夏の体調管理は大丈夫?

 夏だというのに体調がすぐれない。のどが痛く鼻がつまる。花粉症のような症状だ。胃腸の調子も良くない。夏カゼをひいたのだろうか。それとも水筒の飲料水が良くないのか。

 熱中症のときには、水分・塩分補給がポイントだというので、水分だけでなく塩分もこまめに補給している。しかし、水分があまりおいしくない。冷たい飲料水ばかりで胃腸が冷えてしまったのだろうか。

 また、金属製の水筒にスポーツドリンクはダメだというのも話題になっている。いろいろと心配になったので、いろいろ調べてみた。



 金属製の水筒にスポーツドリンクは「絶対NG」。歴史的猛暑で熱中症対策の必要性が盛んに叫ばれるなか、インターネット上には、こんな注意喚起をするネットユーザーが相次いで現れている。

 スポーツドリンクは酸性の液体のため、金属が溶け出して中毒を起こしてしまうというのだ。はたして、こうした情報は事実なのか。東京都福祉保健局、「ポカリスエット」の大塚製薬などに取材すると...。


 過去には中毒事例もあるが...

 「水筒が金属なら絶対スポドリ入れないでください!! 」「ポカリを金属水筒に入れちゃダメ」「金属製の水筒に、スポーツドリンクを入れると、水筒内の金属が溶けて中毒になるらしい」

 暑さが本格化し始めた2018年7月中旬頃から、ツイッターには上記のような書き込みが相次いで寄せられている。こうしたネットの反応を受けてか、ウェブメディア「しらべぇ」も7月21日朝、

 「ステンレス製の水筒にスポーツドリンクは要注意! 中毒症状のおそれも」と題した記事を配信。本文中では「酸性の強い飲料はステンレス製やアルミ製などの金属の水筒に入れることは注意が必要」と呼びかけていた。

 こうした注意喚起の根拠とされているのは、東京都福祉保健局の健康安全研究センターが11年8月に公式サイト上に掲載した情報だ。確かにこのページでは、スポーツドリンクが酸性の飲料だと紹介しながら、

 「酸性度の高い飲み物や食べ物を金属製の容器に入れると、飲み物・食べ物の中に金属が溶け出すことがあります」と伝えていた。

 また、実際の中毒事例も2008年に報告されているとも紹介。このときは、銅製の水筒で粉末のスポーツドリンクを溶かし、それを5~6時間後に飲んだ6人が、頭痛やめまい、吐き気などの症状を訴えたという。


 金属が溶け出す恐れは「ほぼない」

 やはり、金属製の水筒にスポーツドリンクを入れるのは危険なのか。J-CASTニュースが18年7月25日、上述の東京都健康安全研究センターの担当者に聞くと、

 「基本的には、金属製の水筒であっても内部にコーティングが施されている製品がほとんどですので、スポーツドリンクを入れたからといって、金属が溶け出すことはほぼないと考えています」

 と説明。実際、類似の中毒事例の報告は「近年はほとんどありません。おそらく、08年の事例が最後だと思われます」という。

 ただ担当者は、「今は少なくなっているかと思いますが、銅製の水筒では注意が必要です。内部に傷がついていて、酸性の液体を長時間入れていると、中毒の恐れはあります」とも指摘。一方で、

 「水筒の素材がアルミや鉄であれば、少量の金属が溶け出したとしても中毒を起こすことは考え辛いです。よっぽど大きな傷が内部についているのであれば、話は別ですが」とも話していた。

 このように、中毒のリスクは低いとしつつも、担当者は「水筒を使用する前に内部の状態をチェックしてください。サビや傷がある場合は、やはり使用を避けた方が無難だと思います」とも話していた。


 夏カゼにご用心

 水筒は昔と比べて、内部にコーティングしてある。それならば中毒ではなさそうだ。では、この不調は何だろう?

 気温と体内の温度差もまた、身体にとって大きなストレスとなる。特に、冷たいものの取りすぎは、内臓まで冷やしてしまうので要注意。冷たいものを取ることで、一時的なクールダウンは図れるが、実は内臓も冷えて身体の機能を低下させてしまう。

 そこに、夏風邪ウイルスが体内に侵入すると体調を崩すことは考えられる。

 一般的に風邪ウイルスは低温で乾燥した空気を好むが、夏風邪ウイルスは高温・多湿を好み、湿度50%以上になると活発に働く。梅雨の時期から夏にかけて活動性が増し流行するため、注意が必要だ。

