今年の10大科学ニュースと「3つのR」

 今年もいよいよ終わる。1年振り返って、1月からのニュースを読み返してみると「3つのR」に素晴らし成果を見た。

 今年は日本海側や北海道、東北は寒気が流れ込み大雪、ニューヨークも寒波に襲われているそうだが、年初も雪が多かった。鳥取県では33年ぶりの大雪を記録した。巨大台風が今年も日本を襲った。台風の影響で、北海道のジャガイモの収穫量が減り、ポテトチップが店頭から姿を消すこともあった。

 嬉しいニュースでは、上野動物園のパンダの赤ちゃんが誕生したことや、九州福岡県、宗像沖ノ島の世界遺産登録が決まったことなどがある。また、奄美群島が国立公園に指定された。

 日本の科学技術もすごい、プランク定数の精密測定に成功し、キログラムの新定義が可能になった。また、日本独自の量子コンピューターを完成させたのも凄かった。ロケットが何度も打ち上げに成功し「みちびき」や「しきさい」など多数の衛星を軌道に乗せた。民間でも小型ロケットの打ち上げに挑戦するなど、今年は「宇宙ビジネス」という言葉が広がった。一方、心配な面では新幹線の台車の亀裂事故があった。



 医療では、1滴の血液でがんの早期発見ができる、マイクロRNAを検出する技術が臨床試験段階に入った。今年のノーベル賞は残念ながら日本人からは選ばれなかったが、ガードナー国際賞に遠藤章教授(83)が選ばれた。遠藤氏は「コレステロール値を下げる薬」の開発につながった物質「スタチン」を発見した。「スタチン」利用者は世界で1億人以上にのぼる。私もその一人だ。

 国際的には日本は非常に厳しい状態である。核兵器禁止条約には、米国の核の傘下にいるため政府は署名しなかった。北朝鮮によるミサイルや水爆実験もあった。今は米国と北朝鮮が戦争になるかどうかが問題になっている。なぜ、日本は自分の国の問題なのに、米国や国連制裁決議に任せて、自ら行動しないのだろうか?

 冒頭の「3つのR」それは、ロケット・ロボット(AI)・量子コンピューターである。2017年の科学十大ニュースを選んでみた。


 第10位 燃料デブリをようやく発見

 東日本大震災発生から7年目となって、ようやく東京電力福島第1原発事故の燃料デブリの場所が分かった。東電は7月、3号機の原子炉内にロボットを投入し、燃料デブリとみられる塊を初めて撮影した。政府と東電は調査結果を基に、1~3号機の燃料デブリの取り出し方法について、格納容器を水で満たさずに空気中で回収する「気中工法」を中心に検討する方針だ。

 原発再稼働も大きな節目を迎えた。原子力規制委員会は12月27日、東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)について、新規制基準に適合しているとする審査書をまとめた。東電の原発が審査に合格したのは初めて。東電は事故の当事者で、賠償も終わっていないが、規制委は「原発運転の資格がある」と判断した。

 また、九州電力玄海3、4号機(佐賀県)が1月、関西電力大飯3、4号機(福井県)が5月に審査に合格し、合格したのは7原発14基になった。一方、老朽原発の廃炉も進んだ。関電は12月、19年に運転開始から40年を迎える大飯1、2号機(同)の廃炉を決定。東日本大震災後に廃炉が決まったのは福島原発を除いて計6原発8基となり、全国の原発は震災前の54基から40基に減る。

 一方で、今年のCOP23では日本は不名誉な「化石賞」をもらった。これは石炭による火力発電所を増やす計画があるからだ。我が国のエネルギー資源の自給率はわずか4%。エネルギー資源の極端に少ない我が国は、科学技術でエネルギーを造り出していくのが一番良い。原発の再稼働には賛成だ。


 第9位 EVシフトの衝撃・空飛ぶ自動車も登場 http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5421055.html

 これには驚いた人も多かった。フランスに続いて英国がガソリン車の販売禁止を打ち出した。欧州のEV(電気自動車)シフトが急速に進み始めた。中国も事実上のEVシフトを決め、米国でも電気自動車のテスラ社が躍進を続けており、EV化の流れはほぼ確実といわれている。水素をエネルギー源とするFCV(燃料電池車)を次世代エコカーの主力に据えているのは、事実上、日本だけとなったが、日本の水素戦略はどうなるのだろうか?

