新型コロナウイルスはペット動物に感染する

 新型コロナウイルスは動物に感染するのだろうか?

 犬や猫などのペットを飼っている人は気になるのではないだろうか?現時点での動物における新型コロナ感染事例を整理してみたいと思う。

 もともとコロナウイルスは様々な動物に感染することが知られており、イヌやネコ、ブタ、ラクダ、コウモリ、スズメなど動物に感染する固有の動物コロナウイルスも存在する。

 これらの動物固有のコロナウイルスはそれぞれ種特異性が高いため、種の壁を越えて他の動物に感染することは殆どないと考えられていた。

 しかし、新型コロナウイルスは種の壁を越えてイヌ、ネコ、トラ、シカ、ミンク、ゴリラ...様々な動物に感染することが分かってきた。

 コロナウイルスの遺伝子由来

 SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルスはいずれもコウモリが自然宿主と考えられている。

 新型コロナウイルスも、遺伝子配列がコウモリの持つコロナウイルスに近いことから、もとの自然宿主はコウモリではないかと推測されている。

 SARSコロナウイルスはハクビシン、MERSコロナウイルスはヒトコブラクダが中間宿主と考えられているが、新型コロナウイルスについては中間宿主が何なのか、あるいは存在するのかはまだ分かっていない。

 コウモリ由来のコロナウイルスが突然変異して新型コロナになったというのが通説であるが、真相はコウモリ由来のコロナウイルスを、ゲノム編集により生物兵器に変えられたものと私は考えている。その場所が、武漢にある生物研究所である。

 新型コロナウイルスと動物感染

 新型コロナウイルスの動物への感染は自然環境、実験環境のそれぞれで確認されている。

 イヌについては、自然環境での感染例の報告は、2020年2月、香港に住む新型コロナ患者が飼っていたイヌからSARS-CoV-2 PCRの陽性反応が出たという報告が最初。おそらく飼い主からイヌにうつったと考えられる。

 ネコの感染事例は3月にベルギーから報告された。これまたヒトの新型コロナ患者の飼い猫だったとのこと。ネコにおいては、ネコ同士で感染することも東京大学医科学研究所の河岡先生らの研究で確かめられている。

 さらには米国農務省(USDA)が4月にニューヨークの動物園で飼育されていたトラ1頭が感染したことを発表している。このトラは新型コロナに感染していた動物園職員から感染したものと考えられる。

 自然環境ではないが、イヌ、ネコ、フェレット、ブタ、ニワトリ、アヒルの鼻腔に新型コロナウイルスを接種して感染が成立するかどうかを見た実験では、ネコとフェレットで感染が成立した。

 この実験ではイヌにおけるウイルス増殖は不十分であり、イヌはネコよりも感受性が低い可能性が示唆された。また別の研究ではゴールデンハムスターも新型コロナウイルスに感染し、ゴールデンハムスター間でも感染が成立したと報告されている。

 動物からヒトに感染した可能性のある事例も

 さらに、動物からヒトに感染した可能性のある事例も報告されている。オランダ政府は、国内の農場で飼われているミンクからヒトに感染したと考えられる事例について発表した。

 オランダ国内の155のミンクを飼育している農場でのうち、4つで新型コロナウイルスに感染したミンクが見つかり、このうち3つの農場では新型コロナに感染したヒトからミンクに感染したものと推測される。そしてミンクから2人のヒトへ感染したと考えられる事例も報告されている。

 2020年11月、デンマークでは人への感染を防ぐ措置として、およそ1200カ所の毛皮農場で飼育されている1500万匹のミンクをすべて殺処分した。

 現時点で分かっていること、注意すべきこと

 ミンクからヒトに感染した事例が報告されているが、ペットや家畜からヒトへの感染は極めて稀であり、ヒトでの感染例のほとんどはヒトからヒトへの感染によって起こっている。

 稀にヒトからペット(イヌ、ネコ)に感染が起こり得る。イヌやネコに感染した場合、無症状か軽症のことが多いようである。

 ネコやフェレットなど同種間で感染が成立する動物もいるようである。ネコやイヌからヒトに感染するかどうかは不明である。


参考 Yahoo!news ペットなどの動物と新型コロナウイルス(忽那賢志)
National Geographic news ゴリラが新型コロナに感染、人間以外の動物で7番目 ミンク1500万匹を殺処分へ、変異コロナ発見で、デンマーク 野生のシカの4割に新型コロナの抗体、米国