 のどやお腹の痛みが特徴

 冬風邪は熱が高くなりますが、夏風邪は37.5℃くらいの微熱が続く。また、夏風邪ウイルスは、のどや腸で増えるため、のどの痛みや激しい咳、腹痛、下痢などの症状が主で、冬風邪のような鼻水や鼻づまりの症状が出にくいのが特徴。

 夏風邪の原因となるウイルスはほとんどがお腹の中で増殖するため、体の外に排出されるまで時間がかかる上、有効な治療薬がない。さらに夏は、食欲不振などにより体力や免疫力が落ちやすいため、ウイルスを退治するまでに時間がかかってしまう。


 「夏風邪」を防ぐには

 外出から戻ったら、こまめに手洗いをする。夏風邪ウイルスのついた手で、鼻や口を触ると感染してしまう。日頃からこまめに手洗いやうがいをして、ウイルスを洗い流すことが予防の第一歩。

 身体の冷やしすぎは免疫力低下につながり、お腹を冷やすと腸の働きが悪くなる。オフィスなどではひざ掛けなどを常備し、お腹や足元を冷やさないよう注意しよう。室温は28℃くらいが最適。

免疫力の低下はさまざまな不調や万病につながっていくので、身体にかかるストレスを軽減するためにも、あえて常温のものや温かいものをとるなど、身体を冷やさないように意識したほうがいい。身体の代謝を高めるビタミンB群を豊富に含むきのこなどの食材を積極的に取り入れることで、体温を高める工夫をしておくのも効果的。

 人間の体は、寝ている間は体温が下がるようになっている。そのため、寝る前に体を温めてしまうと、寝た後に体の冷え方が急激になり、風邪を引きやすくなる。よって入浴後は、1時間以上たってから寝るのがオススメ。

 夏バテと勘違いして対処が遅れることが多い「夏風邪」。まずは「夏風邪」を引かないようにすることですが、万が一引いてしまったら、早めの対処を心掛けよう。

《参考文献》季節の図鑑、小学館:NHK「ためしてガッテン健康辞典 ①病気にならない健康法辞典」


 夏にもある花粉症

 夏から秋にかけて、目のかゆみやくしゃみ、鼻水など、花粉症の症状が出たら、その原因は「草本花粉」かもしれない。草本花粉とは、イネ科やキク科、ブタクサ属などの、背が低い、いわゆる雑草の花粉。

 スギやヒノキなどの花粉は高い木から風にのって数10kmも飛散するが、これらの草本植物は丈が低く、花粉は数10mの範囲にしか広がらない。そのため、その植物が生えている場所に近づかなければ、かなり花粉を避けることができる。花粉が飛散していない時期に、それらの植物が生えている場所を確認しておき、花粉の飛散時期がきたらそこには近づかないようにするとよい。

 夏~秋の花粉症の原因は、イネ科、キク科の植物

 イネ科の植物では、スギ・ヒノキ花粉症と同じような鼻の症状、目の症状に加え、皮膚のかゆみなど全身症状が出やすいことが特徴。

 カモガヤ、オオアワガエリは、どちらも花粉の飛散時期は5~8月で、夏の花粉症の代表格となっている。牧草として栽培され、道端や河川敷にも生息する。

 キク科の植物が原因の場合、症状はスギ・ヒノキ花粉症と同様、鼻や目の症状が起こります。ブタクサはどこにでもあるので、近所に畑や河川敷がある場合はとくに注意しよう。

 ヨモギは、全国的に広く分布。8~10月に花粉が飛散する。とても繁殖力が強い。ブタクサ/秋の花粉症の代表格。道端や河川敷など、全国的に広く分布している。

 スギ、ブタクサ、イネ科植物による花粉症は世界3大花粉症と言われ、アメリカではブタクサによる花粉症が、ヨーロッパではイネ科の植物の花粉症が多くみられます。

 外出時は完全防備 帽子・メガネ・マスク・マフラーを身につけて。コートもツルツルした素材を選びましょう。衣服・ペットなどについた花粉は玄関でシャットアウト。なるべく室内に持ち込まない工夫と努力を。

 こまめに花粉の侵入を防ぐことも大切なポイント。気をつけましょう。外出したら、洗顔やうがいをし、体に付いた花粉はきちんと洗い流そう。毎日の習慣として心がけよう。

 花粉が付着し、寝ている間の症状悪化につながることがあります。外に干した洗濯物や布団は花粉をよく落として。掃除はこまめにすることで、きれいな室内はダニアレルギー対策にもなる。


参考 Live door news: http://news.livedoor.com/article/detail/15105342/


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