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1月22日に中国ミサイルの人工衛星破壊実験で飛び散った大量のデブリ(宇宙ゴミ)が地球を周回し、国際宇宙ステーション(ISS)の軌道と南半球上空で交差していることが、米民間調査機関の解析でわかった。

破片の周回範囲は、運用中の人工衛星約600機の軌道とも交差しているという。軌道上の物体は秒速数キロメートルで動いているので、大きさ10センチメートル程度のデブリでも人工衛星に与える影響は致命的だ。

日本の「きく8号」が2月2日には故障したニュースが流れた。ひょっとしたら中国の実験によるデブリが関係しているのだろうか?気になって調べることにした。その結果...。

今回発生したデブリ(宇宙ゴミ)が広がっている範囲は高度260〜3500キロの範囲。これに対し「きく8号」の軌道は36000キロなので一致しない。また、今回の人工衛星破壊実験が作ったデブリのうち、10cm以上のものは517個だそうだが、今回の実験以前から使用済み衛星などすでに約7000個の破片が漂っている。

JAXAでは「きく8号の故障は、デブリ(宇宙ゴミ)の衝突など、外的な要因は考えにくい」としている。

それにしてもこれから宇宙開発の時代に向けて、デブリ(宇宙ゴミ)は無視できなくなりそうだ。今日は人工衛星とデブリ(宇宙ゴミ)について調べる。
(参考HP Wikipedia・spacewalker)

 高度260〜3500kmに漂う デブリ

関連するニュース 
「きく8号」増幅器に異常、通信実験に支障の懸念


昨年12月に打ち上げた技術試験衛星「きく8号」に搭載した実験装置に不具合が生じ、予定された通信実験に支障が出かねない状況になっていることがわかった。
実験を担当する情報通信研究機構(NICT)が2日、明らかにした。復旧の見通しは立っていない。

きく8号は赤道上空3万6000キロの静止軌道にあり、2枚の大型アンテナを使って地上の携帯端末と衛星通信実験を行う予定だった。NICTと宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、先月30日、携帯端末から受信した電波を強める増幅器の電源を入れる指令を送ったところ、電源が断続的に「オン」「オフ」を繰り返す異常が発生した。

NICTで原因を調べているが、増幅器の内部がショートしていたり、増幅器に電気を送る電線の接触不良などが考えられるという。姿勢制御など衛星の基本機能は正常で、JAXAでは「デブリ(宇宙ゴミ)の衝突など、外的な要因は考えにくい」としている。

地上からの電波は受信できるが、NICTによると、電源の故障が回復しない場合、衛星中継局としての機能が大幅に落ちるため、実験が可能な地上エリアが狭まったり、大型の通信機器を使った実験にとどめざるを得ないといった影響が出るという。
(2007年2月2日  読売新聞)


国際宇宙ステーション(ISS)や人工衛星の高さはどのくらい?


ISSの軌道は高度約400キロです。

地球の大気(空気)の層は150〜200kmの高さにまで達します。ですから人工衛星は200km以上の高さで回っています。

理論的には高度が低ければ速い速度、高度が高いほど、遅い速度で衛星になることができます。

実際には200km、500km、1000km、36000km、40000kmの5つのタイプに分かれるようです。

人工衛星はなぜ落ちずに回るのか?


ボールを投げる速度が速いほど、遠くへ飛びます。この速度が秒速7.9kmを超えると「人工衛星」になります。

ボールを水平に投げた場合、投げたときの速度が速いほどボールは遠くへ飛び、その軌跡(きせき)は、地球のカーブに近づいていきます。地表に空気の抵抗がないとして、高い山の上からボールを投げると、その速度が遅いときはボールはやがて地面に落ちてしまいますが、投げる速度を速くしていくと、ボールの落ちる場所はだんだん遠くなり、ついに地球を1周するようになります。このボールが「人工衛星」なのです。

ボールを秒速7.9km(時速約28,000km)を超える速さで投げると、地上に落ちないで地球を回りはじめます。空気抵抗がなければ、このボールは、投げたときと同じ速度で永久に地球のまわりを回ることになり、「人工の月」すなわち「人工衛星」ということができます。人工衛星は、「地球の引力から飛び出そうとする力」と「地球が引きつける力」がつり合っているので、落下せずに地球のまわりを回っているのです。

 「spacewalker」より引用 

デブリ(宇宙ゴミ)とは何か?


宇宙ゴミを大きさで三段階に分けると次のようになります。

1.10センチ以上のゴミ

「宇宙ゴミ監視システム」によって、 既に監視されています。約一万個あります。世界各地の望遠鏡やレーダーが集めた情報を米空軍がまとめ、ネットで世界中に配信しています。
この情報を元に、ロケットや人工衛星の軌道計算を行い、衝突を避けることができます。スペースシャトルは20回以上、軌道を変更して、衝突を避けました。

2.1センチ未満のもの

船体強度を上げることによって、大丈夫とされています。

3.1センチから10センチのもの

対策がありません。未対策ゾーンで約十数万個あります。

宇宙ゴミの発生原因のほとんどは、ロケットや衛星の爆発によるものです。ロケットや衛星には、燃料が余分に搭載されており、使用後、宇宙空間の環境の変化で爆発することがあるのです。

今までに160件の爆発が報告されていて、その都度、数百個もの宇宙ゴミが発生。日欧米では、燃料タンクに排出バルブを付けて、使用後、燃料を放出したり、衛星切り離し時に、部品が飛び出さないような設計にするなどの対策を進めています。

しかし、インドや中国などは、このような対策を採らず、最近でも何回かの爆発事故を起して問題になっています。

国連では、宇宙ゴミを出さない設計や運用方法の国際的指針を早急に作り、参加国が遵守することを目指そうとしています。

ケスラーシンドローム

デブリ(宇宙ゴミ)が互いに、あるいは人工衛星に衝突すると、それにより新たな破片が生じる。デブリの空間密度がある臨界値を超えると、衝突によって生成されたデブリが連鎖的に次の衝突を起こすことで (collisional cascading)、デブリが自己増殖する、このドミノ現象を「ケスラーシンドローム」と呼ぶことがある。 

 

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