強いアメリカを目指す大統領

 北朝鮮は15日、初代国家主席である金日成(キム・イルソン)氏の生誕105周年を祝う「太陽節」に合わせ、平壌で大規模な軍事パレードを行った。

 北朝鮮は昨年の太陽節で、中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられるミサイルを発射。今年も6回目の核実験やミサイルの発射が行われるのではないかと、周辺国が警戒していた。核実験やミサイル発射の動きはないようだ。だが北朝鮮は、25日にも朝鮮人民軍の創設85周年パレードを控えており、油断できない。

 実際、北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官は14日、AP通信のインタビューに、「指導部が、時と場所が適切と判断すれば、いつでも(6回目の)核実験を行う」と強気の姿勢を示している。

 これまで"野放し状態"だった北朝鮮に対し、トランプ米大統領は覚悟を固めている。4月6日から7日にかけて行われた米中首脳会談では、習近平・国家主席に対し、北朝鮮への圧力強化を要請。4月8日には、北朝鮮近海に向け原子力空母カール・ビンソンを派遣した。さらに、自身のツイッターで「北朝鮮は面倒を起こそうとしている。(問題解決へ)中国が協力を決断しなければ、われわれは独力で問題を解決する」として、アメリカ単独でも北朝鮮を攻撃する意思を示している。



 こうした直接的な言動に加え、間接的なけん制も行っている。4月6日夜、シリアのアサド政権が民間人に対して化学兵器を使用したとし、米軍はシリアの空軍基地をミサイル攻撃。攻撃を行ったのは米中会談の真っ最中。習近平国家主席の目の前で「たった今、シリアを攻撃した」と告げた。習近平氏はしばらく沈黙した後「もう一度話してくれないか...」と聞き直したという。

 さらに4月13日には、アフガニスタンのイスラム国(ISIS)の拠点に、核兵器以外の兵器としては最大のものである大規模爆風爆弾「MOAB」を投下した。一連の軍事行動からは、「必要であれば躊躇なく武力行使する」という強いメッセージが読み取れる。北朝鮮がこれ以上挑発行為を行えば、アメリカが攻撃する可能性は高い。


 なぜ今、軍事行動なのか?

 一国平和を貫こうとする日本人の中には、「トランプ大統領が余計なことをするから、北朝鮮が暴れる」と考える人も多い。

 しかし、北朝鮮をつけ上がらせたのは、オバマ前大統領をはじめとする歴代の大統領である。もちろん、その責任からは日本政府も逃れることはできない。国際社会が「対話路線」という名の弱腰路線を敷く中で、北朝鮮は着々と軍事技術を磨き続け、ついに、アメリカ本土を脅かすほどの核ミサイル技術を手に入れた。

 つまり、国際社会が北朝鮮を甘やかしてきたツケを、トランプ氏が払おうとしているのだ。

 30歳過ぎの横暴な若造に、いつまでも脅され、振り回され、逃げ回るのは、国家として恥ずかしい。今、日本は、憲法改正や法整備、装備の強化など、具体的な国防強化へと動かなければならない。

 それにしてもなぜ今なのか?

「はなはだ迷惑だ」と思う人もいるかもしれない。しかし、これ以上、北朝鮮の核開発が見過ごされ、「核ミサイルが、アメリカに届くようになる」という一線を越えれば、アメリカは一段と動きにくくなる。

例えば、日本が北朝鮮に電撃攻撃を仕掛けられた時も、アメリカは支援を躊躇するかもしれない。米国民が、核による人質に取られた状況となるからだ。また、北朝鮮の人権弾圧を終わらせるにしても、上の想定では済まない被害が出かねない。アメリカが動くとすれば、今が最も被害が少なくて済むだろう。

 数年前まで「まさか」だったことが、「まさか」ではなくなっている。日本人はそれを認め、そのために防衛面で何が足りないのかを真剣に考える時に来ている。自由の象徴、米国に追従するのか、中国や北朝鮮のような不自由な国に追従するのか。2者択一を迫られている。


 最強の非核爆弾、米が実戦初使用

 米軍がアフガニスタン東部ナンガルハル(Nangarhar)州のイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の拠点を狙って投下した大規模爆風爆弾(GBU-43/B Massive Ordnance Air Blast)、通称「MOAB(モアブ)」または「すべての爆弾の母(Mother Of All Bombs)」。イラク戦争初期に開発された同爆弾が、戦闘で使われたのは今回が初めてだ。

 米軍が保有する核兵器以外の通常兵器としては最大で、重量9.8トンの誘導爆弾。米軍事シンクタンク「グローバルセキュリティー(GlobalSecurity.org)」のウェブサイトによれば、「大型で強力、正確に目標に誘導できる」。爆薬H6が8480キロ搭載されており、その破壊力はTNT火薬11トン分に相当するという。

