ノーベル賞の受賞予測に選ばれた「がんの免疫療法」

 今年2016年のノーベル生理学・医学賞は東京工業大学の大隅良典教授の「オートファジー」だった。惜しくも今年のノーベル賞は逃したが、アメリカのトムソン・ロイターの予測で日本人研究者として挙げられた3人がいた。このうち、免疫の働きを抑える「PD-1」という物質を発見し、新しいがんの治療薬の開発に道を開いた京都大学の本庶佑名誉教授がいる。

 2014年、新しいコンセプトの抗がん剤、小野薬品工業(本社・大阪市中央区)のニボルマブ(商品名オプジーボ®点滴静注)が登場、画期的な「がん免疫療法」として大きな期待を集めている。この創薬をけん引したのが、世界の免疫学研究を長年リードしてきた京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)氏(現・客員教授、静岡県公立大学法人理事長)だ。

 2006年にがん免疫抑制抗原PD-1の抗体として、ニボルマブが米国食品医薬品局(FDA)により研究用新薬として認可され、同年から臨床試験が米国でスタート。2009年、米製薬大手、ブリストル・マイヤーズスクイブ社が、24億ドルでメダレックス杜を買収すると、薬の開発は加速された。



がん治療革命 「副作用のない抗がん剤」の誕生
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文藝春秋
週刊ダイヤモンド 2015年4/18号 [雑誌]
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