世界一大きな魚は?

 世界一巨大な魚類はジンベイザメだが...。サメのなかまを除く魚類の中で最大の魚類は何だろう?

 正解はマンボウである。最大全長333センチメートル。体重2.3トン。世界最大の硬骨魚のひとつである。

 マンボウ(Mola mola)は、フグ目マンボウ科の1種である。巨体と独特の体型が特徴の海水魚である。英語名はオーシャンサンフィッシュ (ocean sunfish)。海洋の上を体を横倒しにして、太陽に体を向けたまま漂うことがあることからこう呼ばれる。この姿勢は鳥に寄生虫を食べてもらうためだという。

 大きな体に愛嬌のある風貌で、水中を悠然とただようマンボウの姿はスクーバダイビングなどで人気が高い。フグ目に属し、同目に特徴的な丸い目、小さな口、鳥のくちばしのような板状の歯、小さな穴状のエラ穴を持つ。腹びれと肋骨を持たないのも同目の特徴である。



 水族館での飼育は一般的に困難であるが、日本では海遊館・鴨川シーワールド・名古屋港水族館などいくつかの水族館で飼育展示が行われている。飼育が難しい主な理由は泳ぎが下手なため自ら水槽の壁に体をぶつけて弱ってしまうこと、寄生虫が多いことなどである。餌は、水面に顔を出したときにエビのミンチなどを直接口に入れてやる方式がよい結果を残しており、さらに水槽内にビニールやネットの壁をめぐらせてマンボウを守るなどの対策が取られるようになった。

 ただし、手で触るだけで手の跡がそのまま付くほど皮膚が弱く、飼育が難しい事は変わらない。また飼育下で大きく成長した個体は施設に限界があるため、標識をつけて大洋に再び放される事が多い。国内での飼育記録としてはマリンピア松島水族館で飼育されていた「ユーユー」が1379日の記録を残している。


マンボウ、最弱伝説より衝撃「骨格の謎」

 ネット上でも人気のマンボウ。定期的にマンボウ談義が出現する。その中でも衝撃的だと話題になるのが「マンボウの骨格」。お腹や背中まわりには骨がなく、いわゆる普通の魚の尾びれがないこと。

 「弱そう」「実在する動物と思えない」「鳥っぽい」、さまざまなコメントが集まる。どうしてこんな骨格なのだろうか?魚類の標本の専門家に聞いてみた。

 訪ねたのは、国立科学博物館の筑波研究施設。国立科学博物館といえば上野、だが、動物や地学などの研究部や標本・資料を収蔵する施設がつくば市にある。動物研究部・脊椎動物研究グループの研究主幹、篠原現人先生に、マンボウの骨格の謎について伺った。

 「マンボウとは、マンボウ科マンボウ属の魚類のことで、魚の体が半分なくなったような、不思議な形が特徴的です。」

 「日本や世界の幅広い地域に生息しており、水族館でも人気の魚なのですが、食べることもできます。以前、和歌山県の道の駅でマンボウの串焼きを食べたことがあるのですが、白身魚より弾力があって、鶏肉に近い感じがしました。」

 成長すると3m近くにもなるというマンボウは、標本にするにはスペースも費用も必要で、あまり多くの標本は作られていないそうだ。書籍の骨格図を紹介してもらった。

 顔の周りに骨があるだけで、お腹や頭の後ろにはない。上下に伸びた「ひれ」はまるで鳥の羽よう。いわゆる一般的な魚が持つ、後方に長細く伸びた「尾びれ」がないことも、不思議さをふくらます。

 一体どうしてこんな姿になったのだろうか?


 マンボウの進化、フグから影響

 「自然界の生物は、他の生物に食べられないように、さまざまな進化を遂げています。毒を持ったり、周囲と同化できる外見になったり、生き残るために時間をかけて姿を変えてきたのです。」

 「マンボウはマンボウ科マンボウ属と紹介しましたが、これは「フグ目」という上位の分類単位に属しています。マンボウは実はフグの仲間で、その中でも進化している魚なのです。」

 簡単にいうとマンボウは「進化したフグ」。マンボウの骨格は、祖先であるフグの進化に大きく影響を受けていた。ではフグはどのように進化してきたのだろうか?

