2018年はさまざまな「月」が楽しめる

 満月がひときわ大きく見える「スーパームーン」が新年早々の2日未明、各地で観測された。国立天文台によると、平成30年で最も満月が大きく見える2日は地球と月の間は約35万7千キロで、最も小さく見える7月28日は約40万6千キロ。

 今回、月が最も近づいたのは2日午前6時49分。「最小の満月」に比べると直径は14%、明るさも30%増しで見えるという。

 月は、円ではなく楕円を描くように地球の周りを公転している。さらに、太陽や地球の重力などにも影響を受けるため、地球からの距離は毎年微妙に変化している。



 今月は「スーパームーン」に続き1月31日が「ブルームーン」。ブルームーンとは、1ヵ月間に2度満月が生じるとき、2度目の満月のことをさす。ちなみに2月には満月が1度もない。ブルームーンには「見ると幸せになれる」という言い伝えがあり、近年人気が高まっている。

 SNSなどで大きな話題となりそう。2018年は1月31日と3月31日の満月がブルームーン。さらに1月31日は、3年ぶりの皆既月食であり、日本全国で好条件で見られそうだ。

 また、6月28日は「ストロベリームーン」ピンク色の月が夜空に現れる。この名前は月の色からではなく、アメリカでのイチゴの収穫期の満月だからそう呼ばれるようになった。ストロベリームーンを見ると幸せになれる、恋愛運が上がる、というジンクスがある。恋の願いを月に叶えてもらえるかもしれない。

 そして、7月28日は再び皆既月食がある。この日の満月は2018年の満月のなかでも一番小さい満月。9月24日は、中秋の名月。中秋の名月と満月の日付けがずれるのはよくあることだが、明るく美しい月は見ごたえ十分、ススキやお月見団子を用意して、お月見を楽しみたい。

 2018年の天文現象を調べてみた。


 ほしぞら情報2018 展望

 2018年に注目したい天体現象としては、1月と7月に起こる皆既月食があげられる。1月31日は、日本全国で欠け始めから終わりまで観察でき、21時51分ごろから1時間以上、赤銅色の月が空に浮かぶ。また、7月28日は、深夜から明け方にかけて食が起こり、月食中に月が沈む「月入帯食」となる。

 三大流星群のうち、ペルセウス座流星群(8月)とふたご座流星群(12月)については、極大の時刻や月齢の条件が良く、多くの流星の出現が期待できる。

 7月31日には、火星が地球に5,759万キロメートルの距離まで近づく。火星と地球は2年2か月ごとに接近するが、6000万キロメートルより近い距離での最接近となるのは、2003年の最接近時(5,576万キロメートル)以来となり、この前後は観察の好機となる。

 年末にはウィルタネン彗星がやってくる。地球最接近は12月16日(日)。ウィルタネン彗星が地球に最接近して3等級まで明るくなり、久々に肉眼で観察できる彗星になりそうだ。冬の星座として有名な「おうし座」の近くを駆け抜けていく。


 皆既月食(2018年1月31日)

 まず、注目したいのは1月31日に見られる皆既月食。

 2018年1月31日は皆既月食が3年ぶりに日本全国で見られる。この月食は観測条件が良く、見やすい時間帯に起こる。皆既継続時間は1時間17分とたっぷり見れる。

 月は太陽の光を反射して輝いている。太陽と地球、そして月が一直線上に並ぶと、月が地球の影に入って暗くなる。すると、月が欠けてしまったように見えるのが月食。徐々に欠け始めると部分月食となり、すっぽり地球の影に入ってしまうと皆既月食になる。このとき、月は地球の影で真っ暗になりそうだが、地球の大気で屈折した赤い光がほんの少しだけ入り込むので、赤黒い赤胴色に見える。

 前回、日本で見ることができた皆既月食は2015年4月4日で、わずか12分間。今回は1時間17分も続きるから、観測のチャンスはたっぷりある。しかも、欠け始めから欠け終わりまで、日本全国どこででも皆既月食を観察することができる。肉眼で十分観察できるのもうれしい。

 さらに、月食の間は月の光に邪魔されず、星がはっきり見えるようになるから、いつもよりきらきらと輝く星を観察してみるのも、おもしろいかもしれない。月食は20時48分ごろ、月の左下方向から欠け始める。光る部分が最後に残るのは月の右側で、21時51分から皆既月食が始まる。

 月が赤黒くなる皆既状態は1時間17分にわたって続く。最大食は22時30分ごろです。23時8分になると月の左下から復帰が始まる。日付が変わって2月1日の0時11分に、右上から地球の影が抜けて月食が終了する。食分は1.32で、皆既月食としては文句なし。

 食分とは日食および月食において,太陽や月の欠ける程度を表す量。日食の食分は,(月の視半径+太陽の視半径−月と太陽の見かけの中心距離)/(太陽の視直径)で,また月食の食分は,(本影の半径+月の視半径−本影と月の中心距離)/(月の視直径)で定義される。

