも必要 ココミル: 意外に多い観葉植物の効果

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