科学大好き!アイラブサイエンスこのブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
地球温暖化のために恐れていた事態がつぎつぎに起こっている。

巨大台風の発生、熱波、砂漠化、海面上昇などなど私たちに何ができるだろう?そして、まわりの生物まで変わろうとしている。

最近、南の国に棲むはずの蝶が北上をして身近に見られるようになった。ナガサキアゲハ、クロコノマチョウ、ツマグロヒョウモン、ムラサキツバメ、アカボシゴマダラ、クロボシセセリ などなど...注意して今度探してみよう。見たことのない蝶が近くにいるかもしれない。

今日は地球温暖化と北上する蝶について学ぶ。(参考HP 蝶の図鑑他) 

関連するニュース
沖縄や奄美に生息のチョウ、クロボシセセリ本土で初確認


沖縄や鹿児島・奄美大島などに生息する小型の南方系チョウ、クロボシセセリが、鹿児島県指宿市のフラワーパークかごしまで捕獲された。本土で確認されたのは初めてという。

同パークによると、職員が20日、ランタナの花の蜜を吸っている1匹を捕まえた。鹿児島昆虫同好会の福田晴夫会長によると、クロボシセセリは茶色っぽい羽を広げると3センチ余り。下羽に黒い斑点があるのが特徴だ。

台湾やフィリピンなどにいるが、地球温暖化の影響か、少しずつ生息地域が北上。国内では73年に西表島や石垣島、77年に沖縄本島、96年に奄美大島で発見された。屋久島や種子島では見つかっておらず、福田会長は「いきなり指宿で見つかってびっくりした」。

同パークは近く、園内に放し、本土で冬を越せるかどうか観察する予定だ。(sahi.com 2006年10月23日) 

知っておきたい基本事項


地球温暖化の原因物質は?

地球温暖化の原因となる物質には、二酸化炭素以外にメタン、フロン、亜酸化窒素などがある。

地球温暖化で予想されることは?
1.巨大ハリケーンが発生する
2.熱波が人の命を奪う
3.広大な地域が乾燥する
4.生物相や食料事情が激変する
5.熱帯病感染地域が拡大する
6.海面上昇のため環境難民が2億6千万人出現する 

もっと知りたい発展事項


クロボシセセリとは何か?

セセリチョウ科セセリチョウ亜科クロボシセセリ属 Suastusクロボシセセリ Suastus gremius (Fabricius,1798)

元々は沖縄には分布していなかった種ですが、1970年代にヤシの苗木に着いて沖縄に侵入したと言われています。沖縄は地理的条件から、このような侵入種が多いのですが、そのすべてが定着出来るわけでもありません。しかし、このクロボシセセリは、侵入後完全に定着し安定した発生を続けているようです。
 このように定着した理由として、食樹がヤシ類のために、幼虫期の餌資源での競合種が少ないことがあるでしょう。また、成虫の吸蜜源は充分にあるでしょうから、これも問題にならないはずです。このような理由から古くからの土着種のような印象を持つのかもしれません。

北上する蝶は他にあるの?

北上するナガサキアゲハ

読売新聞2002年11月30日の記事によると、棲息地の北上が続いている南方系の蝶、ナガサキアゲハの翅の模様が、北上とともに変化し、黒い部分が大きく濃くなっていることが、坂氏(京都大エネルギー科学研究科教授)の研究でわかったそうです。

  

北上は地球温暖化の影響とみられており、坂氏は「地球温暖化は、生き物の棲息域だけでなく、形状にまで影響を与えている」と警告しています。

ナガサキアゲハは東南アジア原産で、翅を広げると14cmにもなる日本最大級のアゲハ類です。坂氏が採集した蝶や各地の標本、資料などで研究したところによると、インドネシア産は、翅に白い斑紋が目立つのに、台湾、九州、本州と北へ向かうにつれ、白い部分が少なくなり、黒くなってくるそうです。

同氏が、ギフチョウのサナギを5℃程度の冷蔵庫で飼育し、羽化させる実験をしたところ、やはり羽の黒化が見られたそうです。

このため同氏は、蛹の時期に寒冷刺激を受けると、寒さに備えて日光を効率よく受けるため、黒くなると推測しています。ナガサキアゲハも温暖化で北上したものの、やはり冬場の寒冷刺激は避けられず、黒化したと見ています。

生物の棲息域の北上は、クロコノマチョウ、ツマグロヒョウモン、ムラサキツバメ、アカボシゴマダラにも見られます。

 
クロコマノチョウ                ツマグロヒョウモン

  
ムラサキツバメ                  アカボシゴマダラ

温暖化など「環境の変化による外因説」が有力ですが、同氏は、「北上に伴う生体の適応」という内因も働いているとみており、「様々な生物の体や生態に、すでに温暖化の負担がかかり、体の変化が起きている。一刻も早く、温暖化対策を進めるべきだ」と述べています。
 

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