科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
私たちには、わかっているようでまだわからないことが多い。今まで常識と思われていたことがある日突然変わってしまうことがある。

前回の白川博士の発見した「電気を通すプラスチック」というのもその1つであった。それまで、プラスチックは電気を通さないことが常識であった。

今回、「電気を通す陶器(セラミック)」が発見された。東工大応用セラミックス研究所の細野秀雄教授らは、カルシウムとアルミニウムの酸化物が結びついた「C12A7」という物質(セラミック)を研究。電気を通すことに成功した。

「C12A7」は加熱すると、結晶の中で酸素イオンが活発に動き回ることに着目。この酸素イオンを電子に置き換えることで、電気をよく通すといわれる「黒鉛」より2倍の電流を通すことに成功した。

さて、ここで物質に関する質問です。

問1.電気を通す物質を何といいますか?

問2.電気を通さない物質を何といいますか?

答えはもちろん「導体」、「絶縁体」です。今回の発見は「絶縁体」とよばれたものが条件を変えることで、良導体になったものである。

今回の発見は、プラスチックに続きセラミックが電気を通したことで、将来「絶縁体」「導体」の区別が無意味なものになるかも知れない!というほど衝撃的なものだ。

考えてみれば、「物質」というのは中学で学ぶように、「電気の粒」が集まってできているのだから、すべてのものが条件しだいで電気を通しても不思議でないのかもしれない。(参考HP Wikipedia・spring8)

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セメント原料から液晶ディスプレー? 通電に成功


セメント原料を、金属のように電気を通す状態にすることに、東京工業大学などの研究グループが成功した。薄膜にすると透明になり、インジウムなどの希少金属に代えて、液晶ディスプレーなどの材料にできる可能性があるという。米専門誌ナノレターズに成果が掲載された。

研究の対象は、カルシウムとアルミニウムの酸化物が結びついた「C12A7」という材料。建設工事に使われるアルミナセメントの原料だ。

C12A7は元々電気を通さない絶縁体だが、東工大応用セラミックス研究所の細野秀雄教授らは、熱するとかご状の結晶の中で酸素イオンが活発に動き回ることに着目。この酸素イオンを電子に置き換えることで、C12A7の電気抵抗を、電気をよく通す黒鉛よりさらに1けた低くすることに成功した。

薄膜にすると光を70%透過、価格が高騰している希少金属ではなく、ありふれた元素でも新しい透明金属材料が実現できる可能性が出てきたという。細野さんは「ナノ構造を利用した現代版の錬金術。さらに、超伝導が実現できるかに挑戦したい」といっている。

(論文)"Metallic State in a Lime-Alumina Compound with Nanoporous Structure"(日本語訳:ナノ細孔構造を持つ石灰−アルミナ化合物の金属状態)
 (asahi.com 2007年04月13日)
 

電気を通す陶器(セラミック)とは何か?


石灰(カルシウムと酸素の化合物:化学式CaO)と酸化アルミニウム(アルミニウムと酸素の化合物:Al2O3)は、教科書類に載っている電気を流さない代表的な絶縁体である。石灰や酸化アルミニウムはどこにでもあるクラーク数の大きな元素でできている。

今回、これらからできている12CaO・7Al2O3(以下C12A7)というセメントの構成成分として使われている物質(図参照)が持つ、直径0.5ナノメートルのカゴの中に、多数の電子を入れ、電気を全く通さない状態から金属と同じように電気をよく通すように変えることに成功した。

クラーク数の大きい元素とは?


地殻の99%は、酸素、ケイ素、アルミニウム、鉄、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムの順に8つの元素から構成されている。これらの物質の地殻含有率%をクラーク数という

これらの元素は 酸素と結びついて(軽金属)酸化物として存在している。それらの酸化物は、ガラス、セメント、陶磁器などに原料として広く使用されているが、電気を通さないことは常識である。

東京工業大学フロンティア創造共同研究センターの細野秀雄教授らのグループは、絶縁体としてよく知られている上記の軽金属酸化物を、ナノの構造を利用し、半導体や金属に変えることを研究してきた。

同グループは、2003年にC12A7を半導体に変えることに成功したが、金属にまで変えることが出来なかった。シリコンなどの半導体は、電子をドープしていくと、電気の流れやすさがどんどん増大していって、ある閾値の濃度を超えると金属状態に変わることがよく知られている。しかしながら、C12A7のような典型的な絶縁体が、金属状態にまで変えられるかどうか興味が持たれていたが、これまで実現していなかった。

なぜ陶器「C12A7」が金属に変わったか?


