地球そっくりの系外惑星は存在するか?

 最近は第二の地球が発見されたというニュースが流れても珍しくはなくなった。ハビタブルゾーン、つまり恒星から適度な距離があり、岩石型の惑星ならば、生物の存在の可能性があるのでそう呼ばれているようだ。

 だが、地球のように青く美しい惑星は残念ながら発見されていない。

 系外惑星の探索に活躍してるのがNASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」だが、最近発見された1284個が系外惑星のうち、ハビタブルゾーンに位置するものはわずかに9個。系外惑星の存在は珍しいものではなくなったが、生命が存在できる惑星になるとまだまだ少ない。

 今回、太陽系に最も近い恒星の周りで、地球に似た惑星が見つかった。岩石でできており、水が存在する可能性もあるという。だが、恒星に近いため、地球とは似ても似つかない存在らしい。英ロンドン大などの研究者らが8月25日付の英科学誌ネイチャーに発表された。



 8カ国による研究グループはチリにある天文台などで、地球から約4光年離れた「プロキシマ・ケンタウリ」という恒星を周回する惑星を新たに発見。「プロキシマb」と名付けた。重さは地球の1.3倍以上で、約11日で公転している。

 研究者らによると、この星では水分が生まれ、現在も残っている可能性がある。地表温度は液体の水が存在できる範囲とみられる。太陽系外でハビタブルゾーンに存在し、水がある可能性を持つ星としては、今回の惑星が太陽系に最も近い。だが、恒星からの距離が近く、地球の60倍近い高エネルギー放射線が降り注いでいることもわかっている。

 プロキシマという恒星は赤色矮星で、表面温度が2700℃、太陽の0.4倍の大きさという。公転日数が11日というのは、かなりプロキシマに近い。どうも地球のようなイメージが湧いてこない。地球のように青く美しい惑星が発見されるのは、まだまだ先になりそうだ。できることならば、生きているうちにそんなニュースが聞けるとよいと願う。


 太陽系に最も近い恒星をまわる惑星発見

 英国のクイーン・マリー大学などからなる国際研究チームは8月25日(日本時間)、太陽系に最も近い恒星である「プロキシマ・ケンタウリ」に、生命が生存できる環境の可能性のある惑星「プロキシマb」を発見したと発表した。太陽系とプロキシマ・ケンタウリとの距離は4.37光年で、これほど近くの恒星に惑星が発見されたのは初めて。今後、より詳しい探査により、この惑星の環境などが明らかになることが期待されている。

 研究チームは2016年の前半に、南米チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の望遠鏡を使い、プロキシマ・ケンタウリを集中的に観測し、この惑星を発見。さらにほかの複数の望遠鏡による観測も重ね、慎重に裏付けを取ったという。

 プロキシマbはもうひとつの地球と呼べるかどうかについて、研究チームは以下のように語る。

「プロキシマbがもうひとつの地球か? という問いは、それが何を意味するかによって変わりますが、まず言えることは『NO』だということです。プロキシマbと地球とは、あまりに多くの点で異なっています。したがって、もしプロキシマbが生命の住める星だったとしても、それはもうひとつの地球とは呼べません」

 では、プロキシマbは生命が存在できる環境なのだろうか。研究チームは「まだ確かなことはわかっていない」としつつも、いくつかの仮説を立てている。

 たとえばあるシナリオでは、可視光と赤外線によってプロキシマbが暖められ、さらに地球の60倍近い高エネルギーの放射線が降り注いでいることによって、水や大気が宇宙空間へ向けて逃げてしまった可能性があるという。この場合、プロキシマbが形成されてから1~2億年のあいだに海ひとつ分もの量の水が失われ、さらにその後大気がはぎ取られ、現在では太陽系の水星のような、空気も何もほとんど存在しない、乾いた世界になっていると予想される。

 しかし研究チームは、今も大気を保ち、また惑星上に液体の水、つまり生命の誕生と生存にとって必要不可欠な要素のひとつが存在しないとは言い切れないとし、「現時点では、プロキシマbは生命の存在に適した惑星の候補であると考えられると結論付けることができます」と語る。また今後のより詳細な観測で、10年以内にその答えがわかるだろうとも付け加えている。


 プロキシマbへの訪問は可能か?

 プロキシマbが、水や大気の有無も含めてどのような星であるかは、まだ謎に包まれている。将来、E-ETLやジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などを使った観測で、さらに詳しいことがわかると期待されているが、最終的には探査機や有人宇宙船が訪れ、直接探査を行うことになるだろう。

 しかし、いくらプロキシマbが太陽系に最も近い系外惑星だとしても、4.37光年(約40兆km)も離れた場所に行くのは簡単ではない。

 これまで人類が打ち上げた探査機のなかで最も速いスピードで飛んでいるのは、1977年に打ち上げられた「ボオィジャー1」で、秒速約17kmという途方もないスピードを出している。しかし、仮にヴォイジャー1をプロキシマbへ向けて打ち上げたとしても、到着までには約7万年もかかる。