 グローバルセキュリティーによると、MOABは全長9メートル、直径1メートルで、航空機から投下する衛星誘導型爆弾としては史上最大。米技術誌ポピュラーメカニクス(Popular Mechanics)は、MOABの重量はF16戦闘機に匹敵するとしている。

 全地球測位システム(GPS)に誘導され、C130輸送機から投下される。降下速度はパラシュートによって減速される。つまり高い高度からの投下が可能であり、米軍機のパイロットに安全圏に到達するまでの時間的な余裕を与えることができる。

 地面に到達する前に爆発するよう設計されている。薄いアルミニウムで覆われており、これが爆発半径(爆発の影響が及ぶ距離)を最大化させ、テクノロジー情報サイト「ワイアード(Wired)」によると、その衝撃の範囲は半径150メートルにも及ぶという。

 MOABはイラク戦争時に開発された爆弾で、着弾する前に空中で弾頭が破裂し、大規模な爆風を全方面に放出する。実験が最終段階に差しかかっていた2003年の時点で、軍当局者はCNNに対し、主に「心理作戦」に使う目的で開発したと話していた。

 しかし8トンを超す爆弾を爆発させるMOABの威力も、核爆弾に比べればはるかに小さい。

「MOABの爆発の威力は0.011 キロトン。通常の核の威力は10~180キロトン。米国だけでも7000発の核兵器を保有する」。ぺリー元国防長官はツイッターへの投稿でそう指摘した。


 大規模爆風爆弾兵器(MOAB)とは何か?

 MOABとは、Massive Ordnance Air Blast bombのこと。大規模爆風爆弾兵器と訳されている。制式名称 GBU-43/B は、アメリカ空軍が開発した、2017年1月現在、通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされる爆弾である。

 空軍内部では「全ての爆弾の母」を意味する「mother of all bombsマザー・オブ・オール・ボムズ」と呼ばれることもあり、これは湾岸戦争をイラクの独裁者サダム・フセインがかつて「全ての戦争の母」を意味する「mother of all battlesマザー・オブ・オール・バトルズ」と呼んだことに因む。

 直径1mを超える非常に巨大な爆弾である 長さ約9.1 m、重さ約9,800 kgの爆弾で、8,482 kgの炸薬が収められているという。炸薬にはスラリー爆薬もしくはトリトナール(TNT 80%とアルミニウム粉末20%を混合したもの)と言われるが、明らかにされていない。基本的な設計思想は、ベトナム戦争及びアフガニスタン侵攻で使用されたデイジーカッターと同様である。

 大きさは、第二次世界大戦中に使用されたグランドスラムよりわずかに小さく、現有されている通常爆弾としては最大である。実地試験では、その凄まじい爆発のため、原子爆弾のようにキノコ雲が発生したという。

 巨大な爆弾のため通常の爆撃機には搭載できず、C-130やC-17などの大型輸送機の後部貨物扉からMOABを載せたパレットごとパラシュートで引き出されて空中投下される。

 地上まで単純にパラシュートで降下するデイジーカッターと違い、パラシュートが付いたパレットから切り離された後はGPS誘導により展開した格子状のフィンで方向を制御して降下するため、デイジーカッターよりは命中精度が高く、また高高度から投下できるため敵の対空砲火を浴びる危険性が少ない(パラシュートを使用する場合、ある程度高度を下げる必要がある)という利点がある。

 MOABの開発後、ロシアではMOABの4倍の威力があるとされるサーモバリック爆弾、ATBIPが開発されたが、この爆弾にはMOABへの対抗心からか全ての爆弾の父というニックネームが付けられている。

 MOABは、デイジーカッターの後継として、2002年に空軍研究所で開発が始まった。その後、航空宇宙・防衛企業であるダイネティクス社が参画。発案から設計図が完成するまで、3カ月程度の短さであったという。

 その後、2003年3月11日にフロリダ州のエグリン空軍基地で実地試験が行われ、11月にも試験が行われた。しかし、2003年に始まったイラク戦争では、国防総省が「衝撃と畏怖」戦略の一環として対人兵器として使用することを勧め、1発のMOABが実戦配備されたが使用されなかった。

 2017年4月13日、アフガニスタンのナンガルハール州アチン地区にあるイスラム国のトンネル施設に、実戦において初めて使用されたことが、アメリカ国防総省によって発表された。この攻撃でISILの戦闘員とみられる90人以上が死亡した。


参考 CNN news:最強の非核爆弾、米が実戦初使用 アフガンでISISに投下


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