蘇る!サムライ・スピリッツ、金星探査機「あかつき」

 現代日本人が失ったものに、サムライ・スピリッツがある。サムライには命懸けで使命を達成する潔さがあった。明治維新後にも、その精神は日本を近代化させ、発展させる人々の中にその姿を見ることができた。

 一時、忘れ去られていた金星探査機「あかつき」が復活する。「あかつき」は日本人の諦めない姿勢、サムライ・スピリッツを感じさせる探査機である。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月7日午前、金星に接近した探査機「あかつき」を金星周回軌道に投入するため、あかつきのエンジン噴射を試みた。JAXAによると、予定通り20分間の噴射が確認され、軌道投入に成功したとみられる。



 あかつきは2010年に金星周回軌道投入に失敗しており、今回が2回目の挑戦である。日本の探査機が地球以外の惑星の周回軌道に入るのは初めてのことだ。改めて日本の科学技術に感心する。いろいろな可能性に挑戦できる国だと思う。

 日本に生まれたのは幸運だ。これが、シリアやイラクなど内戦が続く国であったり、発展途上国であれば毎日の生活に追われ、将来に希望を持てなかったかもしれない。この国を世界の手本になるように大切に育てていかねばならない。


 金星周回軌道投入時に、メインエンジンが故障

 「あかつき」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機。観測波長の異なる複数のカメラを搭載して金星の大気を立体的に観測する。2010年5月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられた。

 2010年12月7日に金星の周回軌道に入る予定であったが、軌道投入に失敗した。なぜ「あかつき」は、金星軌道の投入に失敗したのだろうか?

 打上から5ヶ月が経過した12月6日午前7時50分、金星周回軌道投入マヌーバ (VOI-1操作) のための姿勢変更を実施し、軌道制御エンジン(OME)を進行方向正面に向けた。「あかつき」は逆噴射することでスピードを減速し、金星の引力により、周回軌道に入るはずであった。

 OMEを予定通り12分間噴射した場合、あかつきは約4日で金星を周回する長楕円軌道に投入される予定だった。4日後の金星再接近時に軌道修正を行って公転周期約2日の軌道に、更に2日後の軌道修正で公転周期約30時間の観測軌道に入る予定だった。

 12分といわず、少なくとも9分20秒OMEを噴射できれば、約50日で金星を周回する超長楕円軌道に入れる可能性があった…。ところが、あかつきはOME噴射開始から約2分30秒後、横方向に異常な力が加わって姿勢が大きく乱れ、直後に噴射を中止してセーフホールドモードに移行した。減速が不十分だったことにより、金星周回軌道への投入はできなかった。

 その後、トラブルの原因は加圧用のヘリウムタンクから燃料タンクへの配管に設置された逆止弁(逆流防止用の弁)が閉塞したためと発表された。あかつきは、5年間、金星軌道上を太陽の周りを公転することになった…。


 「あかつき」金星周回軌道へ噴射成功

 あかつきは金星の大気循環などを観測し、地球の隣の惑星ながら大きく環境が異なった原因に迫ろうと、10年5月に打ち上げられた。同年12月7日、主エンジンの故障で軌道投入に失敗し、太陽を周回していた。

 今回の軌道投入では、4基合わせても主エンジンの5分の1の力しか出せない姿勢制御用の小型エンジンを噴射してブレーキをかけた。燃料は打ち上げ時の3割しか残っておらず、機体の設計寿命も既に超えており、今回が最後のチャンスだった。

 7日午前8時51分から20分間、小型エンジンを噴射する計画で、相模原市中央区のJAXA相模原キャンパスの運用管制室では、あかつきから送られてくるデータを見守った。同9時20分過ぎ、予定通りエンジンを噴射し、あかつきの機体に異常がないことが確認された。

 今回の予定投入軌道は、当初計画していた1周30時間の軌道に比べると極端に細長い楕円(だえん)で、金星を15日かけて1周する。投入が確認されれば、今後、1周8~9日の軌道に移す。金星から遠くを飛ぶ時間が長くなるため観測データの解像度は下がるが、長時間、大気の動きを追跡しやすい利点もあるという。自転よりも速い秒速100メートルもの暴風が吹く「スーパーローテーション」という金星特有の大気現象の解明が期待される。

 プロジェクトマネジャーの中村正人JAXA教授は「予定軌道に入ったことに大変期待が持てる。やっとできたと肩の荷を下ろした気持ちでいる」と笑顔で語った。あかつきの正確な軌道の確認には時間がかかるため、JAXAは9日夕に改めて成否に関する記者会見を開く予定だ。

 探査機「あかつき」が日本初の惑星探査実現へ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日午前、金星探査機「あかつき」を、金星周回軌道に投入した。「あかつき」は5年前の2010年12月7日に金星を観測できる軌道投入に挑んだが、主エンジンの故障が原因で失敗し、今回が再挑戦だった。軌道投入成功が確認できれば日本の宇宙開発史上初の惑星探査が始まる。

 JAXAによると、「あかつき」は金星に接近するタイミングに合わせて7日午前9時51分、4基の姿勢制御エンジンを噴射。約20分間の噴射により減速、金星の重力を利用して進行方向を変更しながら軌道に入ったとみられる、という。JAXAの運用管制チームは、「あかつき」が予定軌道を正確に回っているかどうか約2日かけて最終確認する。

 「あかつき」は今後約2年間、金星の周りを8∼9日で一周する楕円(だえん)軌道を飛行する。6種類の観測機器を搭載しており、金星を覆う厚い雲や大気現象の観測を続ける。

 金星は、地球より内側の太陽公転軌道を回る太陽系の第2惑星。大きさや質量が惑星の中では地球に近く、「双子星」と呼ばれる。また、大気の大部分は二酸化炭素で気温は400度以上あり「究極の温暖化惑星」とも言われる。

 「あかつき」はすでに設計寿命の4年を1年余り超えているほか、太陽の熱にさらされて部品の劣化が進んでいるおそれもあり、JAXAは極めて難易度の高い挑戦になるとしていた。

 記者会見で、「あかつき」の責任者を務めるJAXAの中村正人プロジェクトマネージャは「5年前に達成しなければならなかったことを、今回達成することができ、肩の荷が下りました」と述べた。「あかつき」による金星の観測は早速7日午後から始まり、軌道の投入に成功していれば、来年4月から本格的な観測が始まることになる。


参考 サイエンスポータル:探査機「あかつき」が金星軌道に


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