 現在検討されているなかで、最も現実なものは、「ブレイクスルー・イニシアティヴズ」という団体が研究している「ブレイクスルー・スターショット」という計画である。ブレイクスルー・イニシアティヴズは、ロシアの起業家ユーリィ・ミリネル氏や、世界的な物理学者のスティーヴン・ホーキング氏らによって設立された団体で、地球外知的生命体の探査を目指している。

 同団体が研究中のブレイクスルー・スターショットは、カメラなどを積んだ質量数gほどの小さなチップ状の本体と、セイル(帆)からなる探査機「スターチップ」を打ち上げ、その帆に地球から強力なレーザーを当て、その光の圧力で光速の15%から20%まで加速させ、ケンタウルス座アルファ星を目指すというもので、実現すればわずか20年ほどで到着することができる。

 今回の発表を受け、同団体も「今回の発見は、この宇宙と私たちのいる場所を深く理解するための人類の冒険である天文学という分野にとって、偉大な出来事となりました。そして私たちのブレイクスルー・スターショット計画にとっても、たいへん大きな出来事です。この星こそ、私たちが目指すターゲットです」との声明を発表している。

 ただ、スターチップのような小型の探査機の開発には、材料や電子機器など、技術のさらなる進歩を待つ必要があり、また莫大な予算もかかるため、ブレイクスルー・スターショットの実現は当分先のことになるといわれている。

 また、かつて1970年代には、英国惑星間協会がへびつかい座のバーナード星へ向けて飛行する探査機「ディダラス」計画を研究していた。核融合のエネルギーによって飛行し、最終的に光速の12%まで加速し、太陽系から5.9光年先のバーナード星まで50年で到着できるとされた。ディダラス計画は検討のみで終わったが、近い将来、恒星間飛行を行う際、核融合ロケットは有力な選択肢として考えられている。


 ケンタウルス座のアルファ星とは?

 ケンタウルス座アルファ星は、ケンタウルス座の恒星。恒星が3個ある三重連星で、ケンタウルス座で最も明るい。実視等級は-0.01等と明るく、(太陽を除く)全天で3番目に明るい恒星である。また、太陽系から4.37光年しか離れておらず、最も近い恒星系でもある。現在も秒速25kmで太陽系に近付いており、およそ25,000年後には3光年まで接近する。2012年に、国際研究チームにより、3個のうちBを公転する、下限質量が地球の1.13倍の重さの惑星が発見された。

 主星(A星)は太陽に似た黄白色の主系列星で、スペクトル型は太陽と同じG2V。表面温度はおよそ5,800K。絶対等級は4.3等となる。太陽と比べて質量は約10%、半径は約23%大きく、太陽よりも少し明るい(太陽は4.8等)。約22日で自転していると考えられている。

 第1伴星(B星)は太陽の0.28倍の光度を持つ橙色の主系列星で、スペクトル型はK1Vで、表面温度はおよそ5,300K。太陽と比べて質量は約10%、半径は約14%小さい。約41日で自転していると考えられている。B星はA星よりも強いX線を放射している。AとBの最短距離は11AUで、公転周期は79.91年。2012年になって、Bに地球サイズの惑星が発見された。太陽系に最も近い惑星である。

 第2伴星(C星)はプロキシマとしても知られており、地球からの距離は4.22光年。プロキシマの名称は、ラテン語で「最も近い」という意味であり、太陽系に最も近い恒星であることから来ている。プロキシマはA/Bのペアから13,000AU(0.2光年)も離れており、公転周期は100万年にも及ぶ。スペクトルタイプはM5Vの赤色矮星。表面温度はおよそ2,700K。質量は太陽の約0.4倍。この星は「ケンタウルス座V645星」というくじら座UV星型の変光星(閃光星)でもある。

 A・Bを合わせた実視等級は-0.27等で、シリウスやカノープスよりは暗いがアルクトゥルスよりは明るい。A星単独だと-0.01等で、-0.04等のアルクトゥルスに次ぐ明るさとなる。なおB星単独では1.33等で、21番目に明るい。

 太陽からA・Bの共通重心までの距離はそれぞれの星までの距離とほとんど変わらないので、これらを単一の天体とみなすこともできる。2012年にHARPSの観測により、ケンタウルス座アルファ星Bを公転する太陽系外惑星が発見された。この惑星は下限質量が地球の1.13倍で、3.2日で主星の回りを一周する。主星に近い軌道を周回しているため、生命が存在する可能性は低いと考えられている。

 2013年にはBbとは異なり、トランジット法による観測でケンタウルス座α星Bにもう1つの惑星、ケンタウルス座α星Bcが存在する可能性があると発表された。ケンタウルス座α星Bcも地球の0.92倍の半径を持つ岩石惑星とされており、Bbの外側、0.1auのところを12.4日で公転していると思われている。


参考 マイナビニュース: 太陽系に最も近い恒星をまわる惑星発見 生命存在の可能性も


系外惑星の事典
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NHKカルチャーラジオ 科学と人間 太陽系外の惑星をさがす (NHKシリーズ)
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