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ゲノムという言葉をよく聞くようになった。もう、おなじみになったDNAの一部分にゲノムはある。

DNAは糖のなかまのデオキシリボースとリン酸、塩基という物質が集まってできている。   このうちの塩基の部分の並び方が遺伝に関係していて、この並び方をゲノム(塩基配列)という。  

今、様々な生物のゲノム(塩基配列)を探る研究を世界中の生物学者が取り組んでいる。2003年に人のゲノム(塩基配列)が解読されてからこの分野は注目されるようった。  

そして今回、世界最小のゲノムが発見された。その長さは人の2万分の1しかない。人のゲノムが200mだとしたら世界最小ゲノムはわずか1cmしかない。  実に生物の多様なことに驚かされる。こんな仕組み誰が考えたのだろうか?  

今回の発見はもう一つ意味がある。それは細胞内小器官発生のメカニズムにつながる発見ということである。  

葉緑体やミトコンドリアなどは、共生していた細菌が、進化の過程で細胞に取り込まれたと現在考えられており、今回の発見がそのメカニズムを解く鍵になりそうだ。

現に、この共生細菌はこの昆虫の中だけにしか存在しない。もう少しで昆虫の細胞とこの細菌は一体化するかもしれない。   今日はゲノムと共生細菌について学ぶ。 

関連するニュース
最小ゲノム細菌:昆虫の体内に共生…東大チームなど発見
遺伝子レベルで最も小さい生命体といえる細菌を、理化学研究所や東京大などの研究チームが見つけた。昆虫の体内に共生する細菌で、全遺伝情報(ゲノム)の大きさを示す塩基数はヒトの約2万分の1の16万対しかなく、これまで解読を終えた約2000種の生物では最も少なかった。生物進化の解明に役立つ成果で、13日付の米科学誌サイエンスに発表した。

この細菌は「カルソネラ」で、エノキ類の樹液を吸う昆虫キジラミの体内でしか生きられない。一方、キジラミも、カルソネラにアミノ酸を作ってもらっている。

解読の結果、塩基数はこれまで最少だった細菌ブフネラの45万対の3分の1で、ヒト(30億対)や大腸菌(460万対)を大幅に下回った。遺伝子の数も182個と最少で、DNAを複製する重要な遺伝子がなかった。キジラミと共生関係を築くうちに失ったらしい。

ヒトなどの細胞でエネルギーを生産する小器官のミトコンドリアや、植物の葉緑体も共生細菌に由来するとされる。研究チームの服部正平・東大教授(ゲノム科学)は「解読結果をもとに、ミトコンドリアが誕生した過程など生物の進化の謎解きにも迫りたい」と話す。(毎日新聞 2006年10月13日)


知っておきたい基本情報


ゲノム  
DNAは糖のなかまのデオキシリボースとリン酸、塩基という物質が集まってできている。  このうちの塩基の部分の並び方が遺伝に関係していて、この並び方をゲノム(塩基配列)という。

DNA
DNAは糖のなかまのデオキシリボースとリン酸、塩基という物質が集まってできている。  塩基   塩基というと普通はアルカリ性の物質のことを指す。DNAの塩基というと核酸塩基のことである。→後述塩基数

塩基数とはDNAの塩基の数がいくつ並んでいるかである。DNAは2本鎖なのでふつう対であらわす。

ヒトの場合30億対。大腸菌で460万対。今回発見のカルソネラで16万対ある。

遺伝子
生物の遺伝的な形質を規定する遺伝情報の1単位。DNAのゲノムが決定する。

くわしく知りたい発展事項


キジラミ
昆虫類ヨコバイ亜目腹吻群のなかま。同じ仲間にアブラムシ、セミがいる。

大部分の種が植物の汁液を吸って生活しており、農作物から汁を吸うものには害虫として扱われるものが多く含まれる。

 
キジラミ                         キジラミ中に黄色く見えるのが細菌    

共生細菌とは?
他の生物と共生している細菌のこと。

ウメノキゴケなどの地衣類は菌類と藻類からなる共生体で、菌類は乾燥などの環境変化から共生体を保護し、藻類は光合成によって栄養供給の役割を担っているなど、高度に相互依存している。

マメ科の植物は根に根粒菌と呼ばれる細菌を共生させている。

アブラムシでは細胞内にブフネラと呼ばれる細菌が生息していて、アブラムシにはつくれないアミノ酸を供給している。

我々ヒトの体内には大腸菌や乳酸菌など数多くの細菌が共生している。 

マーギュリスの細胞内共生説とは?
1970年マーギュリスが提唱した仮説。ミトコンドリア葉緑体は細胞内共生した他の細胞(それぞれ好気性細菌藍藻に近いもの)に由来すると考える。

核酸塩基
塩基というとアルカリのことであるが、DNAやRNAの塩基はアデニン、グアニン、チミン、シトシン、ウラシルの5種類に限られ、これらを核酸塩基という。


アデニン         グアニン       シトシン       チミン      ウラシル

 

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