火星が準大接近
9月22日は秋分の日。心配された台風12号も本州から東側にそれ、関東地方は直撃を免れた。ここ湘南地方の風は北風に変わり、一気に秋の空気が日本列島に流れ込んだ。いよいよ季節は夏から秋へとはっきりと変わった。
まだ、コロナ対策のマスクで息苦しさもあるが、ようやく過ごしやすくなった。暑い時期は夜空を見上げる気にならなかったが、最近は涼みながら星を見上げるのによい季節になった。そして、9月~10月にかけては天体観測には絶好のイベントも控えている。
夜、8時をすぎて、東の空をみると、明るいオレンジの天体が昇っているのが分かる。ちょっと他の星とは違ってオレンジ色に大きく見えるのでびっくりする。あれは火星である。
さて、この火星、いつもこんなに明るいわけではない。火星が見やすくなるのは、地球からみて、太陽の反対にくる時で、これは2年2か月に1度です。これを火星の接近という。
前回2年前の接近は大接近。今回の接近も前回ほどではないが、約6210万kmまで近づく“準”大接近。そして、今回は大きさはトップじゃないけれど、高く見え、明るくなる観測しやすい接近になる。ここまで明るく見えるのは13〜15年ごとに1、2度のことだそうだ。
ひときわ目をひく赤い星
火星は地球との位置関係(距離)によって明るさが大きく変わる惑星。今シーズンの火星は2020年6月上旬から2021年1月上旬までの約半年間、マイナス等級で(いわゆる1等星よりも明るく)輝く。10月6日の地球最接近の前後には木星よりも明るくなり、宵空に見える天体としては(月を除いて)最も明るくなる。
また、今シーズンの火星は「みずがめ座」から「うお座」のあたりに位置しているが、このあたりの領域は明るい星が少ないため、火星の存在感が際立つ。特徴的な赤い色も目印となるので、街中でも簡単に見つけられる。
地球から見ると、火星は背景の星々の間を動いていくように見える。火星は6月下旬に「みずがめ座」から「うお座」の領域へと移り、夏の間は天球上を西から東へと「順行(じゅんこう)」している。一時的に「くじら座」の領域も通りながら、火星は9月10日の「留(りゅう)」まで順行を続ける。その後は天球上を東から西へと「逆行(ぎゃっこう)」し、逆行期間中の10月6日に地球最接近、15日に「衝(しょう)」となる。
その後、11月16日に再び「留」を迎えると、火星の動きは逆行から順行へと変わります、そして2021年1月上旬ごろに「おひつじ座」、2月下旬に「おうし座」の領域へと移っていく。
2020年の夏から秋は、火星よりも早い時間帯に木星と土星がよく見える。火星だけでなく木星の縞模様やガリレオ衛星、土星の環も観察して楽しもう。
中秋の名月も秋の楽しみ
2020年の中秋の名月は、10月1日です。 「中秋の名月」とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指す。
中秋の名月は農業の行事と結びつき、「芋名月」と呼ばれることもある。中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われている。
今年は10月1日が中秋の名月、翌2日が満月と、中秋の名月と満月の日付が1日ずれている。太陰太陽暦では、新月(朔)の瞬間を含む日が、その月の朔日(ついたち)になる。
今年は9月17日(新月の瞬間は20時00分)が太陰太陽暦の8月1日、10月1日が太陰太陽暦での8月15日となる。
一方、天文学的な意味での満月(望)は、地球から見て太陽と反対方向になった瞬間の月のことを指す。満月の時刻は、10月2日6時05分です。 今年のように、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こる。
また、今年は10月に満月が2回あります。2回目の満月は31日で、2020年で地球から最も遠い満月です。反対に、2020年で地球に最も近い満月になったのは4月8日でした。
地心距離から計算すると、10月31日の満月は4月8日の満月より、視直径は約14パーセント小さく、明るさは約30パーセント暗くなります。もし地球に最も近い満月と最も遠い満月を並べて比較することができれば、大きさの違いがよく分かるはずですが、実際にはできません。
比較対象なしに、月を眺めるだけで大きさの変化に気づくのは、たいへん難しいでしょう。
��潟�<�潟��