科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
日本近海の海底を探る「しんかい6500」。ウナギの産卵場所や熱水噴出口、新タイプの海底火山など次々にすばらしい発見をして、私たちに夢や感動を与えてくれる。
 
今回は沖縄だ。石垣島沖水深1470mの海底で熱水噴出口を発見した。その熱水の色が青というのは大変めずらしい。青い熱水は「ブルースモーカー」とよばれる。また熱水の温度は220℃147気圧というのは超臨界流体になっている。
 
今日は熱水噴出口「ブルースモーカー」と超臨界流体について調べる。(参考HP 海洋研究開発機構)
 
 
  世界初「ブルースモーカー」
 

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青い熱水:石垣島沖の海底火山で噴出 潜水調査船が撮影
沖縄県の石垣島北西約50キロの海底火山「鳩間海丘」(水深1470メートル)から噴出する青い熱水を海洋研究開発機構の潜水調査船「しんかい6500」が撮影した。火山ガス中の硫黄分と海底の銅や鉄が反応し、青色の化合物が生じたらしい。黒、灰色、白の「海底温泉」は見つかっているが、青色は例がないという。

青色の熱水は約220度で、昨年8月3日に発見、撮影された。噴出孔周辺にはエビ類もいて、白い熱水も観察された。鳩間海丘の熱水噴出は99年に初めて見つかったが、この時は透明だった。

同機構の高井研ディレクターは「火山ガスの上昇で青や白の熱水ができた。海底火山が噴火する前兆かもしれない」と話す。(毎日新聞 2007年1月23日)


熱水噴出口とは何か?


地上の火山の近くにある温泉のように、海底の地熱地帯の近くで熱水のわき出ている場所を海底熱水地帯とよぶ。

海水が海底面下深くまで浸透して、高温の岩石と反応する。反応によって海水中の硫酸イオンは硫化水素になる。海水中のマグネシウムイオンは失われ、かわりに鉄や銅、マンガンなどの金属イオンを多く含むようになる。

こうして海水とは全く異なる組成となった熱水が海底面へ上昇して噴き出す場所が海底熱水地帯である。深海底で圧力が高いために高温でも沸騰せず300℃以上の熱水として吹き出す。

「ブルースモーカー」とは何か?

こうした熱水の噴き出し口が熱水噴出孔である。高温の熱水が吹き出す場所には熱水中の鉱物が沈殿して煙突上の構造物を作る。これはチムニーとよばれる。高温の熱水は海水と反応して黒色の沈殿をつくり黒い煙を出しているように見える。

黒色の熱水を吹き出す熱水噴出口はブラックスモーカーとよばれる。海底面下で低温の海水と混合すると温度が下がる、それが吹き出すと透明の熱水のまま吹き出すのでクリアースモーカーとよばれる。今回の熱水は青いので「ブルースモーカー」である。 

なぜ今回、見つかった熱水は青かったのか?


これまで黒色、灰色、白色の熱水噴出物が発見されていますが、青色の熱水噴出物発見の報告例はなかった。今回発見された「ブルースモーカー」が、なぜ青く見えるのかに関しては、いくつかの理由が考えられる。

例えば、「シリカコロイドの生成」、「鉄や銅、その他の遷移元素の錯体の形成」等です。熱水の色は熱水活動の物理・化学的なプロセスと密接に関係していることから、青色の熱水噴出物発見により、これまで知られていなかった熱水活動の物理・化学的なメカニズムが存在するものと考えられる。残念ながら、今回の調査だけでは原因の同定ができないため、今後、さらに調査・研究を待ちたい。 

超臨界流体とは?


超臨界流体とは、気体と液体が共存できる限界の温度・圧力(臨界点)を超えた状態にあり、通常の気体、液体とは異なる性質を示すユニークな流体だ。

この超臨界流体は、どこにでも忍び込む気体の性質(拡散性)と、成分を溶かし出す液体の性質(溶解性)を持ち、かつその密度を連続して大幅に変化できる特長を持っている。

このため、二酸化炭素や水を超臨界流体として使用すれば、食品/医薬品分野などでの有機溶媒の代替としても利用でき、人にやさしく、環境にやさしい技術として注目を浴びている。

 

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