太陽系の惑星、衛星の数は?

 月は地球の衛星だが、太陽系の他の惑星は衛星を何個持っているのだろうか?

 水星や金星は衛星を持っていないが、巨大惑星である木星や土星はたくさんの衛星を持っている。太陽系で一番衛星数が多い惑星は何だろう?

 正解は土星である。木星は土星の1.2倍の大きさがあり、衛星も多いように思うが、今回、土星に20個の新惑星が発見されたことで土星が最多「82個」となった。木星は現在のところ「79個」である。

 主な衛星の数をまとめておく。火星(2個)は、フォボス、ダイモス、木星(79個)は、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4大衛星や、アマルテア、ヒマリアなどがある。土星(82個)にはミマス、エンケラドス、テチス、ディオネ、レア、タイタン、ハイペリオン、イアペタスなど、天王星(27個)アリエル、ウンブリエル、タイタニア、オベロン、ミランダなど、海王星(14個)トリトン、ネレイド、ナイアド、タラッサ、デスピナなど、冥王星(5個)。(2019年10月現在)

 木星、土星、天王星、海王星の衛星数は遠い天体にもかかわらず多い。これは、アメリカの惑星探査機「ボイジャー1号、2号」が接近した際に多くの微小衛星を発見したり、「ハッブル宇宙望遠鏡」や「すばる望遠鏡」などの巨大望遠鏡が開発されたことによる。ボイジャーは2機合わせて、木星で2個、土星で3個、天王星で10個、海王星で6個の新衛星を発見した。現在でも地上の望遠鏡や直接惑星を訪れた探査機が次々と衛星を発見している。

 土星に20個の新衛星

 すばる望遠鏡の観測によって土星の衛星が新たに20個発見された。土星の衛星の総数は82個となり、木星の衛星数79個を上回った。

 発見したのは、米・カーネギー研究所のScott S. Sheppardさんたちの研究チーム。今月、2004年から2007年に行ったすばる望遠鏡の観測から土星の衛星を新たに20個発見したと発表した。衛星の直径はいずれも約5kmだという。この発見によって、これまでに見つかった土星の衛星の数は82個(この他に3個も過去に報告されている)となり、木星の衛星数79個を上回って太陽系最多になった。

 土星の外周部に存在する衛星は、軌道傾斜角(土星の赤道面に対する軌道の傾き)の違いによって3つの異なるグループに分類される。

 新たに発見された20個のうち3個は土星の自転と同じ向きに周回する順行衛星だ。そのうち2個は比較的土星に近いところを2年周期で回っており、約46度の軌道傾斜角を持つ「イヌイット群」に分類される。これらの衛星は、かつて遠い過去に存在したかもしれない1つの大きな母天体が破壊された破片である可能性がある。

 順行衛星のうち残りの1つである「S/2004 S24」は36度の軌道傾斜角など「ガリア群」と呼ばれるグループに似た特徴を持つものの、その軌道は他の順行衛星よりもはるかに土星から遠く、約3年周期で土星を回っている。このことから、この衛星は時間の経過とともに外側に引き寄せられたか、もともと「ガリア群」に属していない可能性も考えられる。

 公転周期3年以上の外周エリアには、土星の自転と逆向きに周回する逆行衛星が17個発見された。このうちの1つは、これまで発見された衛星では土星から最も遠いところを周回する。これらの衛星は、既知の逆行衛星に近い軌道傾斜角を持つ「北欧群」に属し、かつて存在したかもしれない母天体が破壊された破片である可能性があるという。

 「これらの衛星の軌道を調べると、衛星の起源や、土星形成時の状況を明らかにすることができます。若かりしころの太陽系では、太陽はガスと塵でできた円盤に囲まれており、形成中の土星も似たような円盤に取り囲まれていたと考えられます。今回見つかった衛星が、母天体がバラバラになった後でも土星の周りを回っていられたという事実から、惑星形成過程がほぼ完了し、円盤が重要な役割を果たさなくなった後に天体の衝突活動が生じたことを示します」(Sheppardさん)。(2019年10月15日 カーネギー研究所/すばる望遠鏡)

