危険を感じると瞬く間に「変身」、本当の姿は?
この写真、何だと思う?「どうみてもヘビにしか見えない」
しかし、これがヘビなら、かみつかれていただろう。実は想像もしない生物だった...
擬態とは何か? 擬態とは動物が、周囲の事物やほかの動物によく似た形態をもっていること。敵の攻撃を避けるのに役立つと思われる。 進化によってある特定の環境に似た外見を獲得して擬態するもの(昆虫類など)と、自分の外見を変化させる能力を獲得して擬態するもの(カメレオンなど)がある。
特に色彩だけを似せている場合は「保護色」と呼んでいる。人間からはそうは見えなくとも、すむ環境や活動する時間によっては立派な擬態や保護色となるものもある。海水魚にはタイやカサゴなど赤っぽい体色のものがいるが、ある程度の水深になると青い光が強くなるため、これらの赤色は目立たない灰色に見えてしまう。
映画制作者で、ナショジオ ワイルドのドキュメンタリー・シリーズ「アンテイムド」(Untamed)のホスト役でもあるフィリペ・デアンドラーデ氏は、その一部始終を見届けた。
このシリーズの撮影で、車で何カ月も寝泊まりし、南アフリカでは手を伸ばせば届く距離までライオンに近づき、米フロリダでは卵からかえったばかりのウミガメを追い、クロコダイルと何度も至近距離で出くわした。しかし、この熱心な撮影者をあっと驚かせたのは、1匹のイモムシだった。
デアンドラーデ氏はコスタリカのオサ半島に入り、「昆虫レディー」の別名を持つ生物学者トレーシー・スタイス氏の案内でスズメガを見に出かけていた。
毒ヘビの正体は、スズメガの幼虫
正確に言えば、緑色をしたスズメガ科Hemeroplanes triptolemusの幼虫をスタイス氏が先に見つけており、これが一行の目的だった。この幼虫は、驚くとヘビそっくりの生き物にたちまち姿を変えられる。体の前方を膨らませ、隠れている黄色、白、黒の斑点が現れる。目玉のような斑点、爬虫類のうろこをまねた体表、そしてヘビと見まがう曲線の動きで、完璧になりすます。
滞在していたロッジから10分ほど歩いた所で、一行は木の葉にくっついたイモムシを見つけた。ハリウッドでも使われているRED社の6Kデジタルカメラで撮ろうとしてクルーが接近すると、イモムシは素早く察知し、「ヘビ」に変身した。
「初めて見たときは、全く信じられない思いでした」とデアンドラーデ氏は話す。イモムシの姿を目の当たりにして、笑いと叫びが同時に出たという。さらにぎりぎりまで近づくと、ヘビになりきったイモムシは同氏の息を感じ取り、空中に一撃を繰り出した。害はないが、攻撃に驚いたデアンドラーデ氏は大きくのけぞった。
周囲に溶けこむ多彩な擬態テクニック
コスタリカは世界屈指の生物多様性を誇る国であり、50万を超える種を育んでいる。世界中の生物種の4%近くを占める豊富さだ。今回撮影されたHemeroplanes triptolemusを含め、スズメガ科の幼虫は極めて貴重だ。スズメガは10~30日生きられるが、そのうち幼虫の期間はわずか数日しかない。ヘビそっくりに擬態できる期間はとても短いのだと、デアンドラーデ氏は語った。
「幼虫に出合うのが珍しいだけではなく、ちょうどいいタイミングでなければいけません」とデアンドラーデ氏。「今回は、訪れた場所も時間もたまたまぴったりでした」
H. triptolemusは、グアテマラ、ベリーズ、コスタリカでしか見られない。もともともっている緑と茶色の模様で熱帯雨林の植物相に完全に溶け込めるが、足を引っ込め、体の前の部分を膨らませてヘビの外見をまねれば、捕食者を追い払うのに役立つ。
恐ろしげな生物、あるいは食べる気の起こらない生物になりすますのは、襲う種・襲われる種がともにもつ生存するためのテクニックだ。このほか、雪景色の中のホッキョクギツネやホッキョクグマのように、背景と一体化する色で自分を隠す者もいる。シマウマ、トラ、ヒョウなどは、見る者を混乱させる模様で全身を覆い、体の輪郭を見えにくくしている。色以外にも、形や質感を周囲に似せて、背景に溶け込む種もいる。
スズメガ科の幼虫はこの擬態テクニックのおかげで、食べようと襲ってくる鳥や、腹を空かせた別のイモムシをだますことができる。もちろん、人の目もこの変装にだまされる。ヘビさながらの攻撃は迫力があり、ぎくりとさせられる。
