科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
人類は助け合い、仲間を増やし、自らの活動の場を広げてきました。それは地球の環境が変え、野生動物の生活の場を奪うことになりました。

現在は、野生動物との共存を目指しさまざまな取り組みが行れています。絶滅のおそれがある動物は法律で指定し、国が中心になって保護しようとしています。ツルは15種ほど知られている鳥のなかまですが、そのほとんどが絶滅のおそれがある動物です。

北米では、アメリカシロヅルが絶滅の危機に瀕しています。1941年にはわずか21羽まで減少していましたが、その後の保護活動で500羽まで回復しました。現在、非営利組織「OM」が超軽量飛行機を使って、越冬地フロリダへの渡りを助けようとしています。

今日は日本でも絶滅の危機にあるツルのなかまについて調べます。(参考HP Wikipedia他)

  
アメリカシロヅル                          アネハヅル  

絶滅危機ツル導き1900キロ 超軽量機を刷り込ませ


絶滅の危機にある北米のアメリカシロヅルを救うため、非営利組織「渡り計画(オペレーション・マイグレーション=OM)」が、越冬地への渡りを助けている。超軽量飛行機で鳥を先導する手法で、昨年末に初めて一羽残らず無事に送り届けた。その後の竜巻で大半を失う悲劇にも見舞われたが、3月には新たな渡りへ向けた準備を始める予定だ。

渡りの支援は01年に始まった。「06年組」の18羽は昨年10月、米北部のウィスコンシン州を出発し、2カ月かけて1900キロ離れたフロリダ州西部の保護区に到着した。

ところが、2月2日未明、フロリダ州を襲った竜巻で、17羽が死んでいるのが見つかった。アメリカシロヅルは40年代に個体数が20羽程度まで減り、カナダからテキサス州アランサス周辺に渡って冬を過ごすのが唯一の野生の個体群になった。

一カ所での越冬は、災害や伝染病の影響による絶滅の危険がつきまとう。渡りの手助けはフロリダにも別の越冬地を確保するのが目的だ。

春先、卵に飛行機のエンジン音を聞かせる「すり込み」から始め、ひなの世話をする際は人の姿を見せないよう白い着ぐるみを利用した。鳥たちは冬に一度、飛行機に誘導されて南に渡ると、次からは自力で渡るようになるという。

現在、北米では約500羽まで増えたが、フロリダ周辺は約60羽にとどまる。フロリダで卵を産むつがいが25組以上になれば、手をかけずに群として持続するとみられている。

OMのジョセフ・ダフ共同代表(57)は「自然の渡りでも、目的地にたどり着くのは3割程度とされる。それだけにその後の喪失は大きかった。改善の余地はあり、手助けを続ける」と話した。(asahi.com 2007年02月25日)

アメリカシロヅルとは何か?
かつてはカナダからアメリカにかけての広大な地域に見られたが、乱獲や生息地となる湿原の減少によって次第に姿を消すようになり、カナダ、アメリカ両国政府が調査と保護に乗り出した1941年には、わずか21羽(他に飼育個体が2羽)のみが確認されるまでに数を減らした。 

アメリカシロヅルの生態は謎に包まれていたが、その後の調査で、カナダのアルバータ州に営巣地が発見され、保護が進められるようになった。個体数は少しずつ回復し始め、1968年からは人工繁殖計画も実施に移された。1999年時点で、野生のアメリカシロヅルは252羽を数えるに至った。
 
ツルのなかまとは?
ツル(鶴)は、ツル目・ツル科(学名:Gruidae)に分類される鳥の総称。どの種類も長いくちばし、首、足をもつ大型の水鳥である。
 
分布南極大陸と南アメリカ大陸を除く4大陸に、2亜科・4属・15種類が分布する。形態はどの種類もくちばし、首、足が長く、体長1m前後に達する大型の鳥類である。
 
羽毛は黒、白、赤などで彩られ、体も大きいのでよく目立つ。また、顔に皮膚が裸出した部分があるのも特徴である。
 
生活場所は田、湖沼、川、湿地、草原などである。食性は雑食性で、小動物から植物の果実まで、いろいろなものを食べる。
 
巣は地上に作る。種類にもよるが卵は1個-4個で、30日前後抱卵する。卵から生まれたヒナは飛ぶことはできないが、すぐに歩けるようになり、親鳥について餌を探し回ることができる。
 
ツルが生きるためには多くの餌、ひいては豊かな生態系が必要である。有史以来の人間の活動、または狩猟によって、世界各地のツルの生息地は大きく狭められ、21世紀初頭の段階では絶滅が危惧される種類も多い。しかし同時に生息域各地での保護活動も盛んになっている。
 
ヒマラヤを渡るアネハヅル
秋に、ツルの大群が、チベット方面からヒマラヤを越えてインドに渡ることが知られている。その数は、数千、数万、あるいは数十万羽ともいわれ、素晴らしい眺めであるそうだ。
 
ツルの渡りが、ちょうどモンスーン明けの好天に行われるので、日本山岳会の松田氏により、モンスーン明けのヒマラヤ登山の好機を決めるのによいという提案がされて以来、多くの登山隊がツルのヒマラヤ越えを観察して、ヒマラヤ登山を成功させた。

ところで、ツルは、何故わざわざ8000mもあるヒマラヤを越えるのであろうか。苦労が多いヒマラヤ越えをしなくても、目的地に行けるのではないだろうか。目的地がヒマラヤの向こうにあるということを、どうやって知ったのであろうか。このようなツルのヒマラヤ越えの理由を考えてみると...。

もともとユーラシア大陸で南北に渡りをしていた鳥(ツルの祖先?)があって、それが何代も続いている間に、島であったインドが南から接岸して冬にはインドまで渡るようになり、さらにその後ヒマラヤが1年に5mmの速さで徐々に高度をあげていき、160万年後8000mになったヒマラヤを越えられるまでに進化し、対応できるようになったものが現在のツルの姿ではないだろうか。
 
日本のツルとは?
日本のツル日本では北海道の釧路湿原とその周辺に留鳥として生息するタンチョウのほか、山口県や鹿児島県出水市などに冬鳥として渡来するナベヅル、マナヅルがよく知られ、いずれも天然記念物に指定されている。
 
この他クロヅル、カナダヅルなどが少数であるが飛来する。ソデグロヅル、アネハヅルもやってくるが希である。
 
 
刷り込み(すりこみ)とは何か?
動物が生まれた直後に目の前にあった、動いて声を出すものを親だと覚え込んでしまう現象。特定の物事がごく短時間で覚え込まれ、それが長時間持続する現象をさす。インプリンティングとも呼ばれる。
 
この現象を指摘したのは、コンラート・ローレンツである。彼の著書によると、彼は、一つの卵だけを自分の目の前で孵化させたところ、生まれた雛は彼を追いかけるようになり、ガチョウのふところへ押し込んでも、他の雛がガチョウについて行くのに、その雛だけは彼を追ったという。
 
 
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