日本海側大雪…鳥取・島根の積雪、平年の10倍

 西日本の日本海側や北陸では記録的な大雪になっている。鳥取県鳥取市では、2月11日午後1時までの積雪の深さが91センチで、33年ぶりの大雪になった。日本付近は11日も冬型の気圧配置が続いている。強烈な寒気が居座り、西日本の日本海側から北陸の各地で記録的な大雪になっている。

 24時間降雪量は、福井県小浜市で80センチ、鳥取県鳥取市で69センチ、鳥取県大山で61センチと、記録的な雪の降り方になり、鳥取市では午後1時までの積雪の深さが91センチ、1984年の90センチ以来33年ぶりの大雪になっている。また、鳥取県倉吉市では61センチと、2月としては1位で、歴代3位の記録を更新した。

 これらの記録的な大雪の影響で、電車や高速道路など交通機関にも影響が出ているようだ。最新の情報に留意して下さい。また、電線や樹木への着雪、農作物の管理にも注意を。



 鳥取市では11日午前7時30分頃、山陰自動車道・青谷あおやインターチェンジ付近で大型トラックが動けなくなり、山陰道と、並行する国道9号で渋滞が生じた。国土交通省は同日朝から順次、両道路で通行止めを実施。午後3時30分には、それぞれ約18キロの区間で、車両を強制的に移動できるよう災害対策基本法に基づく指定を行った。

 午後5時現在、山陰道で約100台、国道9号で約150台が立ち往生している。国交省や地元自治体は、両道路でガソリンやパンなどの提供を行っている。
 同市のJR山陰線・青谷あおや駅では普通列車(乗客26人)が約22時間にわたり運行できなくなった。JR西日本社員らが、おにぎりやサンドイッチ、水などを配布。車内と駅のトイレが使え、毛布も配られた。雪が小降りになった午後6時半頃に除雪作業が終わり、運行を再開した。


 新東名高速 雪や凍結で一時1000台が立往生

 2月11日午前、静岡県内の新東名高速道路で積雪や路面の凍結のため車が次々に動けなくなり、およそ1000台と見られる車が立往生した。その後、除雪作業が行われた結果、およそ11時間後に立往生は解消された。

 11日午前2時ごろ、静岡県内の新東名高速道路の上り線で積雪や路面の凍結のため車が次々に動けなくなり、長泉沼津インターチェンジと御殿場ジャンクションの間のおよそ9キロにわたって車が立往生した。

 中日本高速道路によると、立往生した車は1000台にのぼったと見られ、車のドライバーに飲料水などを配るとともに、この区間を通行止めにして除雪作業を進めた。

 その結果、午前10時半ごろから一般道に車が移動できるようになり、およそ11時間後の午後1時すぎに立往生は解消された。また、この区間の通行止めは午後2時すぎに解除された。

 気象庁によると、12日は東北でも大雪の恐れがある。12日夕までの24時間に予想される降雪量は、北陸・近畿北部・山陰・関東北部60センチ、東北・近畿中部・山陽など50センチ、四国15センチ。平野部では近畿北部50センチ、北陸40センチ、山陰30センチなど。


 西日本の日本海側中心に大雪

 気象庁によると、上空に強い寒気が流れ込み冬型の気圧配置が強まり、西日本の日本海側を中心に雪が降り続き、大雪となった。鳥取市では、この1時間に新たに8センチの雪が積もり、午後6時の積雪は30センチと、平年のおよそ3倍に達している。このほかの地域の午後6時の積雪は、広島県の庄原市高野で1メートル26センチ、島根県飯南町の赤名で85センチ、兵庫県豊岡市で41センチ、福井県小浜市で39センチなどとなった。

 福井県小浜市では10日の24時間降雪量が81センチを記録し、観測開始以降で最多となった。福井地方気象台によると、原因は山陰地方を中心にかかった発達した雪雲が、嶺南付近まで届いたためだという。

 今回の寒波では、山陰から北陸の上空約5千メートルに、大雪の目安となる氷点下36度よりも低い、氷点下39度の強い寒気が入り込んだ。さらに北朝鮮方面から吹き込む風が日本海上で合流し、帯のように発達した雪雲が連なる「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)が発生。。

 雪雲の帯は山陰地方を中心にかかり、鳥取市では積雪90センチを超え、福井県でも山陰に近い嶺南の一部は影響を受けた。小浜市には次々と雪雲が入り込み、10日午後3時から同9時の6時間で約60センチ積もるという異例の勢いで雪が降り続けた。11日午前2時には最高となる積雪80センチに達した。

 10日午後6時の静止気象衛星「ひまわり8号」の雲画像には、北朝鮮方面から延びる日本海上の雪雲の帯が、山陰から本県付近にかかる様子がくっきりと写っていた。同時刻のレーダー画像では、小浜市付近で強く降っている様子が分かる。


