科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。


太陽のエネルギー反応「核融合」。あの無限に近いエネルギーを地球上で取り出せたら...。

人類は核融合の夢を追い続けている。しかし問題が山積みだ。大きな問題は2つ。

1つは、あの熱い太陽を入れる「容器」がない。もう1つは核融合の際出てくる危険な放射線「中性子」をどうするかである。

ところが今回、中国の核融合実験炉EASTが「容器」の実験に成功した。太陽をつかまえた時間はわずか3秒、しかしこの3秒は無限の可能性を秘めている。

今回はそんな核融合とは何か?どうやって太陽をつかまえたか?について学ぶ。

 

中国が核融合放電に成功 超伝導では世界初


中国科学院プラズマ物理研究所は、核融合実験装置EASTが、超伝導コイルを使った放電実験に成功したと28日に発表した。新しいエネルギー源の開発を目指し、日米欧中などが協力する「国際熱核融合実験炉ITER」と同じ方式の炉で、超伝導コイルでの実験成功は世界初。ITER実現に向けて貴重な研究成果を提供しそうだ。国際原子力機関が10月に中国・成都で開く、「IAEA核融合エネルギー会議」で発表する。

同研究所のホームページなどによると、実験では重水素と三重水素を核融合させ、約1億度の高温プラズマを約3秒保つことができた。炉はトカマク型と呼ばれ、世界の核融合研究の主流。トカマク炉で一部に超伝導コイルを使った実験はあるが、全体に採用したのは今回が初めて。

コイルは、高温のプラズマを閉じこめる磁場をつくったり、プラズマに大電流を流したりするのに使う。核融合を実用化するには長時間連続して大電流を流す必要があるが、コイルの線材に通常の銅などを使うと焼き切れる危険があり、超伝導技術は欠かせない。韓国が超伝導炉を建設中のほか、日本原子力研究開発機構の核融合臨界プラズマ試験装置JT60でも、銅から超伝導材に改造する計画がある。

8月にEASTを見学した原子力機構の牛草健吉グループリーダーは「昨年末から実験準備を進めてきたが、これほどの成果は驚きだ。中国の意気込みの高さを示している。総延長10キロ以上ある配管を一つひとつチェックして実験に臨んだと聞いており、進め方もきちんとしている」と話す。(asahi.com 2006年09月30日)
 

知っておきたい基本事項



核融合とは?

軽い原子核同士が合体する反応を核融合という。

地上で最も核融合反応を起こしやすいのは、水素の一種である重水素と三重水素(トリチウム)の反応である(図1(A))。これらが核融合反応を起こすと、反応後の質量は反応前よりもわずかに軽くなる(図1(B))。




このとき、軽くなった分の質量は、アインシュタインの相対性理論”質量とエネルギーの等価性”によってエネルギーに変化する。重水素と三重水素の混合燃料1gを核融合反応させると、石油8トン分に相当する莫大なエネルギーが発生する。


超電導とは?

超伝導 (ちょうでんどう、 Superconductivity) は、超低温環境下で金属に生じる現象で、電気抵抗がゼロになることからこのように呼ばれる。

超伝導現象が生じる物質のことを超伝導体 (Superconductor) といい、超伝導状態で流れる電流のことを超伝導電流という。 超伝導状態では、ゼロ抵抗以外にも超伝導体内部から磁場が排除される


プラズマとは?

プラズマ(plasma)は電離した「気体」である。 

つまり、通常の気体を構成する中性分子が電離し、正の電荷をもつイオンと負の電荷をもつ電子とに別れて自由に飛び回っている、電気的にほぼ中性な物質である。 

 

ちょっと難しい発展事項



太陽を入れる容器とは何か?

磁気閉じこめ方式(トカマク型)

核融合の技術的困難は、1億度程度の高温でなければ十分な反応が起こらず、そのような高温状態では物質はプラズマ状態となる点にある。

1億度のプラズマを通常の容器に安定して収納することができない。そもそもそんな高温に耐えられる融合炉の材料が無い点等にある。

そのため磁力線を利用してプラズマを保持する磁気閉じ込め方式などが開発された。

現在最も研究が進んでいるのは、磁気閉じ込め方式の一種であるトカマク型であり、現在計画中のITER(国際熱核融合実験炉)もこの方式を用いている。

しかし、このトカマク型にも弱点がある。核融合のさい電気的に中性の性質を持つ中性子が飛散し、炉を傷つけるために、炉の耐久力が問題となる。


核融合放電とは何か?

核融合反応をするために物質を高温状態のプラズマにして、これを磁気の力で保持すること。


核融合実験装置EASTとは?

中国は1994年に最初の超電導トカマク実験装置「HT7」を完成、ロシア、フランス、日本に続く世界4番目の同実験装置保有国となった。その後、1億5600万元(約21億1700万円)の予算をつけて、2003年からトカマク型実験装置「EAST」の建設を始めていた。この実験装置は今年2月までに完成。その後は、超電導状態を作り出す温度低下実験や通電実験を繰り返してきた。


国際熱核融合炉ITERとは?

ITER(イーター)とは国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor=ITER)の略であり,核融合エネルギーの実用化を目指して,国際協力(日本,EU,ロシアの3極)により,人材と資金を出し合って共同計画が進められている核融合の実験炉のことをいいます。

核融合の実験は,将来の発電の実用化を目標としており,実際の発電は今世紀中頃を目標にしています。


 

新・核融合への挑戦―いよいよ核融合実験炉へ

講談社

このアイテムの詳細を見る
常温核融合―研究者たちの苦闘と成果

工学社

このアイテムの詳細を見る
水素プラズマ エネルギー革命

工学社

このアイテムの詳細を見る

ブログ検索 ブログランキングへ にほんブログ村 科学ブログへ ←クリックお願いします