科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
この冬はノロウィルスの大流行で大変な思いをした方も多かった。今度はクロストリジウム・ディフィシルという細菌が流行の兆しを見せている。

この細菌、腸内に普通に見られる細菌で、抗生物質を服用して腸内細菌が減ったときに下痢や大腸炎を引き起こす原因となる。

通常は死亡することはないのだが、カナダの病院などで院内感染により流行したタイプ(027型)は病原性大腸菌O-157より毒性の強いもので死亡者が出ている

 
クロストリジウム・ディフィシル(米疾病対策センター提供・共同)

国立感染症研究所によると、過去に国内でも、同じタイプのものに感染した人が2人いたことがわかった。2人とも現在は完治しているが、感染経路がわからなかった。今後は院内感染の防止対策が必要だという。

主な予防法はノロウイルスと同じく塩素系薬剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)が有効である。具体的には1.手洗い 2.調理器具等の殺菌消毒 が対策となる。

関連するニュース
O157超える強毒菌、国内で2例検出


北米地域で集団感染が相次いでいる死亡率の高い強毒型の腸炎細菌を、国立感染症研究所が国内の患者2人から検出していたことがわかった。

厚生労働省は、国内の医療機関での流行を防ぐため、各医療機関に院内感染防止の徹底を指示、今後、国立感染症研究所を通じて、国内の発生状況の予備調査を行う方針だ。

問題の細菌は「クロストリジウム・ディフィシル」。抗生物質による治療で腸の常在菌のバランスが崩れた際に異常に増え、腸炎を起こすことが知られていたが、今回見つかったのは通常のディフィシル菌より多量の毒素を出す変異型で「027型」とも呼ばれる。

これまでは高齢者や全身状態が悪い場合を除き、死亡することはまれだった。ところが、カナダなどで2003年ごろから、毒素をたくさん作る強毒型が流行するようになり、ケベック州の12病院では、1703人のうち、約7%にあたる117人が死亡した。この死亡率は、病原性大腸菌O(オー)157に感染した患者が重い合併症を起こした際の死亡率1〜5%よりも高い。

海外の流行情報を受け、感染研が保管していた試料を調べたところ、01年に関東の30歳代の男性から採取した試料と、05年に中部の30歳代の女性から採取した試料から強毒型が確認された。どちらも現在は完治している。感染経路は不明だが、2人の細菌は海外で見つかったものと同タイプだった。男性は入院歴はなく、病院以外で感染したとみられる。

感染研の荒川宜親・細菌第2部長は「抗生物質を使いすぎると、この細菌がはびこる可能性がある。強毒型での腸炎が疑われる場合、感染研で相談に乗りたい」としている。(2007年4月29日3時4分  読売新聞)


クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)とは?


クロストリジウム・ディフィシルは大腸に常在している菌(常在菌)の一種で、通常は毒素を産生しません。

この菌は多く種類の抗生物質が効かない(耐性)菌であるため、抗生物質の投与によって他の菌が死滅するとこの菌だけが生き残り異常増殖(菌交代現象)をし、毒素を産生するようになります。

この産生する毒素(エンテロトキシン、サイトトキシン)が腸管粘膜に障害を起こし、軽症では軟便、重症では激しい下痢、腹痛、高熱を伴う、円形に隆起した偽膜ができる偽膜性大腸炎を発症します。

通常のクロストリジウム・ディフィシルは新生児の糞便中で約半数程度に認められ、その存在自体で、消化器症状をみることはないのだが、抗生物質の投与によって、腸内細菌叢が変化し、菌交代によって増殖を始め、トキシン-A、トキシン-Bと呼ばれる毒素を産生し、この、トキシン-A(A-toxin)が産生する毒素(エンテロトキシン−enterotoxin −)と、トキシン-B(B-toxin)が産生する毒素( サイトトキシン-cytotoxin-)が腸管粘膜に障害を起こし、クロストリジウムディフィシル関連腸炎、偽膜性大腸炎に至ることがある。 

除菌・漂白剤 3L



塩素系漂白剤 次亜塩素酸ナトリウム配合
業務用クリンメソッド 2L 2倍濃縮タイプ

ワンパオ

塩素系消毒液 次亜塩素酸ナトリウム配合

ランキング ブログ検索 ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ ←One Click please