 体の小さな魚は、口の大きな魚に「丸のみ」という形で捕食されてしまう。丸のみされないために、フグは捕食者の口よりも大きくなれるように進化を遂げる。そう、水を吸い込んで自分の体をふくらます能力を得た。この時、ポイントになるのは骨。骨があるとふくらむ時に邪魔なため、フグには腹びれやそれを支える骨など、お腹まわりには骨がない。

 篠原先生は「マンボウは『体が大きく成長する』という才能を持ったため、ふくらむ必要はありません。しかし骨格はフグの姿を受け継いで、お腹まわりには骨がないのです」と説明した。

 マンボウのお腹には内臓、背中には筋肉が詰まっているのだが、骨がないとその部位がなんだか弱そうだ。

 「マンボウは皮膚が強くはありません。特別硬いウロコやトゲなど、武器を持っている訳ではないので、かじられたりするのには弱いかもしれません。ただし、生き残るため、丸のみされないように進化したことの方が重要だとみています」


 マンボウの骨格「かなり変わっている」

 「マンボウの骨格は、魚の中でもかなり変わっている」と話す篠原先生。「他の魚と大きく異なるのは、『尾びれがないこと』です」。

 「いわゆる普通の魚は尾びれの付け根をくねらせることで泳ぎますが、マンボウの祖先にあたるフグは、尾びれだけではなく、背びれと臀(しり)びれも使って泳ぐことができます。これらのひれを使って、ヘリコプターのホバリングのように、方向転換ができるようになりました。」

 マンボウで、尾びれのように見える部分は「舵(かじ)びれ」と呼ばれ、最近の研究で、背びれと臀びれが延長した構造であることがわかってきたそうだ。マンボウが前に進むために使っているのは背びれと臀びれで、「舵びれ」は方向転換するために使用する。

 マンボウにどうして尾びれがないのかはわかっていないという。フグ目からの進化の過程を知りたくても、間にあたる魚の存在が不明なので、とてもユニークに見える。

 言えることは、背びれと臀びれで泳げるのはフグの子孫ゆえ。篠原先生は「尾びれがなくなっても泳ぐことができる、という進化を遂げたと考えた方が自然」と話す。

 マンボウについて「わからないことの方が多い」と話す篠原先生。産卵する卵の数など、繁殖に関することなどはまだ不明だという。

 マンボウと言えば、海面からジャンプするという特技を持つことが有名。体の寄生虫を落とすためという見方が強いそうですが、ジャンプする理由はよくわかっていない。

 今年7月には、日本とオーストラリアなどの国際共同研究チームによって新種のマンボウが発見されました。DNA分析で新種の存在が示唆されていたものの、実物を探し出すのにおよそ10年かかったそうだ。

 「マンボウのように、有名な割にわからないことが多い魚はまだまだたくさんいます」という篠原先生。

 見た目と中身にギャップがあるマンボウだが、より進化した魚だったとは驚きだ。謎の多い生き物の世界、更なる発見が楽しみだ。


 マンボウとは何か?

