なぜ、プラスチックゴミが問題なのか?

 プラスチックは軽くて丈夫で便利なものだが、環境に広がり問題になっている。しかし、プラゴミはちゃんと分別して捨てているし何が問題なのだろうか?

 日本はプラスチックの生産量で世界第3位。特に1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量については、世界第2位と、この問題に国際的な責任を持たなければならない立場にある。

 実際コンビニの普及もあり、国内で年間に流通するレジ袋の枚数は、推定400億枚で、一人当たり一日約一枚のペースで消費されている。また、ペットボトルの国内年間出荷は227億本に達する。

 日本では廃棄されるプラスチック(廃プラ)の有効利用率が84%と特に進んでいるとされているが、全体の57.5%は、燃焼の際にエネルギー回収をするものの燃やす「サーマルリサイクル」という処理方法に頼っている。

 重要な点は「リサイクル」という言葉の範囲だ。日本には「3R運動」という言葉があって、プラスチックそのものを減らす「Reduce」、使い捨てではなく再利用する「Reuse」、リサイクルする「Recycle」の3つをしましょう、と教育されている。

 最初の2つはわかりやすい。減らしましょう、何回も使いましょうという意味である。それでは、リサイクル、日本語訳では「再資源化」とは一体何なのか。そして日本のリサイクル率84%のリサイクルとは一体何のことなのか。

 リサイクルには3つの方法がある

 リサイクルの方法には、プラスチックをそのまま材料として再利用する「マテリアルリサイクル」、化学原料として利用する「ケミカルリサイクル」、燃やして火力発電やセメント製造の熱源として利用する「サーマルリサイクル」の3種類がある。

 現在の主流はサーマルリサイクルであり、これはつまり、化石燃料を燃やし、CO2排出しているということなので、今後ますます深刻化する地球温暖化への対策まで含めた視点で見たときに、とても資源が有効かつ持続可能な方法で利用されているとは言えない。

 だが、マテリアルリサイクルは、ペットボトルごみがペットボトルに生まれ変わるとか、廃プラが駅ホームのベンチやバケツに生まれ変わるなど、モノからモノへと生まれ変わるものだ。多分、人が想像する「リサイクル」のイメージに一番近い。但し、このリサイクル方法だと、リサイクルする度にプラスチック分子が劣化してしまい、どんどん品質が悪くなり、使えないものになってしまう。

 そこで新技術として期待されているのがケミカルリサイクルだ。 ケミカルリサイクルは廃プラをひとまず分子に分解してからプラスチック素材に変えるので、何度でも再生できる。理想的なリサイクルのように聞こえる。しかし残念ながらこの方法は、分子に分解する工程に大掛かりな工場がいるため、資金やエネルギーが結構かかる。

 リサイクルといっても、私たちがイメージするほどうまくいっていないのが実情なのだ。

 私たちができることは何か?

 だから、私たちがすぐにできることといえば、なるべくプラスチックを使わないことと、なるべく捨てないことがあたり前だが大切なことである。

 マイバッグを持参し、レジ袋はもらわない。マイボトルを持ち歩き、プラスチックのカップを減らす。マイ箸を持ち歩き、プラスチックのスプーンやフォークを減らす。プラスチック製のストローの使用を控える。

 スーパーなどで食品を小分けにするポリ袋の使用を減らす。詰め替え用ボトルなど繰り返し使えるものを選ぶ。食品の保存はふた付き容器を使い、ラップの使用を減らす。

 買い物のときには簡易包装を頼む 海・川・山のレジャーではごみを持ち帰る。屋外で出たごみは家に持ち帰って処分する。河川敷や海岸の清掃活動に参加する。ごみは所定の場所・時間に、分別して出す。ごみのポイ捨て、不法投棄はしない。

 こうした中で、日本国内でも、企業がプラスチックのストローをやめたり、プラスチックに替わるものを開発したり、行政やボランティア団体などが海岸の清掃活動やプラスチックごみ削減運動をしたり、それぞれの立場で様々な取組を始めている。環境省では、そうした様々な取組を応援し、さらに広げていくために、「Plastics Smart(プラスチック・スマート)」キャンペーンを実施している。

 プラスチックのマテリアルリサイクルに新技術

 リサイクルの方法には、プラスチックをそのまま材料として再利用する「マテリアルリサイクル」、化学原料として利用する「ケミカルリサイクル」、燃やして火力発電やセメント製造の熱源として利用する「サーマルリサイクル」の3種類がある。現在の主流はサーマルリサイクルだが、これは燃焼時にCO2が出るという問題がある。一方、プラスチックを加工して再利用するマテリアルリサイクルなら、CO2の発生はより少なくなる。

 廃プラスチックを8mm程度に粉砕したフレークは、再度ペットボトルとして活用されたり、食品用トレイやラベル、カード、文房具、衣類、その他ボトルや容器と幅広くリサイクルされてきた。しかし、これらの方法では再生利用するたびに劣化する問題がある。もっと有効なマテリアルリサイクルの方法はないだろうか。

 その一つとして最近、世界的に注目されているのが廃プラスチックを道路舗装材に活用するリサイクルがある。アスファルト舗装の路面は、正確にはアスファルトに骨材を混ぜた「アスファルト混合物」が敷かれている。骨材には砕いたアスファルト、砂利、砂、石灰が使われることが多いが、その代わりに細かく破砕した廃プラスチックを使うことも可能。世界のどこでも道路は基本的な公共インフラなので、売り先(市場)としては申し分のない規模を持っている。

 現在この分野で世界をリードするのはヨーロッパで、英国スコットランドのMacRebur社は廃プラスチックを破砕してアスファルトの「骨材」として利用する技術を開発した。同社によるとプラスチック混合アスファルトは従来のアスファルトより軽いが、耐久性が増して6倍長持ちするという。2016年から英国をはじめトルコ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどへ導入の動きがひろがっている。

 なお、オランダのVolker Wessels社は2015年、廃プラスチックを「レゴ」のような箱状のブロックに加工して道路に敷き詰める別の方法の「PlasticRoad」を発表した。これは従来のアスファルト舗装に比べて約3倍の耐久性があるという。ロッテルダム市が自転車専用道路で導入を計画している。

 インド、タイ、インドネシアでは国内企業が独自に技術開発を進めており、政府のバックアップを受けて実際に国内で施工している。インドはプラスチック混合アスファルトの道路延長がすでに10万キロを超え、南部カルナタカ州政府は、道路舗装でプラスチックをアスファルトと混ぜて使用するよう義務化した。ガーナ政府は同国のNELPLAST社が開発した廃プラスチックを砂と混ぜブロックに加工し道路に敷く方法を普及させて、リサイクル率70%達成を目指している。