 英政府は7月26日、石油を燃料とするガソリン車とディーゼル車の販売を、2040年以降に禁止すると発表した。大気汚染が深刻化していることから、強制的にEVへのシフトを促する。経過措置として汚染のひどい地域へのディーゼル車の乗り入れを禁止するため地方政府向けに予算を拠出する。

 一方、空飛ぶ自動車がいよいよ実現する。日本では土地が狭いので公道を走ったり、空を飛んだりすることはまだまだ先になるのだが、欧米のモデルをみるとずいぶんスマートになった。そう思うようになったのはやはり、電気自動車や電気飛行機、そして自動運転技術が進化したからだ。ガソリンなどの化学燃料が主体だと、内燃機関や燃料自体の重さで重量が増してしまう。これが電気で動くとなると、モーターと電池だけで動くので軽くて済む。自動運転が進めば飛行機の免許も必要なく空を飛べるようになるかもしれない。

 第8位 ヒアリ日本上陸 http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5399454.html

 ヒアリは、大変攻撃的なアリで雑食系である為、もともとそこに居るアリや、昆虫類、時には小さい哺乳類までも集団で攻撃し食べてしまう事がある。そういった事により、従来の生体系に被害を及ぼす特定外来種に指定されている。「世界の侵略的外来種ワースト100」にも入っている。人間への影響が大きい生物だ。

 もともとアリはハチのなかまが羽を失ったもの。ヒアリには、猛毒性があり刺されると「火傷をしたときのような痛み」がある。ヒアリの特性上、何度も刺すため、1度に何匹ものアリに刺されると最悪の場合、アレルギー反応が起き、呼吸困難・死に至る可能性もある。アメリカでは、年間約100人もの死者を出すとされる。

 ヒアリは、もともと南米中部に生息するアリだが、今年6月、強い毒を持つ外来種のアリ「ヒアリ」が神戸市の神戸港(ポートアイランド)のコンテナヤードで見つかった。約100匹がアスファルト舗装の亀裂部分にいた。ヒアリは5月にも兵庫県尼崎市で、中国からの貨物船で運ばれたコンテナ内部から国内初確認されており、環境省などが全国でヒアリの侵入がないか調べている。

 第7位 上野動物園でジャイアントパンダの赤ちゃん誕生! http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5398469.html

 上野動物園(東京・台東)の雌のジャイアントパンダ「シンシン」(11歳)が12日正午前、赤ちゃんを出産した。都への取材で分かった。生まれたのは1頭で性別はメス。シンシンの出産は2012年以来で、上野でのパンダ誕生は5例目になる。

 シンシンは2月末、雄の「リーリー」(11歳)と交尾。5月16日ごろから、主食の竹を食べる量が減るなど妊娠の兆候がみられた。19日ごろから4カ所の乳頭が目立つようになり、妊娠した際に分泌される尿中のホルモン代謝物の値が上昇傾向を示した。妊娠の兆候が強まったとして、25日から公開が中止されていた。

 ジャイアントパンダの赤ちゃんは「シャンシャン(香香)」と名付けられ、12月19日から一般公開されている。初日、2時間半の限定された観覧時間で、1397人の人が訪れた。1~2時間起きていて、3~4時間ほど寝るというのがシャンシャンのサイクルだそうで、朝から木登りをしたり、シンシンのおっぱいを飲んだりと、元気でかわいらしい姿を見せてくれたシャンシャンを、観覧者たちは写真に撮るなどして楽しんでいた。

 第6位 自然災害の脅威、最悪の事態を想定し、想定外をなくせ! http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5476028.html

 東日本大震災の後、南海地震・東南海地震・東海地震という3つの地震が連動して起きるとされているが、過去の事例を紐解くと、それらの3連動地震の前には必ず日向灘で地震が発生しているので注目されている。だが、日本列島は地震の巣窟だった、まだまだ危険な場所がある。

 琉球海溝で発生する地震と、千島海溝で発生する海溝型地震だ。石垣島では600年おきに4回の大津波が起きていたことが陸地の地層を調べることで判明した。また12月19日に発表された、政府の地震調査委員会の発表では、北海道の千島海溝沿いでも東日本大震災のような「超巨大地震」が起きる恐れがあり「発生が切迫している可能性が高い」という。