 原因は偏西風の蛇行と北極振動

 海洋研究開発機構の堀正岳研究員によると「北極圏の海氷が少ない年は低気圧の進路が北に移動気味となり、冷えたシベリア高気圧が拡大してスーパーシベリア高気圧となって、日本に繰り返し寒気をもたらすことが分かってた」

 「今年の北極圏は記録的な温暖で、海氷の広がりが遅れて、海氷面積が例年よりも少ない。この状態が続けば、今回のような寒波が繰り返しやってきて、今冬は例年より寒くなる可能性がある」

 「平成18年豪雪」と呼ばれた大雪をもたらした2006年1月の寒波は、やはり北極圏の海氷が減少したのが原因で、寒さと雪で152人が死亡した。

 気象庁は、北極圏から強い寒気が流れ出しやすい状態が続いていたところに、偏西風が日本付近で南に大きく蛇行したため、真冬並みの寒気が西日本中心に南下したことが影響したと分析している。

 気象庁によると、北極付近で気圧が高くなる一方、日本付近など北半球の中緯度の地域で気圧が低くなる「負の北極振動」と呼ばれる現象が起きていて、北極圏から寒気が南に流れ出しやすい状態が続いているという。

 北極圏から流れ出した寒気は、これまでは主にシベリア付近に蓄積されていたが、今週に入ってから偏西風が日本付近で南に大きく蛇行したため、偏西風の流れに沿って真冬並みの強い寒気がさらに南下し、上空に流れ込んだ。

 一方、この冬の気温や天候の長期的な予報を見てみると、南米のペルー沖で赤道付近の海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」が続く影響で、今回と同じように偏西風が日本付近で南に蛇行することが多くなり、寒気が流れ込みやすくなる見込みで、この冬は、西日本を中心に気温が平年より低くなったり降雪量が平年より多くなったりする傾向があるという。


 54年前の「38豪雪」とは?

 気象庁によると、東京の都心で11月に初雪を観測した54年前の昭和37年11月22日は、本州付近にかかっていた前線の影響で関東地方では朝から雨が降っていた。そこに大陸の高気圧が日本付近に張り出した影響で、上空1500メートル付近に氷点下3度以下の真冬並みの強い寒気が流れ込んだため、夜に入ってか雨が次第に雪に変わり、東京の都心と横浜市で初雪が観測された。

 その後、この年の12月から翌年、昭和38年の2月にかけて強い寒気が相次いで南下したうえ、低気圧や前線がたびたび日本付近を通過したため、東北から九州にかけての広い範囲で雪が降り続いた。

 特に昭和38年1月に雪の量がかなり多くなり、1月に観測した最大の積雪は、福井市で2メートル23センチ、富山市で1メートル86センチ、大分県日田市で39センチ、鹿児島県阿久根市で38センチなどとなった。

 この記録的な大雪で、北陸などの各地で集落の孤立や交通障害、それに雪の重みによる住宅の倒壊などが相次ぎ、死者・行方不明者は全国で231人、けが人は356人に上った。気象庁は、この災害を「昭和38年1月豪雪」と命名。通称、「38豪雪」とも呼ばれ、語り継がれている。


 3 か月予報的中!西日本の日本海側と北日本今年は大雪

 そうなると今年が心配だが、気象庁の長期予報によると、11月からの3か月間は低気圧や寒気の影響を一時的に受けやすく、西日本の日本海側と北日本で降水量が「平年並みか、多くなる」などと予想されていた。

 気象庁が11月25日に発表した3か月予報によると、来月からの3か月間は、南米のペルー沖で赤道付近の海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」が続く影響で、上空の偏西風が日本付近で南に蛇行するため、北日本では低気圧が通過しやすくなるほか、西日本を中心に期間の中ごろ、一時的に寒気が流れやすくなる予想だった。

 このため、12月から2017年2月までの3か月の降水量は、西日本の日本海側と北日本でいずれも「平年並みか、多い」と予想されていた。このほかの地域では、「ほぼ平年並み」とされた。

 一方、3か月間の平均気温は、北日本は寒気の影響は小さいと見られるとして「平年並みか、高くなる」と予想され、そのほかの地域はいずれも「ほぼ平年並み」と予想された。

 また、降雪量も、北日本と東日本、それに西日本のいずれも日本海側で、すべて「ほぼ平年並み」と予想されていた。ただ、11月24日の関東甲信の大雪の原因の1つとなった、北極から強い寒気が吹き出す「北極振動」については、予想が難しいとして、現時点では考慮していないとしている。

 気象庁気候情報課の竹川元章予報官は「北極付近からの寒気の流れ込みが強くなった場合には、一時的に雪の量が多くなる可能性があるため、最新の気象情報を確認してほしい」と話していた。今回の寒波は「北極振動」と偏西風の蛇行より寒波が南下し、西日本の日本海側を中心に断続的に雪が降る大雪となった。


参考 NHK news: 鳥取、倉吉2月の積雪最多に


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