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都市部のエネルギーの大量消費と砂漠化が原因で起きるヒートアイランド現象が問題になって久しい。対策はどのくらい進んだろうか?

人口が集中する都市部では、エネルギーの大量消費による大量の廃熱がある。また砂漠化により、気温を下げるはたらきのある植物が極端に少ない。

植物には蒸散作用がある。これは葉から水が蒸発することだが、このときにまわりから熱を奪うので気温を下げるのだ。

今さら何千・何万というビルを消し去ることなどできないから、いったいどうやって解決するのか、具体的な方針が見えてこなかった。



東京都では2001年4月より、『東京における自然の保護と回復に関する条例』において、一定基準以上の敷地における新築・増改築の建物に対して、その敷地内(建築物上を含む)への緑化を義務付けた。

失われた緑を取り戻そうという方針を立てたのだが、どれほどの効果があるのか疑問だった。ビルはビルであって植物が生えるのだろうか?土などを盛ったら重くなるのではないか?水はどうするのか?水をかけたら下の階に漏れないか?肥料はどうするのか?

「屋上緑化」にはいろいろな課題がありそうだ。しかし、最近の企業努力で少しずつ効果が上がってきている。国も庁舎の屋上を太陽光発電や「屋上緑化」にすることに決めた。

最近の「屋上緑化」にはどんな技術やどんな課題があるのだろう?調べてみたい。 (参考HP Wikipedia・東邦レオ)


関連するニュース
国管理の全庁舎屋上、太陽光発電か屋上緑化に…首相が指示


安倍首相は29日、政府の地球温暖化対策推進本部の会合で、温室効果ガス削減に向け、国が管理しているすべての庁舎の屋上で、太陽光発電か屋上緑化を実施するよう指示した。  

各省庁では、太陽電池を効率的に行える延べ床面積1000平方メートル以上の全庁舎について今月中にもリストアップし、早急に導入する予定。  

首相は「現状の対策のままでは、京都議定書の目標達成が極めて厳しい状況にある。目標の達成のためには、政府が率先して取り組み、自治体や幅広い業界にも取り組みを促す必要がある」と述べた。 (2007年5月29日21時13分 読売新聞) 


屋上緑化とは?


屋上緑化(おくじょうりょっか)とは、建築物の断熱性や景観の向上などを目的として、屋根や屋上に植物を植え緑化することである。同様に、建物の外壁を緑化することを壁面緑化(へきめんりょっか)という。

環境問題への対応を迫られる現代において案出された手法と見られがちだが、屋上庭園や草に覆われた土屋根、ツタの絡まる壁をもつ建築物は各国で古くから存在し、人々は先人の知恵としてその恩恵を受けてきた。

日本でも古来、夏にはヒョウタンやヘチマの緑陰で家屋に涼を呼ぶ習慣があり、極寒の国では屋根に生やした草が断熱材となり寒さを防いだ。その根源は自然と人間の共生に根ざすものである。

屋上緑化の課題と技術


1.防水
ポリ塩化ビニルシートやアスファルトなどでの防水は不可欠であり、一般的な屋上の防水工事以上に慎重な計画と施工が求められる。また、土壌を経て防水面へと浸透する経路にも工夫が望まれる。余剰な水が一箇所に溜まることは避けるべきである。

2.防根
植物の根が土壌を貫通し、防水面を破れば水漏れが発生する。また、植物の根はコンクリートへと容易に食い込んでゆくため、躯体に達すると構造上危険である。こうした問題を防ぐため、防根シートなどの層を設ける必要がある。

3.灌漑排水
人手での水やりの人件費がかけられない場合、スプリンクラーなどの装置で半自動で植物に吸水する必要がある。植物の種類や土壌の保水性に適した頻度と量で吸水する必要がある。また、農業などにも用いられている高分子ポリマー製のシートも屋上緑化用に使われることがある。

4.通気性の確保

5.軽量化
建物に積載できる荷重には限りがある。積載荷重条件を無視して、大きな荷重のかかる緑化を行うことはできない。建築基準法では、一般的な住宅建築で人が立ち入れる屋上・バルコニーは、床の積載荷重が180kgf/m2、地震力が60kgf/m2で構造計算することになっている。

通常、比較的根の浅い芝類で300kg/m2、高木では1000kg/m2の固定荷重を見込む必要がある。荷重は土壌の湿潤状態を基準として考える必要がある。屋上庭園のため、高分子ポリマー製の保水シートや、根を張れる孔がスポンジ状にあいた緑化コンクリートなども開発されている。

6.手入れの簡便化
屋上庭園のメンテナンスに割けるコストにもよるが、吸水・剪定などの作業は一般的な庭園同様に必要となる。スプリンクラーなどの設備が広く使われる。

7.植物の種類
セダム(マンネングサ)、芝

これら2つは簡易的に植物で屋根を覆う方法であり、庭としての利用は重視されない。つまり普段の屋上利用を立ち入り禁止にするような建物ではこのような形式が採用されている。しかし近年の報告では、元々砂漠などの乾燥地に生えるセダム植物による屋上緑化は植物の水分放出による冷却効果がそれほど期待できないとする説もある。

花類、潅木植物

花壇や大きく成長することのない潅木植物などで景観にメリハリをつけ、屋上庭園として利用する。シンボルツリーとして2-3メートル程度の中高木を配する場合もある。これらの場合、建物の重量や漏水対策がセダムや芝よりも厳しく求められる。

 

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