驚異の新素材カーボンナノチューブ

 鋼鉄の数十倍の強さを持ち、いくら曲げても折れないほどしなやかで、薬品や高熱にも耐え、銀よりも電気を、ダイヤモンドよりも熱をよく伝える。コンピュータを今より数百倍高性能にし、エネルギー問題を解決する可能性まで秘めている……。そんな材料があると聞いたら、みなさんは信じられるだろうか?その夢の新素材は日本のつくば市で発見された。

 1990年のC60の大量合成法発見により、90年代初頭の科学界はフラーレンブームに沸き返っていた。これは、炭素電極をアーク放電によって蒸発させると、陽極側にたまった「すす」にC60が大量に含まれているというものです。こうして各国の研究所がフル稼動でフラーレンを生産しようと躍起になっていたころ、世界でたったひとりだけ「陰極側」のすすを観察していた人物がいた。NEC基礎研究所の、飯島澄男主席研究員(現在名城大教授兼任)がその人。

 博士がフラーレンを観察しようと陰極にたまったすすを電子顕微鏡にかけてみたところ、球状のフラーレンとは全く違う、からみ合った細長いチューブ状のものがたくさん観察された。驚異の新素材「カーボンナノチューブ」が人類の前に初めて姿を現わした瞬間だ。



ナノカーボンの科学―セレンディピティーから始まった大発見の物語 (ブルーバックス)
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