科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
先日「フロンの使用規制により、オゾンホールが50年後には消失する。オゾン層が回復する。」という、うれしい記事についてコメントしましたが、現時点でのオゾン層は安心できません。
まだまだフロンは地上のあちこちで残っています、そのフロンが全部回収されるとは考えられません。またフロンが地上で放出され、成層圏に達するには3〜5年かかるそうです。
今日は10月3日過去最大になった「オゾンホール」について調べます。(参考HP気象庁・Wikipedia)
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南極オゾンホールが過去最大に…日本の80倍の面積
世界気象機関(WMO)は3日、今年の南極上空のオゾンホールが過去最大となったと発表した。
米航空宇宙局(NASA)の観測では9月25日に、オゾンホールが過去最大となった2000年9月を上回り、日本の面積の約80倍にあたる2950万平方キロ・メートルに達した。欧州宇宙機関(ESA)の観測でも同じ日に、2000年とほぼ同じ2800万平方キロ・メートルとなった。
今年は成層圏の温度が低く、オゾンを破壊する物質の量が多い期間が長く続いたためとみられる。オゾンホールは、南極の春にあたる9〜10月ごろ、日射などの影響で拡大する。(2006年10月4日 読売新聞)
覚えておきたい基本事項
オゾン層とは何か?
オゾン層(オゾンそう)とは地球の大気中でオゾンの濃度が高い部分のことである。
オゾンは、地上から約20〜50kmほどの成層圏に多く存在し、特に地上から20〜25kmの高さで最も密度が高くなる。
オゾンとは何か?
オゾンは、酸素原子が3個結合してできる分子であり、人体に有害である。
オゾン層を破壊する物質とは何か?
オゾンホールの発生は、フロンが紫外線によって分解(破壊)され、塩素原子となって、オゾンを破壊する触媒として働くことによる。
フロンは冷蔵庫、クーラーなどの冷媒や、スプレーの充填剤、プリント基板の洗浄剤として使用されてきた。塩素を含む化学物質である。
オゾンホールの影響は?
オゾン層は、太陽からの有害な紫外線の多くを吸収し、地上の生態系を保護する役割を果たしている。
紫外線の一部は地表に到達し、皮膚の炎症や皮膚がんの原因となる。
ちょっと難しい発展事項
オゾン発生のしくみは?
成層圏中では、太陽からの242nm以下の波長の紫外線を吸収して酸素分子が光解離し酸素原子になる。この酸素原子が酸素分子と結びついてオゾンとなる。
また生成したオゾンは320nm以下の波長を持つ紫外線を吸収し、酸素分子と酸素原子に分解するという反応も同時に進行する(反応式のhvは紫外線、Mは主に窒素や酸素の分子で、反応のエネルギーを受け取る役割をしている)。
この反応のメカニズムは1930年にチャップマンによって考え出され、チャップマン機構と呼ばれる。
オゾンが破壊されるしくみは?
成層圏における、塩素原子による触媒反応系はダイマー駆動機構(dimer-driven mechanism)と呼ばれ、次のように示される。
正味:
オゾンホールの原因物質は?
オゾンを分解する物質は塩素原子だけではない。
オゾンは臭素やヒドロキシラジカル(活性酸素)、一酸化窒素などの存在によっても分解される。
オゾンホールのできる時期は?
南極では毎年冬になると成層圏に強い西風が取り巻き、そのため極域成層圏雲と呼ぶエアロゾル(空気中のホコリ)の雲ができ、これにより塩素が放出される。
冬の間にこうして解放された塩素は、春(9月〜10月)になると太陽が当たり始め、紫外線を受けて一気にオゾンの破壊をはじめる。これが、南極特有のオゾンホールの原因と考えられている。
さらに、CO2などの温室効果ガスが増加すると、地上付近では気温が上昇するが、成層圏の気温は低下する。それが、極域成層圏雲の発生を促進し、成層圏オゾンの破壊を加速すると考えられている。
オゾンホールの影響は?
南極圏でのオゾンホールは、オーストラリアやニュージーランドの南部にまで広がることがある。この地域での紫外線の増大は、人類の健康に無視できない影響を及ぼす。
強度の紫外線は皮膚がんを誘発する要因であるとされている。紫外線の10%の増大は、男性に対しては19%、女性に対しては16%の皮膚がんの増加になるという研究結果もある。
しかし、今のところオゾンの減少は数%に過ぎない。これが世界的規模で広がると事は重大である。200万年前のプランクトンの世界的絶滅は、超新星爆発の影響で紫外線が降り注いだためと考える学者もいる。
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