ネコの先祖はリビアヤマネコ

 かわいいペットであるイヌの祖先は、恐ろしいオオカミだとする説が一般的である。つまり、人間がオオカミを家畜化(馴化)し、人間の好む性質を持つ個体を人為的選択することで、イヌという動物が成立したと考えられる。

 では猫はどのような動物が祖先なのだろうか?2007年の研究では、アメリカ・イギリス・ドイツなどの国際研究チームが、世界のイエネコ(人間と共生する猫)計979匹をサンプルとしたミトコンドリアDNAの解析を行い、その結果から「現在世界中に存在しているイエネコの祖先は約13万1000年前(更新世末期=アレレード期)に、中東の砂漠などに生息していたリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)である」とされる。

 イエネコの家畜化は穀物を荒らすネズミの捕獲用として、約1万年前に中東で農耕の発達とともに始まり、次第にその愛らしさからペットの側面が重視され、多様な品種がつくられてきた。一部のネコたちは貿易商人やバイキングたちと欧州を旅して回り、15~17世紀の大航海時代に新大陸へと上陸していった。


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