ドローンとは何か?

 ドローンというと広義には、無人航空機(Unmanned aerial vehicle, UAV)であり、人が搭乗しない(無人機である)航空機のことを指すが、短くドローン(drone)と呼ばれている。

 最近では軍用のドローンが世界中で使用されるようになった。MQ-1 プレデターなど武装した無人航空機が世界で数多く登場しており、アフガニスタン紛争、イラク戦争などで実戦投入されている。主な任務は対地攻撃だが、イラク戦争では有人機との空中戦に用いられたケースもある。

 しかし、ドローンというと普通はマルチコプター(multicopter)を指す場合が多い。これは、ヘリコプターの一種であり、3つ以上のローターを搭載した回転翼機のことである。機体中央から放射状に配置された複数のローター(回転翼)を備えており、各ローターを同時にバランスよく回転させることによって飛行する。



 上昇・下降はローターの回転速度(回転数)の増減によって行い、前進・後進・旋回などは、各ローターの回転数に差をつけ、機体を傾けることで行う。ローターは固定ピッチのものがよく使われ、右回り、左回りのものを交互に配置することで、回転の反作用を打ち消しあっている。

 このようなドローンが登場したのは、フライトコントローラー(Flight Controller:FC)が開発され、搭載されたことが大きい。フライトコントローラーは、コンピュータと、ジャイロセンサーや加速度センサー、気圧センサー、GPSなどの複合体であり、それらセンサからの情報を源にコンピュータが機体の姿勢を監視・安定化させつつ、操縦に応じて機体の傾きや進行方向を制御している。


ヘリ型ドローン 火星で飛行実験へ 

 今回、NASA(アメリカ航空宇宙局)は、火星にヘリコプター型の小型ドローンを運んで飛行実験を行うと発表した。ヘリコプターの飛行実験を地球以外の惑星で行うのは初めてである。

 これはNASAが5月11日に発表したもので、火星探査車にヘリコプター型の小型ドローンを積み込み、2020年7月に火星に向けて打ち上げる。ドローンは2021年2月に火星に到着する見込みで、到着次第飛行実験が行われる。

 ドローンは、機体の大きさがソフトボール程度で、重さはおよそ1.8キロ、太陽光発電で動く。

 火星の大気は地球の100分の1と薄く、機体を浮かせるための揚力を得るのが難しいため、回転翼の羽根を地球上よりもおよそ10倍速く回転させて飛ばすという。

 今回は技術的な検証が目的だが、NASAは「ヘリコプターが火星で飛行できると実証されれば、今後、探査車では行けない場所へのアクセスといった調査範囲の拡大などが期待できる」としている。


 海のドローンも登場

 人航空機の「ドローン」は配送や地形調査などで活用されているが、海上には太陽電池やGPSなどの多くの機器を搭載したヨット型の「海のドローン」が航行中。ブルームバーグがYouTubeで公開しているムービーでは、海のドローンが何を目的に海上を航行しているのか、その理由に迫っている。

 サンフランシスコ湾の海上を、誰も乗っていない1隻のヨットが航行中。このヨットは海のデータ収集しており、多くの人々にとって、まもなく大きな利益をもたらすことになると予想されている。このヨットを管理しているのは、リチャード・ジェンキンスさん。

 ジェンキンスさんは挑戦が好きな人で、このヨットに関わる前はランドヨットの世界最速記録に挑んでいた。ジェンキンスさんは当時を振り返り、「記録を打ち立てる前は、時速116マイル(187km)が世界記録でした。当時の私は、この記録の更新を最低限の目標として設定していました」と話している。

 ジェンキンスさんは1年ほどで記録を更新できると考えていたそうですが、実際に記録を更新するまでに10年の年月を必要とした。そして、ジェンキンスさんは、2009年に世界最速となる時速203kmで走行することに成功。それ以降、この記録は記事作成時点でも破られていない。


 無人のヨットで海を調査

 次の挑戦は、無人のヨットを使って世界を一周すること。ジェンキンスさんは「無人のヨットが世界一周したことは一度もありません。これに成功すれば、最初に実現した記録として残ることになります」と語っている。

 そして、ジェンキンスさんは、世界一周することも可能なロボット式のヨットを作り上げ、2013年には、世界初の自律航行可能な無人船舶を海に送り出し、サンフランシスコからハワイまで航行させることに成功。

 この実績が評価されたジェンキンスさんは、投資家から9000万ドル(約100億円)の出資を受け、カリフォルニア州のアラメダに無人ヨットを作る企業「Saildrone」を設立。

 Saildroneは、もともと航空機のハンガーとして作られた建物を使っており、この建物内には、GPSや太陽電池などの多くの機器が搭載された20隻の無人ヨットがある。

 このヨットは数カ月間航行することができ、センサーやカメラなどで得られた情報を、衛星を介してリアルタイムに閲覧することが可能である。2018年現在、Saildroneは新しい活動を始めています。

 それは、太平洋にある「White Shark Cafe」と呼ばれる地域を調査することです。White Shark Cafeには、ホホジロザメが集まって数カ月間過ごすことがわかっていますが、その理由はよくわかっていません。科学者たちはその理由を知りたいと考え、Saildroneに協力を依頼した。


参考 WIRED: https://wired.jp/2015/01/29/nasas-working-helicopter-thatll-fly-mars/


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