いよいよ火星有人探査、残る課題は?

 スペースX社の最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は、メキシコ・グアダラハラで開催されたIAC(国際宇宙会議)の席で、2024年に火星への有人探査機を、スペースX社が打ち上げると発表した。NASAは2030年代なかばに有人火星探査を実施しようとしているが、スペースX社はそれを、10年以上も前倒ししようというのだからかなり野心的な計画だ。

 火星に人が行くとなると、まだまだ課題はたくさんありそうだ。まず、生命の維持に必要なのは適度な温度、食料と水、酸素である。火星は、気温の差が極めて大きい。赤道付近の気温は30℃前後だが、極付近ではマイナス140℃の超低温になる。なお悪いことに、火星の土壌には甲状腺の機能に悪影響を与える有害物質の過塩素酸塩が高い濃度で含まれている。人にやさしい場所とは言いがたい。

 さらに、大気がうっすらとしかないため、火星の地表で活動する人間は、致死的なレベルの宇宙放射線にさらされることになる。地球のようなオゾン層はなく、大気圧も総じて低いため、地面には常に強い紫外線が降り注ぐ。宇宙医学の専門家は、火星での探査作業に携わる宇宙飛行士たちの放射線被曝に関して以前から警鐘を鳴らしている。



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