2018年7月の星空

 毎日暑い日が続いている。いかがお過ごしであろうか。せめて日が沈んでから涼しくなってほしいものだ。

 しかし、今月の星空は華やかだ、明るい4惑星が夜空を彩る。夕空では金星、宵空に木星と一晩中見える土星、夜が更けてからは火星が見ものだ。 とくに楽しみなのは31日に地球と最接近する火星だろう。

 今月はまだ、宵の時間帯にはあまり高く昇っていないが、ぜひ天体望遠鏡を向けて模様を観察してみたい。どんどん明るくなる様子を肉眼で確かめるのも面白い。また、28日の未明から明け方に欠けた月と火星が並ぶ光景も必見だ。



 夏空には、明るい惑星だけでなく、てんびん座やさそり座、夏の大三角なども見える。この夏は惑星観察も星座探しも満喫しよう。

 さて、7月28日の未明から明け方にかけて皆既月食が起こる。日本の多くの地域では欠けた月が沈んでいく月没帯食となる。7月28日の未明から明け方にかけて、月が地球の影に隠される皆既月食が起こり全国で見られる。1月31日に続いて今年2回目の皆既月食で、日本で1年に2回皆既月食が見られるのは2011年以来となる。

 月が欠け始める部分食の始まりは3時24分、月が地球の影に完全に入ってしまう皆既食は4時30分から6時14分だ。東京の月の入りは4時49分なので、皆既食が始まってすぐに月が沈んでしまうことになり、日本全国のほとんどの地域でも同様に、皆既食の終わりよりも前に月没となる。明け方の西の低空で部分月食をメインに見る、というイメージで観察計画を立てよう。

 こうした、現象の途中で月が沈む月食のことを「月没帯食」と呼ぶ。なお、この日は火星が衝を迎える日でもあり、欠けた月の近くに赤い火星が並んで見える。太陽・地球・月・火星がこの順で一直線に並んでいるところを想像してみると面白い。


 2018年7月28日、未明の皆既月食

 明け方の月食を観察しよう。2018年7月28日未明に今年2回目の皆既月食が起こる。おおよそ東北地方以西で月の入りの前に皆既食を迎え、そのまま沈む。それ以外の地域では、月は皆既食になる前に沈む。

 月は3時24分に欠け始め、4時30分に完全に欠けて皆既食となる。皆既食は、6時14分まで1時間44分も続くが、日本ではこの時刻よりも早く月が沈むため、皆既食の後の様子は観察することができない。

 皆既食中の月は、真っ暗になって見えなくなるわけではなく、「赤銅(しゃくどう)色」と呼ばれる赤黒い色になる。一方で天体は低い高度では、高度の高い時よりも私たちに届くまでに大気の影響を大きく受けて、本来の色よりも赤みが強くなる。

 今回は部分食のころからすでに月の高度が低いので、皆既食になる前から赤みがかって見えるかもしれない。また、皆既食のころにはすでに空が明るくなり始めているので、皆既食中には、月が見えなくなってしまうかもしれない。部分食のころから観察を始めて、普段と違う月と地上の風景を楽しもう。

 月食中の月の位置については図を参照。月のそばには最接近を目前に控えた火星が明るく輝いている。


 平成最後の皆既月食、次回は2年10ヶ月後

 前回、日本で見ることのできた皆既月食は、2018年1月31日に起こった。このときは、日本全国で部分食の始めから終わりまでを空の高い位置で観察でき、皆既食の継続時間も1時間17分と比較的長く、今回よりもかなり条件の良い月食だった。

 次回、日本で見ることができる皆既月食は2021年5月26日に起こる。日本全国で皆既食を観察することができるが、地域によっては月が昇ってきたときに、すでに部分食が始まっている月出帯食となる。次に日本全国で部分食の始めから終わりまでを見ることができる皆既月食が起こるのは、2022年11月8日になる。

 2001年から2030年までの月食については、国立天文台ホームページ、暦計算室の「月食各地予報」で調べることができる。


 皆既月食の起こるしくみ

 月食は、月が地球の影に入ることによって起こる。月が地球の影に完全に入り込む月食のことを「皆既月食」と呼ぶ。

 月食についての詳しい説明は、月食の基礎知識の「月食とは」をご覧ください。今回の月食で、地球の影に対する月の動きを示したのが以下の図です。

 月食は肉眼で十分観察できるが、双眼鏡や望遠鏡を使うとより鮮明に観察できる。月食はただ眺めているだけでも楽しい天文現象だが、観察した結果を残したり、月のスケッチを取ったり、あるいは写真を撮ったりすると、あとになって月食の様子を振り返るためのよい記録となる。

 また、あまり知られていないが、部分食が始まる前や終わった後には、月が半影(はんえい)と呼ばれる地球の薄い影の中に入った状態となる。これを「半影食」と呼ぶ。肉眼ではなかなかわかりづらい現象だが、露出を抑えた写真を撮影するとはっきりわかる。ただし今回、半影食が始まる時刻は2時13分。次第に日の出に向けて空が明るくなってくるので、観察はむずかしいかもしれない。

 それから、皆既が始まるころには日の出の時刻を迎える。普段なら月は昼間の青空の中でも見えますが、皆既中の月がどこまで見えるのか挑戦してみたい。


参考 国立天文台: https://www.nao.ac.jp/astro/feature/lunar-eclipse20180728/