 それだけではない「世界で最も危険な火山」の第1位は日本の硫黄島だという。また第4位には阿蘇山が入っている。第6位にはインドネシアで噴火したアグン山が入っている。どの火山も破局噴火になれば、全地球規模で「火山の冬」や「大津波」の発生が予想されており、大変な災害になりそうだ。

 第5位 新幹線事故あわや大惨事!日本の科学技術を再興しよう! http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5481216.html

 日本の科学が危機に瀕している。2015年ノーベル物理学賞を受賞した、梶田 隆章さんも言っている「日本は、少なくとも科学技術立国には向かっていない。日本はどんな国を目指すのか。もし科学技術でないなら、政府は何かを示してほしい」

 かつて「科学立国」「技術立国」と呼ばれ、世界をリードしてきた日本は、その存在感を急速に失いつつある。なかでも今世紀に入ってから、日本のお家芸だった半導体や携帯電話をはじめとするエレクトロニクス産業の国際競争力は急落し、その生産額は最盛期の2000年から半減し世紀のサイエンス型産業の頂点に位置する医薬品産業も、日本は2000年初頭に国際競争から脱落してしまった。

 安全神話という言葉も最近目にするようになった。安全神話とは絶対安全だという信頼感。言外に根拠のない思い込み、錯覚にすぎないという含みがある。安全性が保たれている時はこの言葉は使用されず、崩れた時に使用される。

 それが使用されたのが、2011年3月に起きた東京電力(東電)福島第一原子力発電所の事故であった。想定を超えた地震と津波があったとはいえ、放射線が漏れてしまった以上、安全性は崩壊してしまった。次に予定されていた、核燃料リサイクルや高速増殖炉の計画などすべてに影響を与えたしまった。せっかくの原子力の科学技術も、この国では風前の灯である。

 もう一つ、安全神話という言葉で話題になったのが、新幹線の事故だった。JR西日本が車両を所有・管理する12月11日運行の博多発東京行きのぞみ34号の台車で亀裂が見つかり、運輸安全委員会が新幹線で初の重大インシデント(重大な事故につながる恐れのあった事例)と認定した。

 これは本当に危なかった。乗客は約1000人いたそうだから、脱線したら大惨事になるところだった。新幹線までダメになってしまっては、この国の信用はがた落ちだ。科学技術立国として発展してきた日本が衰退していくのをこの目で見たくはない。今一度、国全体で立て直す時期が来ているのではないのだろうか?

 第4位 宇宙ビジネスへ官民共同で取り組もう! http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5401913.html

 これに対して、宇宙産業は華々しかった。日本人としては12人目の宇宙飛行士となった金井宣茂さん(41)。来年6月まで国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、実験などのミッションに取り組む。医師の金井さんは無重力が人体に与える影響などを調べる予定で、宇宙医学への貢献が期待される。

 そのISSを巡っては、2025年以降の運用方針が決まっていない。政府は12月、国際的な有人月探査計画への参加について検討することを表明したものの、ISSも含めた長期的な宇宙戦略は固まっていない。

 民間の宇宙ビジネスの進展もあった。北海道の宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」が7月、民間単独では国内初となる宇宙空間到達を目指して小型ロケットを打ち上げた。目標は達成できなかったが、来春にも再挑戦する計画だ。また、民間による月面無人探査プロジェクトも進行中だ。日本の技術を結集した月面車を製作し、月面を縦横無尽に走らせる、そんな夢に向かって取り組んでいる「HAKUTO」というグループもある。

 衛星ビジネスの可能性が広がった年でもあった。測位衛星「みちびき」3基が打ち上げられ、来年度からの「日本版GPS(全地球測位システム)」への態勢が前進した。「しきさい」「つばめ」などの人工衛星打ち上げにも成功している。

第3位 「チバニアン」日本の世界的財産がまた一つ http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5466146.html

 千葉県市原市にある「崖」が脚光を浴びた。11月に開かれた国際学会の1次審査で、この地層が77万~12万6000年前(中期更新世)を代表する地層に選ばれ、中期更新世が「チバニアン」(ラテン語で「千葉時代」)と命名される可能性が高まった。

 地球の磁場を示すN極とS極は過去何度も逆転しており、その最後は77万年前とされる。茨城大などのチームは地層の鉱物や花粉などを分析した結果、77万年前の逆転の痕跡が見つかったとして、国際学会に命名を申請した。

