
現在、ガン治療で注目されているのは免疫療法です。これはガン細胞を抑えるはたらきをもった免疫細胞を自分の体の外で大量に培養して、からだにもどすことで、ガンを治療しようとする方法です。
体の免疫力を増加させる方法で自然の理にかなった方法です。しかしすでに抵抗力の弱りきった人はどうしたらよいでしょう。速効性は期待できません。
化学療法ではもはやガンには対抗できないのでしょうか?
化学療法には、必ず副作用があります。ところが、最近ザクロジュースが前立腺ガン細胞を死滅させる効果があることがわかりました。ザクロは自然の果物ですから副作用も少ないはずです。
どんな成分がガンを消滅させたのでしょう?まだわかりません。また前立腺ガン以外には今のところ効果がありません。しかし新たな可能性を感じます。
今日はザクロとガン化学療法について学びます。
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ザクロに前立腺がん抑制成分、名古屋市立大が研究発表
果物のザクロに、前立腺がんの細胞を死滅させる成分が含まれていることが、名古屋市立大の朝元誠人・助教授らの研究で分かった。
横浜市で開催中の日本癌(がん)学会で28日発表した。
朝元助教授らは、人間の初期の前立腺がん細胞を培養し、濃度5%のザクロ果汁の溶液に入れて影響を調べた。すると、わずか30分で激しい反応を起こし、がん細胞が死滅した。前立腺がんにこれほど強く作用する天然物質は例がないという。他のがん細胞には効果がなかった。
また、前立腺がんのラットに、5%濃度のザクロジュースを飲ませたところ、がん縮小効果がみられた。ザクロの何の成分が効いているかは不明。
朝元助教授は「普通の食品に、こんな作用があるのは珍しい。成分が分かれば、前立腺がんの予防や治療への応用が期待できる」と話している。(2006年9月28日 読売新聞)
ザクロとは?
ザクロ(石榴、柘榴、若榴、英:pomegranate)はザクロ科ザクロ属の小高木、もしくはその果実。原産地はイラン東部。
赤い果実にどんな化学成分が?
果実の赤く硬い外皮を割ると透明な赤い小さな実が無数に出てくる。実は小さな種を含み、甘酸っぱくて食用。果皮を乾燥させたものは石榴果皮(せきりゅうかひ)といい、煎じて飲むと下痢止めや虫下しになる。花言葉は円熟の美。子孫の守護。
果実のしぼり汁で磨くと湯気でも鏡が曇らないといわれ、風呂の鏡を磨くために用いた、そこから風呂への入り口を柘榴口という。屈み入ると鏡鋳る(鏡を磨くこと)とを掛けたものともいう。
グレナデンシロップはザクロのシロップである。色が似ているガーネットを柘榴石と呼ぶ。
初夏に鮮紅色の花を咲かせ、他の樹木が緑の中で目立つため中国の詩人王安石は、『万緑叢中紅一点』と詩に詠んだ。花は子房下位で、がくと花弁は6枚、雄蕊は多数ある。果実は秋に熟す。
日本では庭木、盆栽など観賞用に栽培されることが多く、矮性のヒメザクロ(鉢植えにできる)や八重咲きなど多くの栽培品種があり、古典園芸植物のひとつでもある。 また、最近ではザクロの果汁に前立腺がんの細胞を死滅させる成分が含まれていることが分かり、医学会からも注目を集めている。ただし、ザクロの何の成分が前立腺がんに効くのかはまだ不明。
化学療法とは?
