週刊 サイエンスジャーナル  2014.6.8号

エネルギー危機に備えよ!燃料電池に白金代替触媒の可能性

 中国が勝手に決めた防空識別圏で日本機と中国機が異常接近した。西沙・南沙諸島や尖閣諸島周辺で中国と他国が衝突している。あの辺りで万一紛争が起きれば、日本の生命線である“石油”を運ぶタンカーが通行できなくなる。

 日本は瞬く間にエネルギー危機に陥る。国家として危機的な状況にある。テレビではようやく「集団的自衛権を行使できる憲法解釈をしよう」と安倍首相が訴え始めた。日本にはエネルギー資源はなく、他国に依存している。海外に働きに出る邦人も多い。それを守れるようにするのはあたりまえのことだ。

 一刻も早く石油依存の社会から脱却したいところだが、すぐに新エネルギーに取って代わるほどの科学技術はまだない。発電効率の良い原子力発電は、重要な役割を果たしているのだが安易に反対する日本人が多く、本当に日本の将来を考えているのかと思う。

 そんな中で次世代エネルギーの一つとして注目されるのが燃料電池だ。燃料電池は、水素を反応させ電気を取り出す。仕組みとしては水の電気分解の逆反応である 2H2 + O2 → 2H2O による。

 燃料電池の普及のために欠かせないのが、材料として使われるプラチナ。プラチナは水素と酸素を化学反応させるのに必要な触媒だが、プラチナの価格は、1グラムおよそ5000円で高い。そこで、プラチナを全く使わない研究が進んでいる。

 今回、絶縁体でも燃料電池の触媒になりうる新しい可能性が開けた。絶縁体の窒化ホウ素を金電極表面に載せると、燃料電池の重要な反応である酸素還元反応の電極触媒として機能することを理論と実験の両面で証明することに、物質・材料研究機構が成功した。
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