
現在の根幹光ネットワークでは、1Tbps(テラビット)の速度で実用化されている。しかし、通信量は毎年2倍のペースで増大しており、さらなる大容量化が求められている。
そんな中、NTTが14Tbps(テラビット)の世界記録を達成した。すばらしいことだと思う。しかし、テラビットといってもどんなにすごいのかピンと来ない。
光技術の最先端ではいったいどんな研究がなされているのだろう?
今日は光ファイバー通信(FTTH)の基本的なしくみと、その速度について学ぶ。
光通信:世界最速の伝送に成功 NTT
NTTは29日、1本の光ファイバーで毎秒14テラビット(テラは1兆)のデータを160キロの長距離伝送する実験に成功したと発表した。2時間のハイビジョン映像140本分のデータを1秒間で伝送できる性能で、これまでの世界記録を40%上回った。フランスで開催中のヨーロッパ光通信国際会議で報告した。
現在の基幹光ネットワークでは、毎秒約1テラビットの容量が実用化されているが、ブロードバンド通信の普及などによって通信量は毎年2倍のペースで増大しており、さらなる大容量化が求められている。
同社未来ねっと研究所の宮本裕・主幹研究員らは、伝送データを増幅する新型の中継器を開発。1本の光ファイバーで、140チャンネルの信号を同時に送ることに成功した。宮本研究員は「7、8年後には毎秒10テラビットの超大容量光ネットワークが実用化できるだろう」と話した。(毎日新聞 2006年9月29日)
覚えておきたい基本事項光ファイバーの原理とは?
全反射:光が水やガラスなどの中を通って空気中に向かって進むとき、入射光が境界面を通過せず、すべて反射する事がある。これを全反射という。

光ファイバー通信(FTTH)とは?
光ファイバーによる通信では、まず映像や音声などの情報が電気信号でとらえられデジタル化される。次にデジタル信号を光に変える。その光は普通の光が使われるのではなく波長の整った増幅された光である、レーザーが使われている。
その光は光ファイバーの中を通っていくが、距離が長ければ弱くなるので途中で光増幅器によって光をそのまま強くする。
そして目的地に到着した光はフォトダイオードで電気信号に変えられ、映像や音声にもどる。
光ファイバー通信の原理
通信速度をあらわす単位は?
ビット(bit)
ビット(bit)は、ほとんどのデジタルコンピュータが扱うデータの最小単位。英語の binary digit (2進数字)の略であり、2進数の1けたのこと。
1ビットを用いて2通りの状態を表現できる(二元符号)。これらの2状態は一般に“0”,“1”と表記される。
bps
ビット毎秒(ビットまいびょう、英:bit per second、bps)は、データ転送効率の単位である。1秒間にデータ転送路上の仮想のまたは物理的な地点を通過した(すなわち転送された)ビットの個数と定義される。光ファイバー通信は現在約1Tbps(テラビット)の容量が実用化されているが、「T」などの接頭辞をつけて通信速度をあらわす。
1015 ペタ(peta) P 千兆 1 000 000 000 000 000
1012 テラ(tera) T 一兆 1 000 000 000 000
109 ギガ(giga) G 十億 1 000 000 000
106 メガ(mega) M 百万 1 000 000
103 キロ(kilo) k 千 1 000
通信速度の比較(→CD1枚分の伝送時間)
アナログ(通常電話回線) 56Kbps→約28時間
ISDN 64Kbps→約24時間
ADSL 1.5M(1500K)bps→約1時間
ADSL 8M(8000K)bps→約11分
ADSL 12M(12000K)bps→約7分
FTTH 100M(100000K)bps→約1分
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