薬物をつかって癌を治療する方法をいう。薬物は血流によって体の隅々にまではこばれるので、手術や放射線では治療できないところにまで広がった癌に有効である。さまざまなタイプの抗癌剤が使用されているが、そのほとんどが癌細胞のDNAの合成や機能をさまたげるものである。したがって、活発に分裂する細胞ほど化学療法に対し感受性がある。正常組織は癌よりも分裂細胞が少なく、薬に対して抵抗性をしめす。
化学療法に感受性が高く、高い確率で治癒が可能な癌には、子宮癌、小児の急性白血病、ホジキン病、びまん性大細胞性リンパ腫、睾丸癌、卵巣癌、肺の小細胞癌、いくつかの小児の癌などがある。これらの癌は、診断されたときにはすでに広がっている場合が多く、ほかの手段では治療が不可能な場合が多い。化学療法はその他の進行癌でも、長期にわたって癌をコントロールしうるので、一般に癌の一時的緩和にもちいられる。
化学療法のおもな問題は、ほとんどの治療薬が高い毒性(副作用)をしめすので、毒性をコントロールし、耐性のリスクを減らすことである。化学療法を実施するときは早めに治療を開始し、適正量の薬剤をできるだけはやく反復使用する一方、患者に、毒性から回復する機会をあたえることが重要である。また、骨髄移植や末梢血幹細胞移植などの支持療法の進歩もいちじるしい。
化学療法をおこなう場合は、多剤併用療法といって、作用の仕組みのことなる数種の抗癌剤を同時につかうことが多い。ただし、抗癌剤とほかの薬剤を併用したときに、予想外に強い副作用がでることがあるので、専門医でも細心の注意が必要とされる。
化学療法は、外科手術や放射線療法と併用されることもある。最初の治療として手術をした場合に、補助療法としてもちいる。ふつうは手術後におこなうことが多い。併用療法により乳癌の治癒率は大幅に向上した。化学療法を補助療法としておこなうおもな目的は、手術前からすでにあった微小転移巣を消滅させることである。最近では、化学療法が補助療法として手術の前におこなわれている。この療法は補助的な化学療法として同様の効果があるが、癌を小さくして手術をしやすくすることもできる。
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コメント
コメント一覧 (2)
最近、名前やアドレスを明記されない無責任なコメントをする方がいますが今後は削除させて頂きます。
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ここは少しでも科学をわかりやすくして、少しでも世の中の発展に寄与できればと思い書いているブログです。そのためのコメントでしたら大歓迎です。
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そのためには間違いを恐れず興味深い記事をわかりやすく載せていきます。もちろん間違いがわかれば訂正していきます。
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また専門用語を並べることがよいことだとは思いません。科学に関係している人はもっと一般の人に理解されるよう努力するべきです。
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科学が理解されなければどんなにすばらしい研究も、人類全体の発展につながりません。科学を理解する人が増えれば、世の中が豊かになると信じています。
「現在のガン治療の主流は免疫療法です。」
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最初から根拠が不明です。何をもってこのように結論することができるのか?日本癌学会や国立がんセンター等の権威ある機関が認定しているのでしょうか?
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養子免疫のことをいっているのだとしたら、理解不足も甚だしい限りです。免疫応答の基本を理解すべきでしょう。
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さらに、非科学的論理指向の最たるところは、「ザクロは自然の果物ですから副作用も少ないはずです。」という記載でしょう。
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どうして、「自然の果物」であれば「副作用も少ない」ということができるのでしょうか。そもそも「副作用」という用語の意味をりかいしているのでしょうか?
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天然物でありさえすれば安全であるとの、間違った民間信仰を助長することは避けていただきたい。
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「さまざまなタイプの抗癌剤が使用されているが、そのほとんどが癌細胞のDNAの合成や機能をさまたげるものである。」
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「癌細胞の」?「DNAの合成」?「機能」?
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核酸アナログやDNAの修飾剤は、DNAの複製阻害をすれど・・・。
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「正常組織は癌よりも分裂細胞が少なく、薬に対して抵抗性をしめす。」もはや、寂しい限り。
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「どんな成分がガンを消滅させたのでしょう?」
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ガンを消滅???後に引用するように「がん細胞が死滅」したのであって、決して「ガンを消滅させた」のではありません。この違いが理解できませんか。
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引用する記事では、「治療への応用が期待できる」と記載されているではないですか。
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そもそも、サイエンスを勉強しようというコラムに、素人の記載する新聞記事を引用すること自体が言語道断と思われます。なにゆえに、癌学会の公演要旨を引用しないのか?
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以下、コメントのしようもないのですが、「毒性から回復する機会をあたえる」は、いくらなんでも。
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ここでいう、抗癌剤は、すべて、発癌剤です。最も重篤な副作用は、抗癌剤による二次発癌です。副作用が毒性であれば回復することは可能でしょうが、癌のリスクを軽減することはできません。さらに、germ lineへの影響はどのようにお考えか?