C12A7は、上図のようなナノサイズのカゴが、お互いに結びついて結晶をつくっており、その中に酸素イオン(O2-)が入っている。この酸素イオンが、ふわっと入っており、摂氏700度以上になると、結晶の中をよく動き回ることに着目した。

そして、この動きまわる酸素イオンを捕まえ安定した結合をつくるが、C12A7のカゴとは反応しない(反応するとカゴが壊れてしまう)、金属チタンと一緒にガラス管の中に封入して、摂氏1100度で加熱することで、カゴの中の酸素イオンをほぼ100%電子で置き換えることが可能になった。

その結果、絶縁体から半導体、そして金属にまで変えることに成功した。
金属になったことが、以下の2つのことで確認された。
 (a)温度が下がると電気抵抗が小さくなる(半導体は逆)
 (b) 磁性をもった不純物を少量加えると、電気抵抗が温度とともに単調に変化せず、ある温度で最低値をとるという非磁性金属に共通に見られる「近藤効果」が、明瞭に観察される。

スケルトンセラミック


室温での電気抵抗は、6x10-4 Ωcmで金属マンガン(2x10-4 Ωcm)と同程度で黒鉛(1.3x10-3 Ωcm)より一桁低い。薄膜(厚み100ナノメートル)にすると、肉眼に感じる可視の領域の光は70%以上透過するので、金属や黒鉛のように不透明ではなく、向こうが透けてみえる。

「SPring-8」の高性能分子構造解析装置が謎を解く


シリコンなどの半導体が金属に変わるときは、電子の数は増えるが、電子一個あたりの動きやすさ(移動度)は減少する。しかしながら今回の研究において、C12A7の場合は、これとは逆で、金属化すると、半導体の状態よりも数十倍も大きくなることがわかった(上図左参照)。

この原因を調べるため、大型放射光施設(SPring-8)の粉末結晶構造解析ビームライン(BL02B2)の高輝度放射光を用いて測定した回折データを、マキシマムエントロピー法(MEM)/リートベルト解析と呼ばれる、電子密度イメージングと粉末回折パターンフィッティングとを組み合わせた方法で解析した。

ナノのカゴの中に酸素イオンが入っている絶縁体の状態では、カゴの形が歪んでいるが、酸素イオンを電子で置き換えていくと、どんどんその歪みがなくなっていき、ある濃度まで電子が増える(酸素イオンが減る)と、一気に全部のカゴの形が綺麗な、歪んでいない状態に至る。

このとき、電子は急によく動けるようになり、その結果として、半導体が金属に変わることがわかった(上図参照)。今回、SPring-8の高輝度X線ビームを用いて測定した高精度回折データを使って解析したことが、このような金属状態と絶縁体状態の精密な構造変化の解明に結びついた。

金属問題を解決する可能性


途上国の需要により、高騰が続く金属類。特に希少金属の高騰は問題である。今回の発見は希少な金属に依存せず、ありふれた元素のみを使って、ナノの構造の工夫次第で、新しい機能を発現できる可能性を明快に示した結果といえる。

この成果は、現在問題になっている液晶ディスプレイやテレビなどに不可欠になっている希少な金属であるインジウムを使った透明金属が、ナノの構造を工夫することによって、希少な金属を全く使用せず、身の回りにある、ごくありふれた元素を使って実現できる有望な道筋となることが期待される。

次は超電導への挑戦
今度の課題としては、典型的な絶縁体として知られていた、このセメント物質C12A7を、2003年に半導体に変えることに成功し、今回は金属化に成功した。次の挑戦としては、超伝導が実現できるかどうかである。「セメント超伝導体」はこれからの目標である。

SPring-8HP の「セメントを金属に変身させることに成功 − ナノの構造を利用した現代版錬金術 − 」 より記事引用

 

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