 マンボウ(翻車魚、Mola mola)は、フグ目マンボウ科の1種である。巨体と独特の体型が特徴の海水魚である。ウオノタユウ(瀬戸内海)、ウキ、ウキギ、ウキキ(浮木)(以上東北地方)、マンザイラク(神奈川)、マンボウザメなど多数の地方名で呼ばれる。

 英語名はオーシャンサンフィッシュ (ocean sunfish) だが、ブルーギルなどを含むスズキ目のサンフィッシュ科とは関係がない。

 最大全長333センチメートル。体重2.3トン。世界最大の硬骨魚のひとつである。ただし、後述のとおり、大型の個体はウシマンボウである可能性がある。

 体は側面から見ると円盤型、正面から見ると紡錘形をしている。背びれと尻びれは長く発達し、体の後部から上下に突き出しているが、多くの魚が持つ尾びれと腹びれは持たない。体の後端にある尾びれのような部分は、背びれと尻びれの一部が変形したもので、舵びれあるいは橋尾とも呼ばれる。

 泳ぐときは背びれと尻びれの動きを同調させて羽ばたくように対称に動かすことで推進力を生み、舵びれあるいは橋尾で舵をとる。

 フグ目に属し、同目に特徴的な丸い目、小さな口、鳥のくちばしのような板状の歯、小さな穴状のエラ穴を持つ。腹びれと肋骨を持たないのも同目の特徴である。

 皮膚は厚く粘液で覆われるとともに、おびただしい量の寄生虫が付着している。なお、皮膚は非常に弱く、飼育下では水槽壁面への衝突などでもたやすく傷付くほど。 ただし、インターネット上でミームとして拡散されているほど弱くはない。


 マンボウの種類と生態

 近年、従来同一種に属すると考えられてきた日本近海に現れるマンボウが、種レベルで遺伝的距離が遠い2つの集団に分けられることが分かってきた。一方は主に東日本の太平洋岸で捕獲される全長3 m前後の大型個体で、他方は九州から北海道に至る太平洋、日本海で捕獲される全長1m以下から3m近くの個体である。2010年には、このうちの前者をウシマンボウという標準和名で呼び、後者を従来のマンボウという標準和名で呼ぶことが提唱されている。

 全世界の熱帯・温帯の海に広く分布する。外洋の表層で浮遊生活をしていると考えられてきたが、近年の研究によりマンボウの生息の場は深海にまで及んでおり、海上で見せる姿は生態の一部にすぎないことがわかってきた。発信機をつけた追跡調査で、マンボウは生息水深を一定させず、表層から水深800m程度までの間を往復していることが明らかにされている。25%程度の時間を表層で過ごす個体がいる一方、別の個体は水深200m以深の深海にいる時間が長かった。水温の変化に影響を受けている可能性が考えられているが、外洋に生息する魚だけに生態はまだ謎が多く、詳しい調査が待たれる。

 マンボウはクラゲや動物プランクトンを食べるということは知られているが、胃内容物からは深海性のイカやエビなどの残骸も発見されている。これまでマンボウは海中を受動的に漂っているだけと考えられることが多かったが、これらの餌を捕食するにはある程度の遊泳力が必要となる。近年]、音響遠隔測定による調査で、マンボウは海流に逆らって移動し得るだけの遊泳力を持つことが示されている。

 時折海面にからだを横たえた姿のマンボウが観察されることがあり、丸い体が浮かんでいる様が太陽のようであることから sunfish という英名がついた。この行動は、小型の魚やカモメなどの海鳥に寄生虫を取ってもらうため、深海に潜ることによって冷えた体を暖めるため、あるいは日光浴による殺菌が目的ではないかと考えられている。マンボウは勢いをつけて海面からジャンプすることもあり、これも寄生虫を振り落とすためである可能性がある。

 マンボウのメスが一度に産む卵の数は3億個に達するともいわれ、最も多く卵を産む脊椎動物とされる。卵は親に保護されることもなく海中を浮遊しながら発生するため、ほとんどが他の動物に食べられてしまい、成長できるのはごくわずかである。孵化した稚魚は全身にとげがあり、成魚とは似つかない金平糖のような姿をしている。一時的にとげが長くなりハリセンボンのようにもなるが、成長するにつれとげは短くなり、マンボウ独特の姿に変わってゆく。また、全長40cm程度の若いマンボウが群れを作ることも報告されている。


参考 withnews: https://withnews.jp/article/f0170924000qq000000000000000W06910201qq000015875A


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