 ちなみに、今年は7月28日にも皆既月食が起こりますが、月食が夜明け前に始まり、月食中に月が沈む「月入帯食(げつにゅうたいしょく)」のため、東側の地域では見るのが難しくなる。


 地球に最接近する火星を観察しよう!(2018年7月31日)

 今年は地球に最接近する火星を観察するチャンス。惑星のひとつである火星(Mars)は、地球のすぐ外側を公転している。大きさは地球の半分ぐらいと小さいため、遠く地球から離れているときは望遠鏡を使っても観察しにくい惑星なのだが、今年の夏、地球に最も距離が近くなる「最接近」となり、めったに見られない赤い火星を観察する絶好のチャンスがやってくる。

 最接近するのは2018年7月31日。距離にすると、地球の中心から火星の中心までの地心距離は5759万キロメートル。6000万キロメートルよりも近い距離で接近するのは、2003年以来、15年ぶり。1月現在、地球と火星の距離は3億キロメートル近く離れているので、かなり近くなることがわかる。

 1月の火星は視直径で5秒角もないほど極小サイズなのだが、最接近では視直径は24秒角を超える。といっても、月の視直径の約77分の1の大きさなので、小さいことには変わりはない。ただ、今年の6月下旬から9月上旬までは、火星の明るさがマイナス2等を超えて木星よりも明るくなるため、最接近の日に限らず、夏から秋にかけて大きく輝く火星を見ることができる。

 東京で観察する場合は、火星は南東の空から昇り、真夜中頃には南の空に輝く。最接近の日にはマイナス2.8等の明るさなので、東の空から昇る月明かりにも負けずに赤くきらめくはず。最接近をピークに明るさが少し落ちるが、この時期はマイナス等級を保って南東から南の空で明るく輝いているので、ぜひ夜空を見上げてみてください。火星は肉眼でみつけられるが、望遠鏡でのぞいてみると火星の表面のもようも観察できるかもしれない。


 三大流星群を観察しよう

 しぶんぎ座流星群(1月4日):見頃は、4日午前0時過ぎから明け方にかけて。ただし、満月が過ぎたばかりの明るい月が夜空を照らすので、見られる流星数は少なくなりそう。月に背を向けたり、手で隠したりして、月明かりを視界に入れないようにするのが観察のコツ。

 ペルセウス座流星群(8月13日):三大流星群のひとつである、ペルセウス座流星群は毎年7月後半から8月後半にかけて活発な動きを見せる。今年は8月13日の午前10時ごろに極大を迎えるが、昼間は見えないので、日本での見頃は8月13日の未明になる。放射点が高く月明かりの影響もなく、とてもよい条件が揃っているので、1時間に40個程度は見られるかもしれない。

 最近は夏休みのイベントのひとつとして、子どもたちが観測することも増えてきた。冬の凍える寒さの中の観測とは違うので、家族でも参加しやすい。ただ、夜は夏でも冷えるので、長そでを着用することをオススメする。また、蚊に刺されないように、虫よけも必須。観測には、なるべく街明かりの影響が少ない方角がよく、できることなら寝転んで夜空を眺めると、見つけやすくなる。

 ふたご座流星群(12月14日):ふたご座流星群も好条件で観察できる。ふたご座流星群もペルセウス座流星群、しぶんぎ座流星群と並ぶ三大流星群のひとつ。昨年2017年もよい条件でしたが、今年2018年も好条件で観測することができそう。

 極大を迎えるのは12月14日の21時頃。見頃は12月15日に日付が変わる夜半過ぎから明け方にかけてで、1時間に40個程度が予想されている。夜半には月が沈むので月明かりの影響もなく、深夜2時頃には放射点がほぼ天頂になるため、夜空から流れ星が降ってくるように見えるだろう。

 ただ、この時期はたいへん寒い時季。防寒対策をしっかりするようにしよう。立ったままでの観察は首に負担がかかるので、できれば寝転がって空全体を見ることがおススメ。レジャーシートや毛布、寝袋、マフラーや帽子は必須で、温かい飲み物なども用意したほうがよさそう。


1月の天文現象

1日 元日 初日の出情報 2日 水星が西方最大離角/満月(2018年最大の満月 スーパームーン) 3日 天王星が留 / 地球が近日点通過 4日 5時頃、しぶんぎ座流星群が極大(見頃は4日未明。1時間に20個程度。月の影響が大きく条件がたいへん悪い)5日 小寒(太陽黄経285度) 8日 成人の日 9日 下弦 / 金星が外合 17日 新月 17日 土用の入り(太陽黄経297度) 20日 大寒(太陽黄経300度) 25日 上弦 27日 アルデバラン食(東北地方の一部と北海道) 31日 満月(1月2回目の満月 ブルームーン) / 皆既月食

2月の天文現象

2日 レグルス食(中部地方の一部と東日本) 3日 節分 4日 立春(太陽黄経315度) 8日 下弦 11日 建国記念日 12日 休日 16日 新月 / 部分日食(日本からは見られない) 17日 水星が外合 19日 雨水(太陽黄経330度) 23日 上弦

