週刊 サイエンスジャーナル  2014.11.2 号

エビ・カニ大好き日本人、サンゴ礁や深海熱水噴出孔で細菌を食すエビ発見!

 日本人の年間エビ消費量は、アメリカと同程度の30万トン強で世界のエビの二大消費国をなす。国民 一人当たりでは年間3キログラムで世界第一位、エビフライにすると約70尾食べている。

 世界中からは100種類以上のエビが輸入されている。普段食べるエビとしては、日本産、中国産、 オーストラリア産のクルマエビのほか、東南アジア産などのブラックタイガー、中国産の大正エビ、インド産ホワイトシュリンプ、オーストラリア産バナナシュリンプ、メキシコ産ブラウンシュリプ、ナイジェリアやギアナ産のピンクシュリンプ、ノルウェー産アマエビなどのうちのどれかである公算が大きい。このうちブラックタイガーが市場の40%を占める。

 かには一般的に冬の味覚として人気が高く、「かにの食べ放題」を目玉とするツアーや飲食店の企画なども数多い。高級食材であったかにも輸入ものが増えて比較的単価が下がったため、一般家庭での消費量も増えている。かに類の輸入額は2002年以降減少しているが、輸入量は10万トン程度で推移している。このように日本人はエビやカニが大好きだが、エビやカニは何を食べているのだろう?

 今回、深海熱水噴出孔で細菌を食べる、エビが発見された。暗い深海の熱水噴出孔周辺には豊かな生物群が存在するが、どのように栄養を確保しているか、謎が多い。その解明が一歩進んだ。沖縄トラフの深さ約1000mの熱水噴出孔の周囲一面に生息するゴエモンコシオリエビ(体長約5cm)が、自身の体毛に付着する化学合成菌を食べていることを、海洋研究開発機構の深海・地殻内生物圏研究分野の和辻智郎(わつじ ともお)研究員らが初めて突き止めた。

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