 中期更新世は、最後の逆転を「境界」にすることが決まっており、イタリアも別の名称を申請していたが、1次審査は日本に軍配が上がった。ノーベル賞(自然科学)では日本の4年連続受賞はならなかったが、日本の科学技術が光った1年でもあった。

「名前がついていない時代は少ない。名前を決められるのは今回がほぼ最後のチャンスだ」。チームの岡田誠・茨城大教授は語る。最終決定にはまだ3回の審査が残っており、チームはより精密な分析結果の積み上げを目指す。

第2位 ロボット+AI(人工知能)で新時代の産業をリードせよ! http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5484166.html

 人工知能(AI)が注目されている。最近では「AI」が目に見えない系外惑星を発見した。やがて第2の地球も判断できるかもしれない

 ものづくりではアジア勢に、ITの世界ではアメリカの巨人たちに押され、かつての勢いを取り戻せないでいる日本の産業界だが、複合技術ならば、千載一遇のチャンスが巡ってきている。

 それは「ロボット」と「AI」である。日本政府は2015年1月に「ロボット新戦略」を正式決定している。すでに産業用ロボットの出荷額でも稼働台数でも世界一を達成した日本。その意味では、日本は「ロボット大国」と言っても過言ではない。

 形としての目に見えるロボットではなく「AI」と複合した技術が少しずつ浸透している。例えば自動運転技術などもそうだろう、複雑な周辺環境をAIが判断し、電気自動車(EV)がAIの指示で動くロボットになっている。東京オリンピック・パラリンピックを控え、多言語対応のできるロボット運転手の自動運転タクシーが間もなく登場する予定だ。

 もはや私達の生活から切り離せない存在となっている「コンビニエンスストア」。そんなコンビニ大手5社が、深刻化している人手不足の解消や流通業の効率化を図るため、揃って「ある革新的なシステム」を導入すると発表。

 2025年までに全コンビニに「無人レジ」導入 セブンイレブン・ジャパンやファミリーマートなどの大手コンビニエンスストア5社は、消費者が自分で会計をする「セルフレジ」を2025年までに国内の全店舗に導入すると公表した。今回導入されるシステムは、カゴや袋に商品を入れたまま、専用の機械が組み込まれた台に置くだけで会計が可能だ。

 これは、経済産業省と共同で発表する「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」に明記されるもので、2025年までに、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、ニューデイズで取り扱う全ての商品(計1000億個)に専用のICタグが貼り付けられる。管理するのはもちろん「AI」だ。

 「AI」の発達に伴って、ロボットの活躍の場が広がり、新たな市場が生まれようとしている。この新たなロボット市場を足がかりに、日本企業の“逆襲”が始まろうとしている。


第1位 量子コンピューター国内で誕生! http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5471302.html

 今年2017年秋9月22日、東京大学の古澤明教授と武田俊太郎助教授は、大規模な汎用量子コンピュータを実現する方法として、1つの量子テレポーテーション回路を無制限に繰り返し利用するループ構造の光回路を用いる方式の発表をした。

 これまで量子コンピュータの大規模化には多くの技術課題があったが、発明した方式は、量子計算の基本単位である量子テレポーテーション回路を1つしか使用しない最小規模の回路構成であり、「究極の大規模量子コンピュータ実現法」だという。

 11月20日、この方式を使った「量子コンピューター」の初の国産機の開発に成功したと国立情報学研究所やNTTなどのチームが発表した。複雑な組み合わせを解く問題でスーパーコンピューターの100倍のスピードを発揮したという。世界中の研究者が利用できるようインターネット上で無料公開するという。

 実現するのは100年後といわれていた「量子コンピューター」それがわが日本で、できたことは素晴らしい成果だと思う。量子コンピューターは、カナダのベンチャー企業が6年前、世界で初めて販売を始め、グーグルやIBM、マイクロソフトなどの大手IT企業も開発を進めるなど世界中でしれつな競争が展開されている。


俯瞰図から見える日本型“AI(人工知能) クリエーター情報なし 日刊工業新聞社
AI・ロボット・生命・宇宙… 科学技術のフロントランナーがいま挑戦していること
クリエーター情報なし
秀和システム

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ ←One Click please

これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。