3月の天文現象

2日 満月 4日 海王星が合 6日 啓蟄(太陽黄経345度) 9日 木星が留 / 下弦 16日 水星が東方最大離角 17日 新月 18日 彼岸の入り 21日 春分の日 / 春分(太陽黄経0度) 23日 水星が留 25日 上弦 31日 満月

4月の天文現象

2日 水星が内合 5日 清明(太陽黄経15度) 8日 下弦 14日 水星が留 16日 新月 17日 土用の入り(太陽黄経27度) 18日 土星が留 / 天王星が合 20日 穀雨(太陽黄経30度) 23日 上弦 / このころ、4月こと座流星群が極大(見頃は23日未明。1時間に10個程度。夜半頃に月が沈んだ後は条件がたいへんよい) 29日 昭和の日 30日 休日 / 水星が西方最大離角 / 満月

5月の天文現象

2日 八十八夜 3日 憲法記念日 4日 みどりの日 5日 こどもの日 / 立夏(太陽黄経45度) 6日 このころ、みずがめ座η(エータ)流星群が極大(見頃は極大を中心とする2~3日間の未明。1時間に5個程度。月の影響があり条件が悪い) 8日 下弦 9日0 木星が衝 15日 新月 21日 小満(太陽黄経60度) 22日 上弦 29日満月

6月の天文現象

6日 芒種(太陽黄経75度)/ 水星が外合 7日 下弦 11日 入梅(太陽黄経80度) 14日 新月 19日 海王星が留 20日 上弦 21日 夏至(太陽黄経90度) 27日 土星が衝 28日 満月 / 火星が留

7月の天文現象

2日 半夏生(太陽黄経100度) 6日 下弦 7日 地球が遠日点通過 / 小暑(太陽黄経105度) 11日 木星が留 12日 水星が東方最大離角 13日 新月 / 部分日食(日本からは見られない) 16日 海の日 20日 土用の入り(太陽黄経117度)/ 上弦 23日 大暑(太陽黄経120度) 25日 水星が留 27日 火星が衝 28日 満月(2018年最小の満月)/ 皆既月食 30日 このころ、みずがめ座δ(デルタ)南流星群が極大(見頃は極大を中心とする6~7日間の夜半過ぎ。1時間に2個程度。月の影響が大きく条件がたいへん悪い) 31日火星最接近

8月の天文現象

5日 下弦 7日 立秋(太陽黄経135度) 8日 天王星が留 9日 水星が内合 11日 山の日 / 新月 / 部分日食(日本からは見られない) 13日 10時頃、ペルセウス座流星群が極大(見頃は13日未明。1時間に40個程度。条件がよい) 17日 伝統的七夕 18日 上弦 / 金星が東方最大離角 / 水星が留 23日 処暑(太陽黄経150度) 26日 満月 27日 水星が西方最大離角 28日 火星が留

 9月の天文現象

1日 二百十日 3日 下弦 6日 土星が留 8日 白露(太陽黄経165度)/ 海王星が衝 10日 新月 17日 上弦 / 敬老の日 20日 彼岸の入り 21日 水星が外合 / 金星が最大光度 23日 秋分の日 / 秋分(太陽黄経180度) 24日 休日 / 中秋の名月 25日 満月

 10月の天文現象

2日 下弦 5日 金星が留 8日 体育の日 / 寒露(太陽黄経195度) 9日 新月 / このころ、10月りゅう座流星群が極大(見頃は9日の日の入り後。1時間に1個程度。月の影響はない) 10日 このころ、おうし座南流星群が極大(見頃は10月5日頃から20日頃までの夜半頃。1時間に2個程度) 17日 上弦 20日 土用の入り(太陽黄経207度) 21日 このころ、オリオン座流星群が極大(見頃は極大を中心とする4~5日間の未明。1時間に5個程度。未明に月が沈んだ後は条件がたいへんよい) 23日 霜降(太陽黄経210度) 24日 天王星が衝 25日 満月 26日 金星が内合

 11月の天文現象

1日 下弦 3日 文化の日 7日 水星が東方最大離角 / 立冬(太陽黄経225度) 8日 新月 12日 このころ、おうし座北流星群が極大(見頃は11月15日以前の夜半頃。1時間に2個程度) 14日 金星が留 15日 上弦 17日 水星が留 18日 このころ、しし座流星群が極大(見頃は18日の未明。1時間に2個程度。条件はまずまず) 22日 小雪(太陽黄経240度) 23日 勤労感謝の日 / 満月 25日 海王星が留 26日 木星が合 27日 
水星が内合 30日 下弦

 12月の天文現象

2日 金星が最大光度 7日 水星が留 / 大雪(太陽黄経255度) / 新月 14日 21時頃、ふたご座流星群が極大(見頃はこの夜の夜半過ぎ頃。1時間に40個程度。夜半前に月が沈んだ後は条件がたいへんよい) 15日 水星が西方最大離角 / 上弦  22日 冬至(太陽黄経270度) 23日 天皇誕生日 / 満月 24日 休日 29日 下弦 


参考 国立天文台: https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2018/


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