「それが自然の雄大さです」とデアンドラーデ氏。「何一つ予想がつかないのです。一体何に出くわすのか、体がどう反応するのか、自然な生き方というものに対する考えが、それによってどう変わっていくのか。風変わりなイモムシには、ほかの何よりも興奮しました」
進化論より創造論が面白い
擬態とは動物が、周囲の事物やほかの動物によく似た形態をもっていること。敵の攻撃を避けるのに役立つと思われる。小枝に似た尺取虫やナナフシ、木の葉に似たコノハチョウなど昆虫にその例が多い。またアリに似たクモや花びらに似たカマキリなどのように、攻撃に役立つと思われる擬態もある。
擬態をする動物を見ると、本当に動物が自ら進化して擬態を身に着けたのかと疑うほど、よくできていて美しいのだ。むしろ、何者かが造ったと考えた方が自然だと感じる。
アメリカ合衆国、特に南部では公立学校で進化論を教えるべきかどうかについて対立があることをご存知だろうか。ダーウィンの進化論に反対して、キリスト教の聖書には全生物は創造主が個別に創った、ノアの洪水は実際にあった、地球の年齢は一万年以下…という主張がある。
科学的に考えると、人類最古の化石が400万年前の地層から出てきているので、地球の年齢が一万年しかないというのは受け入れがたい。しかし、創造主が造ったという主張や、ノアの大洪水などは、科学的にみても有り得る範囲に入っている。
というのは、2010年7月にはヒトDNAの全ゲノム解読に成功、以来、あらゆる生物のゲノムが次々に解読されているからだ。仕組みが分かったら次は生命の創造につながっていくに違いない。宗教で述べていることには真実が多い。
昆虫の擬態なども、よく創造論の証拠としてあげられる。コノハチョウ、コノハムシなど、これは、とても昆虫自ら考えて造ったものとは思えない。ましてや偶然にできるわけがない。創造主がいたと考える方が理にかなっている。ただし、創造主といっても神ではない。人でさえ、DNAを操作すれば創造主になれるのだ。何者かが夏休みの自由研究で造ったとしてもおかしくない。
擬態とは何か?
進化によってある特定の環境に似た外見を獲得して擬態するもの(昆虫類など)と、自分の外見を変化させる能力を獲得して擬態するもの(カメレオンなど)がある。
特に色彩だけを似せている場合は「保護色」と呼んでいる。人間からはそうは見えなくとも、すむ環境や活動する時間によっては立派な擬態や保護色となるものもある。海水魚にはタイやカサゴなど赤っぽい体色のものがいるが、ある程度の水深になると青い光が強くなるため、これらの赤色は目立たない灰色に見えてしまう。
またトラもよく目立つように思えるが、ヒトなど一部の三色色覚を持つ霊長類を除き、哺乳類には視覚的に色の区別ができないものが多いため、茂みにひそめばこれも擬態になると考えられている。
同じような生活環境に適応し、また同じような食性を獲得した結果、二つあるいはそれ以上の種類の生物の形態が非常に似たものになることがあるが、これは擬態ではなく収斂進化と呼ばれる現象である。収斂進化した複数種の生物においては、体の外見だけでなくその機能も似ている。またあとに述べるミミックとモデルという非対称的な関係は存在しない。たとえばカマキリとミズカマキリとカマキリモドキはよく似た鎌状の前脚を持つが、擬態ではなく収斂進化の例である。擬態はカモフラージュとも言う。
擬態は目的によって隠蔽擬態、攻撃擬態、の2つに分けられる。ただし隠蔽擬態と攻撃擬態については両方を兼ねる生物もおり、明確な線引きは難しい。
隠蔽擬態は、バッタ、ナナフシなど自分が他の動物から捕食される可能性がある動物は、周囲の植物や地面の模様にそっくりな姿をすることで、攻撃者から発見されないようにする。
攻撃擬態は、カマキリ、アンコウ、リーフフィッシュなど自分が捕食者で、周囲の植物や地面の模様にそっくりな姿をすることで、獲物に気づかれないようにする。身を隠すという意味では隠蔽擬態の一種であり、実際自分を捕食する動物に対しては普通の隠蔽擬態として機能する。ペッカム型擬態とよばれることがある。(Wikipedia)
参考 National Geographic news: http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/c/040500080/
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