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前回、ガンを広げるはたらきが、免疫細胞の1つである未分化骨髄球」にあるという京都大学の研究について学びました。

からだを守るための免疫細胞が「ガン」を広げるという、衝撃的な話でした。今日もやはり京都大学でわかった、もう一つの免疫細胞の話です。

ピロリ菌は40代の日本人の7割が感染しています。この菌が胃の中に住み、胃炎や、胃潰瘍、胃ガンの原因になっていることは知られていました。

今回京都大学の研究で、ピロリ菌が、通常は免疫細胞にある「AID」と呼ばれる酵素を利用して、胃の細胞のガン抑制遺伝子を変異、ガン化させることを発見しました。

 ピロリ菌

今度も免疫細胞です。免疫細胞が胃ガンにも一役買っていたとは驚きです。花粉症にしても、ガンにしても、人のからだを守るはずの免疫が病気を引き起こすというのは何とも複雑な話ですね。

今日は「ピロリ菌」と「ガン」について学びます。(参考HP Wikipedia・ガンのお悩み相談室)

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ピロリ菌:免疫酵素利用し胃がん発生 京大グループが解明


京都大大学院の丸沢宏之助手(消化器内科)らのグループは、ヘリコバクター・ピロリ菌が胃がんを発症させる仕組みを、人やマウスの細胞実験などで明らかにした。ピロリ菌が、胃粘膜細胞をがん化するために、通常は免疫細胞にしかない「AID」と呼ばれる酵素を利用していたことを突き止めた。丸沢助手らは「細菌が原因でがんができる唯一の例。早期のピロリ菌除菌が胃がん予防に効果的だといえる」と話す。成果は2日、米医学誌「ネイチャー・メディシン」電子版に掲載される。

ピロリ菌は幼児時に経口感染し、胃に数十年すみ続け、慢性胃炎を起こす。日本では40代以上の7割が感染しているという。胃がんでは最も重要な発がん因子であることが判明していたが、具体的な仕組みは分かっていなかった。

グループは人体の免疫機能を担うAIDが、本来は免疫細胞のBリンパ球にしかないはずなのに、慢性胃炎を起こした細胞に多く現れていることに着目。ピロリ菌を人為的に感染させた胃粘膜細胞にはAIDが多く現れ、重要ながん抑制遺伝子を変異させるなど、がん化する一連の仕組みを確認した。

AIDの働きを抑制するなどの新治療法開発の道も開けそうだという。(毎日新聞 2007年4月2日)

ピロリ菌とは何か?


ピロリ菌は人間の胃の中に住んでいる細菌です。1980年代に発見されました。この菌が胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃ガンの原因となっているということが、近年明らかになってきています。

先進国の中で日本は感染率が高く、国民の約半数が感染しているとされています。しかし大部分の人は生涯症状が出ません。

ピロリ菌は長さは4ミクロン(4/1000mm)で、2〜3回ゆるやかに右巻きにねじれています。片側(両側の場合もあります)に4〜8本のべん毛がはえています。

ガンとは何でしょう?


ガンとは通常の細胞が、突然変異により遺伝子が変化し、アポトーシスが起きなくなり、いつまでも分裂を続ける細胞の病気である。

ガンの原因とは何でしょう?


ガンの原因は遺伝子を変化させるものすべてである。遺伝子を変化させるものとしては、脂肪の多い食べ物、ウイルス、化学物質、放射線、環境因子などいくつか明らかになっている。

一番多いガンは何でしょう?


日本人のガンで多いのは、1位の胃ガン、2位の肺ガン、3位が肝細胞ガンの順です。

ガンにならないためにはどうしたらよいか?


胃ガン(癌)の原因は脂肪の過剰摂取であり、胃ガンの予防には緑黄食野菜を多めに食べるとよいです。

肺ガンの原因は、喫煙、大気汚染、アスベストなどの粉塵です。これらのものをできるだけ吸いこまないことです。  

肝ガンの原因はアルコール、タバコ、砂糖などです。こららの物質はガン抑制物質であるビタミンCやカルシウムを消耗させます。したがって、酒やタバコ、砂糖を多く摂取しないことです。

もし摂取したときは、各種ビタミン、とくにビタミンB1、ビタミンCやカルシウムを多く補給することです。

胃・十二指腸潰瘍はピロリ菌が原因だった

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