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再生医療 親知らずから肝臓や神経に 産技総研など成功

抜歯したヒトの親知らずから採取した細胞を培養し、骨、肝臓、神経に分化させることに産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と大阪大が成功した。ラットの実験では体内で骨や肝臓を再生できることも確かめ、再生医療の材料として数年後には実用化したいとしている。岡山市で開かれる第5回再生医療学会で8日発表する。

同研究所組織・再生工学研究グループの池田悦子研究員らは、10〜16歳の数人から歯の矯正のため、生える前に抜き取られた親知らず(歯胚(しはい))の提供を受けた。研究グループは通常捨てられている歯胚を特殊な酵素で処理し、いろいろな細胞に分化できる幹細胞を取り出すことに成功。これを培養して、試験管内で骨細胞、肝細胞、神経細胞に成長させた。

さらに、この幹細胞を穴のたくさん開いたセラミック製の人工骨に注入し、ラットに移植すると新しい骨ができた。また、肝障害を起こしたラットの肝臓に通じる血管に注入したところ、幹細胞が肝臓に生着して肝細胞に分化。3週間で肝障害が治った。注入した幹細胞数は1回当たり50万〜5000万個だったという。

同研究グループの大串始(おおぐしはじめ)グループ長は「受精卵を壊してしまう胚性幹細胞(ES細胞)などに比べ、簡単に採取できる。廃棄されてしまう親知らずを凍結保存しておき、病気になったときに培養して移植すれば拒絶反応がない。これまでの移植医療の課題が解決でき、広範な再生医療に利用できる」と話している。【和泉清充】(毎日新聞 2006年3月7日)

 

また1つ新しい発見が...科学ってすばらしいですね!ソウル大学の黄教授のねつ造問題に比べれば、これこそ「ノーベル賞候補」じゃないのかなあ?

今日は再生医療、幹細胞について学びました。 

 

再生医療とは何だろう?

再生医療とは患者自身の細胞を用いて、生体のもつ再生能力を積極的に利用し、機能障害・機能欠損に陥った組織、臓器の再生を図るものです

具体的には患者自身の組織幹細胞を少量採取し、それを特殊な細胞培養皿で培養し組織を作り、患者さんに再度移植するというものです。

自分の細胞を用いる為に、移植後の拒絶反応が全くないというメリットがあります。

 

幹細胞とは何だろう?

植物の1本の幹からはたくさんの枝や葉が茂る。そういうイメージの細胞です。いろいろな別の細胞に変化できる細胞です

幹細胞は、ある細胞に変化するようにという指示を受けると特定の細胞に変身する能力を持っています。また、変化を遂げる前の未分化の細胞の状態で長期間にわたって自らを複製、再生する能力も備えています(下図)。

幹細胞のしくみ 

 

幹細胞に種類はあるの?

3種類あります。胚からは胚性幹細胞(ES細胞)、成人からは成体幹細胞、胎児からは胚生殖細胞を採り出すことができます。

胚性幹細胞(ES細胞)は、受精卵が分化して胎児に発展するまでの状態である胚の初期段階から採り出されるもので、身体のどのような細胞にも成長できる性質を持っているため多能性幹細胞とも呼ばれています。

成体幹細胞は体の中にすでにかたちづくられた組織の中から採り出される分化する前の状態の細胞をいいます。組織内には、その組織における特定の働きを担う、すでに分化を終えた細胞が多数存在しているのですが、中にはそうした特定の働きを持つ細胞へと分化する前の未分化細胞、すなわち幹細胞が混じって存在しています。

胚生殖細胞は胎児組織、特に受胎後5〜10週間の胎児の生殖突起(生殖器になる部分)中に存在する原始生殖細胞から分離されます。生殖突起は成長して睾丸または卵巣に変化し、原始生殖細胞は卵子または精子を作ります。胚性幹細胞と胚生殖細胞はともに多能性であるが、その特質や性質は同じではありません。  

 

親知らずから取れる幹細胞の何がすごいの?

今まで幹細胞(成体幹細胞)というと骨髄からとっていました。骨髄から取るのでかなり苦痛を伴いました。それが普通、抜いて捨てる歯、親知らずの歯髄から取れるので患者の負担が減ります。非常に楽になりました。

 

最近の幹細胞の話題

ソウル大学の黄教授の研究(ES細胞を皮膚細胞から作る技術)がねつ造だったという問題がありました。

 

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