マクスウェルの悪魔とは?

 マクスウェルの悪魔(Maxwell's demon)とは、1867年ごろ、スコットランドの物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルが提唱した思考実験、ないしその実験で想定される架空の、働く存在である。マクスウェルの魔、マクスウェルの魔物、マクスウェルのデーモンなどともいう。 分子の動きを観察できる架空の悪魔を想定することによって、熱力学第二法則で禁じられたエントロピーの減少が可能であるとした。 熱力学の根幹に突き付けられたこの難問は1980年代に入ってようやく一応の解決を見た。

 結論からいうと、それは「マクスウェルの悪魔は存在しない」というものだった。熱自体はエネルギーとして認められているものの、一度混ざってしまったお湯を熱いお湯と、ぬるいお湯に分けることなど普通は不可能だ。熱の正体は分子の運動量の大小に置き換えられるが、運動量の大きな分子だけを選り分けることができれば、熱いお湯をつくり出すことができる理屈だが、個々の分子の運動量を測定して、選り分けるのにエネルギーを必要とするからだ。そんな、永久機関のような「マクスウェルの悪魔は自然界に存在しないだろう」と考えられていた。



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