植物の倍数性

 倍数体とは何だろう?倍数体とは1つの細胞に2組以上の染色体をもつ個体。通常、染色体は母親由来の1組と父親由来の1組とがセットになっているが(ニ倍体,2n)、まれに受精や分裂時の異常により染色体のセットが一組だけの個体(半数体,n)や3組(三倍体,3n)・4組(四倍体,4n)になった個体が生じる場合があり、3組以上の染色体をもつ個体を一般に「倍数体」と呼んでいる。

 二倍体と四倍体の交配からは三倍体を生じる。 倍数体を人為的に作り出す薬品を「コルヒチン」という。(人体に対し有毒で、皮膚炎・嘔吐・下痢を起こすが、痛風の鎮痛剤として用いられる。) 倍数体は、一般に植物体が大きくなり、それとともに花の大きさや花弁の厚さも増大する反面、生育が遅い(晩生)傾向がある。

 有性生殖をする動物の多くは、両親から配偶子を通してそれぞれ1セットのゲノムを受け取り、計2セットのゲノムを持つ二倍体(ヒト, 2n = 46 など)である。 一方、植物には様々な倍数体が存在している。それらは、農業で役に立つ特性を持つことがあり、作物の品種・種として成立している。



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