 太陽系の惑星と衛星

 水星は衛星を持っておらず、少なくとも1.6 km以上の大きさを持つ衛星は存在していないが、1974年に水星の衛星の存在が疑われた時期があった。

 金星にも衛星は現時点で、確認されていない。しかし、17世紀から度々、金星の衛星を発見したという報告がなされている。

 地球には月がある。さらに、地球はクルースン、YORP、2002 AA29などの準衛星を持つ。

 火星にはフォボスとダイモス(それぞれ、「恐れ」と「恐怖」という意味を持つ)という2つの小さな衛星が確認されている。しかし、それ以外の衛星の発見には成功していない。

 木星には現在、79個もの衛星が確認されている。そのうち木星に近い8個の規則衛星は大きさが3,000 km以上あるガリレオ衛星と木星の環を構成するアマルテア群の2つに分類される。それらにはゼウスの愛好者の名前が付けられている。その他の71個の不規則衛星も、木星の自転と順行公転する衛星と、木星の自転と逆行公転する衛星の2つに分類される。順行する不規則衛星にはヒマリア群に属する衛星とヒマリア群に属さないテミストとカルポ、S/2016 J 2があり、逆行する不規則衛星にはアナンケ群、カルメ群、パシファエ群に属する衛星とS/2003 J 12、S/2003 J 2などが当てはまる。

 土星には存在が同一、あるいは疑問視されている3つの衛星を除けば、82個の衛星が存在しており、そのうち53個の衛星には固有名が命名されている。そのほとんどは小さな不規則衛星であるが、タイタンを含む7つの衛星は静水圧平衡を満たすのに十分な大きさを持つ。24個の規則衛星には伝統的に、神話のサートゥルヌスに 関連する巨人の名前から命名されている。土星の環は数十cmから数mほどの大きさの氷の小天体から形成されている。それらは基本、衛星とはみなされない。環の中、あるいはそのすぐ外を公転している小さな衛星は環の小天体が集まって形成された可能性がある。

 天王星には現在、27個の衛星が確認されており、そのうちの静水圧平衡を満たすほどの大きさを持つ5つの衛星は「五大衛星」と呼ばれている。五大衛星の内側には9個の不規則衛星、外側には13個の不規則衛星がある。天王星の衛星は天王星の自転軸と同じ方向に公転面を持った軌道を描いている。天王星の衛星は他の惑星の衛星とは異なり、神話ではなく、ウィリアム・シェイクスピアとアレキサンダー・ポープの作品、髪盗人の登場人物から名づけられている。天王星の衛星には全てに固有名がついている。

 海王星には14個の衛星が確認されている。最も大きいトリトンは海王星の全ての衛星の質量のうち、99.5パーセントを占めている。トリトンは太陽系では最大の(海王星の自転方向に対する)逆行衛星であり、さらに潮汐力によって海王星に接近している事から、トリトンはかつて海王星に捕獲された天体である可能性が示されている。トリトン以外に7個の規則衛星と6個の不規則衛星が公転している。

 準惑星の冥王星には5つの衛星が確認されており、その中で最大のカロンは冥王星の半分以上の大きさがある。その為、冥王星とカロンはしばしば二重惑星として扱われる。その他の4つの衛星、ニクス、ヒドラ、ステュクス、ケルベロスは不規則衛星である。

 準惑星ケレスには衛星はなく、90パーセントの確率で直径1 kmを越す大きさの衛星は存在していないとされている。ハウメアにはヒイアカとナマカという衛星を持つ。それぞれ85 kmと155 kmの大きさを持つとされている(アルベドがハウメアと同じだと仮定した場合)。マケマケには衛星は長らく確認されていなかったが、マケマケから0.4秒 (0.001°) 離れた位置に衛星がある場合、約1%の確率で発見されるだろうとされていた。そして2016年に「MK2」という愛称で呼ばれている衛星S/2015 (136472) 1が発見された。エリスにはディスノミアという1つの衛星が確認されており、半径は257 ± 110 kmとされているが、最大で342 ± 25 kmに及ぶ可能性もある。

 2018年9月1日現在、合計で334個の小惑星、あるいは太陽系外縁天体には衛星が確認されている。 (Wikipediaより)

参考 アストロアーツ: http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10886_saturn

  

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