地球外の原始生命を探して

 私たちは現在、地球外に生命は存在するのかというテーマで宇宙探査を行っている。身近な火星や金星、そして地球外惑星など様々な分野に興味は及んでいる。

 先日、米国の天文学会でも地球から2番目に近い系外惑星に、原始的な生命活動を可能にする領域が存在するという発表がなされた。

 地球からわずか6光年の距離で見つかったスーパーアース(巨大地球型惑星)は、太陽に最も近い単独の恒星「バーナード星」を周回しており、昨年11月に発見されたばかり。質量は地球の3倍以上で、これまで見つかった系外惑星の中では2番目に地球に近い。

 惑星は「バーナードスターb」と名付けられた。恒星から受ける光は弱く、土星よりもやや寒冷な環境とみられる。表面は凍った砂漠のような状態で、液体としての水は存在しない。平均温度はマイナス170度前後だという。

 しかし米ビラノバ大学の天体物理学者、エドワード・ガイナン氏とスコット・エングル氏はバーナードスターbについて、凍った表面の下に高温で液体化した核を持つ可能性があると主張。鉄とニッケルでできた核のもたらす地熱が、原始的な生命の活動を助ける領域を氷の下に形成し得るとの見方を示した。南極で氷床の下に氷底湖ができるのと同様の原理だという。

 ガイナン氏はまた、将来望遠鏡による観測を通じ「惑星の大気の性質や表面の状態、居住可能性について明らかになるだろう」と予測した。バーナードスターbの軌道距離は太陽から水星までの距離とほぼ同じで、公転周期は233日。エングル氏によると恒星であるバーナード星は誕生から約90億年が経過しており、これは太陽のおよそ2倍の年齢に相当する...。

 どうやら、原始的な生命が存在するかどうかの論点の域を出ないようだ。こういう記事を見ると、いつになったら、もっと高度な知的生命体が存在することを議論することができるのだろうかと疑問に思う。

 例えば、UFOという未確認飛行物体が、確認飛行物体となるとき、おのずと宇宙人の存在が証明されることになる。そちらの方が生命の歴史を辿るよりも手っ取り早いし、重要な問題だと思う。なかなかそういう展開にならないことに煩わしく感じるのは、私一人だろうか?

 地球外の知的生命を探して

 一方で、地球外知的生命体による宇宙文明を発見するプロジェクトも存在する。SETI(セティ)と称される。

 現在世界では多くのSETIプロジェクトが進行している。 地球外の文明を地球上から探そうというプロジェクトであり、「SF」と「現実を対象にする自然科学」との接点でもある。

 SETIの中で現在最も大規模に行われている方法では、電波望遠鏡で受信した電波を解析し、地球外知的生命から発せられたものがないか探すというもので、この方式のプロジェクトの幾つかでは惑星協会やSETI協会が重要な役割を果たしている。

 1970年代からは電波のほかに、光学望遠鏡を使って地球の人類と同等以上のテクノロジーを持つ知的生命体ならば発する可能性のある大輝度レーザー光を検出する試み(OSETI、光学的地球外知的生命探査)もなされており、専用望遠鏡も存在する。

 この他にも、ダイソン球発見を目指し、光学的な観測結果と赤外線望遠鏡による観測結果の比較を行う分野、地球外文明が惑星系の中心星へ核廃棄物を投棄しているという仮定で、その証拠を分光学的に調査する観測、地球外知的生命が地球周囲に探査機を送り込んできていると仮定し、それらが配備されている可能性がある領域の撮影を行い捜索する分野などもある。

 ガンマ線バーストが地球外知的生命の恒星船の航行による痕跡であるという仮説を検証するため、宇宙探査機で得られたデータが調査されたこともある。

 こうして、全方位的にまるで砂粒の中に落ちたダイヤモンドを探すように、地球外生命体を探す試みも行われている。しかし、客観的に見てこれもUFOという未確認飛行物体が、確認飛行物体となれば、宇宙人の存在がおのずと証明され、手っ取り早く知的生命体に出会う方法につながると思う。なかなかそういう展開にならないことにもどかしさを感じるのは、私一人だろうか?

 日本のマスコミが勝手に決めた放送規定や、学会が勝手に決めた非科学という分野にUFOは排除されている状態が続いているが、これはおかしいと思う。未確認のものを確認するのが真の科学というものだ。

 高速電波バースト(FRB)とは何か?

