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2006年ノーベル化学賞の受賞者が決まった。

米スタンフォード大のロジャー・コーンバーグ教授(59)である。

受賞の研究は「真核生物の転写の分子的基礎に関する研究」である。いったいなんのことだろう?

「DNA」や「RNA」というのは、かなり一般化してきたと思う。ライフサイエンスを学んだ者として、とてもうれしく思う。

「ナノテクノロジー」というのもかなり聞き慣れてきた。とても小さい世界がわかってきた。現在DNAやRNAの塩基配列までわかってきて、さらに盛んに研究されているのは、タンパク質の立体構造である。

酵素タンパク質の立体構造がどのように他の物質に働きかけ、分解していくか。ナノの世界を解き明かそうとしている。(参考HP Wikipedia・理化学研究所)


スウェーデン王立科学アカデミーは4日、2006年のノーベル化学賞を、ロジャー・コーンバーグ・米スタンフォード大医学部教授(59)に授与すると発表した。受賞理由は「真核生物の転写の分子的基礎に関する研究」。遺伝情報をどのように写し取り、たんぱく質が合成されるかという過程を分子レベルで解明、さまざまな生物に共通する生命現象の本質を明らかにした功績が評価された。

授賞式は12月10日、ストックホルムで行われ、賞金1000万クローナ(約1億6000万円)が贈られる。

細胞核内のDNA(デオキシリボ核酸)に刻み込まれている遺伝情報は、メッセンジャーRNA(リボ核酸)が写し取って、生存に必要なたんぱく質を作るため核外に運び出す

コーンバーグ教授はこの遺伝情報の転写をつかさどる酵素「RNAポリメラーゼ」の結晶を酵母を使って作り、2001年、エックス線回析による実験で詳細な三次元構造を明らかにした。

この構造は人も同じで、がんや心臓病など多くの病気が転写ミスで起こるとされており、新薬開発などへの応用が期待される。

◇7組目の親子受賞

コーンバーグ教授は、1959年にRNAとDNAの合成に関する研究でノーベル医学生理学賞を受賞したアーサー・コーンバーグ博士(88)の長男。ノーベル財団によると、親子受賞は過去に6組あり、今回が7組目という。他に1903年に物理学賞を受賞したキュリー夫妻と、35年に夫と共同で化学賞を受賞した娘のイレーヌ・キュリーらがいる。

◇「生命」解明に貢献

▽新井賢一・東京大名誉教授(生化学)の話 彼は8歳で好きな場所は実験室というくらい、ノーベル賞学者の父親の影響を受けた。RNAポリメラーゼを結晶化し、初めて目に見える形にした。この構造は多くの生物に共通し、DNAからたんぱく質合成までの生命の営みを解明することに大きく貢献した。(毎日新聞 2006年10月4日)



RNAポリメラーゼ X線解析によってここまで明らかに!


覚えておきたい基本事項
生物の核の中には染色体があります。染色体には遺伝子があり、遺伝子の本体がDNAです。

その生物の遺伝情報のすべてがこのDNAにおさめられており、生物をつくる設計図の役割をします。

RNA
DNAの設計図は核の外には出ません。核の外に出るのはRNAという物質で、RNAはDNAから写し取られたコピーです。

このRNAのコピー情報をもとにして、細胞内でタンパク質がつくられます。タンパク質はやがて、他の細胞をつくるのに使われ、その細胞は筋肉や骨になったり、内臓、皮膚になったりします。

mRNA
mRNAというのは、メッセンジャーRNAと読みます。これはDNAからコピーされたRNAのことをいいます。

実はRNAにはいくつか種類があり他に tRNA rRNAなどがあります。

転写
DNAからRNAが写し取られる(コピー)されることを転写といいます。


ちょっと難しい発展事項 DNA

遺伝子の本体。デオキシリボースを含む核酸。ウイルスの一部およびすべての生体細胞中に存在し、真核生物では主に核中にある。アデニン・グアニン・シトシン・チミンの四種の塩基を含み、その配列順序に遺伝情報が含まれる。

1953年ワトソンとクリックとが、デオキシリボ核酸の分子モデルとして二重螺旋構造を提案し、分子生物学を大きく発展させた。

RNA
リボースを含む核酸。塩基成分は主にアデニン・グアニン・シトシン・ウラシルの四種。植物ウイルス、一部の動物ウイルスおよび動植物細胞の核と細胞質に存在する。

rRNA(リボソーム RNA) ・mRNA(伝令 RNA) ・tRNA(転移 RNA) などがあり、一般に DNA を鋳型として合成され、タンパク質合成に関与する。ウイルスの中には、RNA を遺伝子としてもつものも多い。

DNAポリメラーゼ
DNA ポリメラーゼ は1本鎖の核酸を鋳型として、それに相補的な塩基配列を持つ DNA 鎖を合成する酵素の総称。

これらの酵素は、一部のウイルスを除くすべての生物に幅広く存在する。大きく2つのタイプに分けられる。

DNA を鋳型として、DNAを複製する DNA依存性 DNAポリメラーゼと、RNA を鋳型として DNA を複製する RNA依存性 DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)がある。

RNAポリメラーゼ
RNAポリメラーゼ (RNA polymerase) とは、ヌクレオシドを重合させ、RNAを合成する酵素のこと。「ポリメラーゼ」は、より英語発音に近い「ポリメレース」と呼ばれることも多い。

真核生物
真核生物(しんかくせいぶつ、Eukaryota)は真核細胞(しんかくさいぼう)からなる生物のことである。真核細胞の最も際立った特徴は、細胞内に細胞核(核)と呼ばれる構造を持ち、細胞のそれ以外の部分からは膜(核膜)で区切られていることである。真核生物以外の生物は原核生物と呼ばれる。

X線解析
X線回折(えっくすせんかいせつ, X-ray diffraction; XRD)とは、X線が結晶格子によって回折される現象のことです。 1912年にマックス・フォン・ラウエがこの現象を発見し、X線の正体が波長の短い電磁波であることを明らかにしました。

逆にこの現象を利用して物質の結晶構造を調べることが可能です。 タンパク質の立体構造はX線結晶構造解析法により原子レベルで明らかにされます。

タンパク質結晶をX線回折装置に取り付け、X線を照射すると、タンパク質結晶構造によって特有な回折X線がでます。

虫メガネのように物を拡大するレンズがX線にはないので、収集した膨大な回折データをレンズに相当するコンピュータで処理して(位相計算)で電子密度を得ます。この電子密度よりタンパク質分子のモデル(原子座標)を得ます。



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