ヒダサンショウウオ 
 
 ヒダサンショウウオというとおり、岐阜県、飛騨に棲む両生類で環境省レッドリストでは、準絶滅危惧(NT)に指定されている。実際は和歌山県を除く関東地方以西の本州に棲んでいる。

 形態全長8-18cm。胴体の左右側面にそれぞれ入る皺(肋条)は13本。四肢は短く体形はがっしりしていて尾は丸い。体色は紫がかった暗色で背面に黄色い斑点が入ることもある。地域により体形や体色に変異がある。

 卵嚢(らんのう)はバナナ状で、先端は柄のようになりこの部分を平たい石等に付着させる。卵のうは水中では青味がかった虹色に見える。孵化直後の幼生の外鰓は大型だが、成長に伴い小型になる。幼生の四肢には黒い爪状の角質がある個体もいる。

 山地にある森林(主にブナ帯)に生息する。夜行性で、昼間は石や落ち葉の下などに隠れて休む。 食性は動物食で、昆虫類や節足動物、ミミズなどを食べる。幼生は小型の水生昆虫や甲殻類、ミミズなどを食べる。

 繁殖形態は卵生で、2-5月に渓流に卵嚢に包まれた5-20個の卵を産む。卵は8週間で孵化し、幼生になる。幼生はその年の秋季か、幼生のまま越冬し翌年の夏季に変態し幼体になる。開発による生息地の破壊などにより生息数は減少している。

 希少なサンショウウオ繁殖 小3が100均グッズで成功

 今回、岐阜県山県市立富岡小学校3年の尾関将成さん(9)が、絶滅が心配されるヒダサンショウウオの繁殖に取り組み、100円ショップで買った材料を使って独自の産卵ケースを作った。このケースで飼育したところ、受精率は98.6%になった。

 ヒダサンショウウオは、関東から中国地方の山の渓流に住む。一部の地域ではかつて食用にされた。最近は環境悪化に加えて砂防ダムや林道の建設、マニアによる乱獲などが影響し、環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧に指定されている。

 尾関さんが住む山県市高富地区には生息地が1カ所あるが、幼生が減少していて、保護が必要な状態になっていた。小さいころから生き物が好きだった尾関さんは、小学校入学後に日本爬虫両棲類学会員でもある福田英治教諭(62)に出会った。この出会いがきっかけとなり、ヒダサンショウウオに魅せられた。

「真っ正面から見ると、顔がかわいいし、動きもかわいい。模様も迷彩でかっこいい」保護者に同伴してもらい、福田さんと険しい山道を登り、秘密の生息地で幼生を捕獲。学校の水槽で育て始めた。

 福田さんによると、野外には天敵のサワガニがいたり、土砂崩れで死んだりすることもあるため、水槽で飼育、産卵して放流することが保護につながるという。

 今回は、一つの水槽で多くのメスとオスが産卵行動ができるよう、水槽内に複数の産卵ケースを入れる方式を考えた。ヒダサンショウウオは渓流に住み、石の裏側に卵のうを接着して流されないように産卵する。

 産卵ケースでは、この環境を再現。100円ショップで買ったプラスチックのかごに素焼きの砂利を敷き詰め、れんがを斜めに入れた。

 飼育下の産卵自体が珍しいが、一つのケースにメス1匹とオス2匹を住まわせたところ、卵72個のうち71個が受精卵で、受精率は98.6%になった。

 同じ生息地の野外調査では受精率は78.6%。尾関さんは「水槽飼育の有効性が証明されたと思います」と話す。卵から育てた幼生は川にかえした。

 この研究を9月にあった日本動物学会の小中高生部門で発表したところ、発表者のほとんどが高校生の中、優秀賞を受賞した。

参考 朝日新聞:https://www.asahi.com/articles/ASMBP4VHDMBPOHGB005.html

  

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please