 そんな中、宇宙から謎の信号が検出されたというニュースが舞い込んできた。反復する「高速電波バースト(FRB)」が、新たに建設された、電波望遠鏡で観測されたという。

 高速電波バースト(FRB)とは何だろう?

 これは、電波望遠鏡で夜空を観測していると、継続時間がわずかに数ミリ秒(1ミリ秒=1/1000秒)という極めて短い謎のフラッシュ現象が起きている。その頻度は、非常に多く全天で1日あたり数千回も起きていると言われている。

 これを「高速電波バースト(Fast Radio Burst=FRB)」という。その正体は全く不明で、その距離すら、地球大気で発生しているのか、宇宙論的な遠距離なのか、最近までわからない状況だった。

 最近になって、FRBの電波は、波長の長いものほど遅れてシグナルが到着することから、かなり遠方の深宇宙から発生していることが分かっている。

 FRBの具体的な原因はまだわかっていない。推測では、マグネターと呼ばれる、高速回転によって強烈な地場を持つに至った中性子星が発したのではないかとも考えられている。

 深宇宙から飛来する「反復する」電波、科学者らは当惑

 カナダの天文学者チームが、太陽系がある天の川銀河(銀河系、Milky Way)外部のはるか遠方から複数回にわたり連続的に放射された謎の電波を検出した。英科学誌ネイチャー(Nature)に1月9日、2件の研究論文が発表された。

 これらの強力な電波が宇宙のどのような領域に由来し、どのようにして生成されたかは、依然として不明だ。

 このいわゆる反復する「高速電波バースト(FRB)」は、新たに建設された、特定の目的を持つ電波望遠鏡を2018年夏に試運転した際に検知された。試運転では、望遠鏡が持つ本来の性能のほんの一部だけを稼働させたという。

 望遠鏡は「CHIME(カナダ水素密度マッピング実験)」として知られる世界で最も高性能の電波望遠鏡で、アンテナの面積はサッカー場ほどある。本格稼働に入った現在、さらに多くの「謎のパルス電波」を検出できる状態にある。

 今回の研究に参加した5か所の研究機関の科学者50人からなる研究チームの一員で、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)博士課程学生のデボラ・グッド(Deborah Good)氏は、「今年の終わりまでに1000個の電波バーストを発見できているかもしれない」と望遠鏡の成果に期待を寄せる。

 FRBのフラッシュはほんの一瞬の現象だが、太陽放射の1万年分に匹敵するエネルギーが放射されることも考えられるという。

 電磁スペクトルの長波長側の電磁波において、このような高エネルギーのうねりを引き起こしているものの正体をめぐっては、今なお激しい議論が続いている。

 FRBは2007年以降に60回以上記録されているが、2012年に米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)にあるアレシボ天文台(Arecibo Observatory)で観測された1例でのみ、複数回の再発が確認されていた。

 考えられる発生源には、星形成が行われる乱流ガス雲によって引き起こされる宇宙の激変現象や、超新星など星の爆発といったものがある。だが、連続して放射される電波バーストは特殊なケースだ。

 宇宙人の可能性は?

 今回の2件の論文の責任執筆者で、カナダ・マギル大学(McGill University)の天文学者シュリハーシュ・テンドルカール(Shriharsh Tendulkar)氏は、「バーストが繰り返されるという事実により激変現象モデルは排除される。激変現象では、バーストを放射する際に発生源が破壊されるからだ」と説明する。「中性子星同士の合体や、中性子星とブラックホールの合体などで放射されるFRBは反復できない」

 反復するバーストの発生源が、単発の電波パルスを生成する発生源と異なるかどうかについては、まだ明らかになっていない。そして重要なのは、2012年と今回発見された2018年の「反復FRB」は、その性質が非常によく似ていることだ。

 これらの謎の電波パルスは、宇宙のどこか別の場所に存在する知的生命体を示すものである可能性はないのだろうか。また瓶に入れられたメッセージということは考えられないのだろうか。

 これについてテンドルカール氏は、「その可能性は極めて低い」と指摘する。

 「科学者としては、その可能性を100%排除することはできないが、知的生命体がFRBの発生源だとは、天文学者は誰一人として考えていない」(AFPBB News)

 

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