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日本では1970年代に発生した光化学スモッグ、近年は中国の大気汚染が原因で発生している可能性が高くなった(2007年5月18日記事参照)。  

光化学スモッグの正体はオゾン(O3)であるが、オゾンはどうやってできるのであろう?  

経済成長を続ける中国では、エネルギーとして、石炭や石油を燃やして火力発電を行っている。石炭・石油などにふくまれている、硫黄化合物や窒素化合物が燃えて硫黄酸化物、窒素酸化物ができる。 
オゾンはこのうち窒素酸化物紫外線を浴びてできることがわかっている。   また、硫黄酸化物や窒素酸化物は雨に溶けて雨を酸性にする、酸性雨の原因物質としても知られている。

今回、九州大の吉村和久教授(地球化学)らは、空気中の硫黄酸化物の濃度を西表島にある鍾乳洞「中野洞」の鍾乳石のひとつである、「石筍」で確認することができた。  

鍾乳石の主成分は炭酸カルシウムであるが、二酸化炭素や硫黄酸化物が溶けた酸性雨のはたらきで、石灰石の中のカルシウムが溶け出して成長する。したがって鍾乳石には硫黄成分もふくまれている。  

鍾乳石のなかの硫黄成分を調べると、どのくらい空気中に硫黄酸化物があるかわかり、大気汚染の状況もわかる。今回の調査で、鍾乳石の中の硫黄成分は中国の高度成長とともに増えていることがわかった。  

その結果、「光化学スモッグ」に続き、「酸性雨」も中国発の可能性が大きくなった。今日は「酸性雨」とは何か調べる。(参考HP Wikipedia)   

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酸性雨:西表島の石筍から過去の状況分析 九州大など
鍾乳石の一種「石筍(せきじゅん)」から、過去の酸性雨の状況を調べる手法を、九州大などの研究チームが開発した。西表島(沖縄県)の石筍を分析すると、90年代初め以降、酸性雨の原因となる雨水中の硫酸イオン濃度が2〜3倍に急増したことが判明した。中国の石炭使用量が増え始めた時期と一致し、研究チームは中国から酸性物質が流入した影響とみている。

石筍は、洞穴などの天井から落ちる水滴によってできるタケノコのような形の鍾乳石で、水滴には雨の成分も含まれる。雨が地中にしみ込む際、植物が分解してできるフルボ酸が混入するが、夏は多く冬は少ないため、石筍には年輪のようなしま模様(年縞(ねんこう))ができる。

九州大の吉村和久教授(地球化学)らは、西表島の中野洞で採取した成長中の石筍(高さ約15センチ)を用い、しま模様の間隔から石筍の成長速度を年平均0.05ミリと判定。過去約140年間に成長した部分を層状に削り取って、含まれる硫酸イオン濃度を測定した。80年代までは5ppm(ppmは100万分の1)前後でほとんど変化はなかったが、90年代以降は10〜15ppmに急増していた。

西表島などの八重山地方は、冬季に中国の工業地帯上空を通過した気団がやってくることが多いが、酸性雨の継続した観測データはなかった。

中国では90年代以降、石炭の使用量が増えているといい、吉村教授は「中国から酸性物質が流入している可能性が高い。西表島の地質は国内の他地域に比べ、酸性雨を中和する能力が低い。酸性雨がひどくなった時期を特定できたことは、土壌や水への影響を予測する上で重要だ」と話している。(毎日新聞 2007年5月23日)


酸性雨とは何か?


狭義にはph5.6以下の雨のことを酸性雨と呼ぶが、広くはこれに雪、霧や粉じん、ガス状物質などを含め、地表を酸性にする上空からの酸性降下現象をまとめて含めて考える。

雨や雪、霧などの湿性降下物と、粉じんやガス状物質の乾性降下物を合わせて酸性降下物と呼ぶ。pHの絶対値ではなく、人為的な影響が加えられる前と比較して雨等のpHが酸性側にシフトする現象である。

通常の雨はやや酸性である。中性にはならないのは、雨が純粋な水ではなく大気中に僅かに含まれる二酸化炭素火山活動により生じた硫黄酸化物などが自然に溶け込むためである。

近年、pHが低い(酸性が強い)雨がしばしば観測されるようになり、酸性雨として問題視されるようになった。日本で観測される雨の平均的なpHは4.8程度であり、大気中の二酸化炭素だけが水に溶けたときのpHが5.6であることと比較すると酸性となっていることがわかる。

しかし、火山などの自然発生源から放出される硫黄酸化物を計算に入れると、自然の雨(酸性雨でない雨)は、pH5前後ではないか、という研究報告もある。

また、雨・雪等に解けたアンモニアアルカリ性を示すが、地表に降下後微生物により亜硝酸態窒素・硝酸態窒素となり土壌を酸性化させることが知られており、環境を酸性化させる降下物として広義にはこれを含める場合もある。


酸性雨の原因は何か?


酸性雨の原因は化石燃料の燃焼や火山活動などにより発生する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、塩化水素(HCl)などである。これらが大気中の水や酸素と反応することによって硫酸硝酸塩酸などの強酸が生じ、雨を通常よりも強い酸性にする。

大気中に放出されるアンモニアについては、人間の活動や家畜糞尿に起因するものが問題視されている。ただし、酸性雨の問題は、産業革命以降急激に進んでいることから、人間の活動による大気汚染との因果関係は強いと考えられる。

なお、日本における原因物質の発生源としては、産業活動に伴うものだけでなく火山活動(三宅島桜島)等も考えられている。また、東アジアから、偏西風に乗ってかなり広域に拡散・移動してくるものもあり、特に日本海側では観測される。

国立環境研究所の調査では日本で観測されるSOxのうち49%が中国起源のものとされ、続いて日本21%、火山13%、朝鮮12%とされている。

鍾乳石とは何か?


鍾乳石は、鉱物質を含んだ水溶液が天井面から落下する際に、炭酸カルシウムなどの沈殿物を濃集させ、天井面から下がるつらら状の棒を発達させることにより生成される。

あらゆる鍾乳石は、ミネラルで飽和した一粒の雫がもとになる。水がしたたりおちるとき、方解石で出来たとても細いリングを後に残す。後から後から垂れてくる滴はそれぞれ別々に方解石のリングを形づくり、それらが独立して伸びていく。

結局、これらのリングはとても細い(0.5mm)、鍾乳管(ソーダストロー)として良く知られている中空の管の様な鍾乳石を作り出す。ソーダストローはとても長く成長することがあるが、それらはとても脆い。もしそれらが破片によってふさがれてしまったら、水は外側を流れ始め、より沢山の方解石を集積させてさらに一般的な円錐形の鍾乳石を作りはじめる。
 

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