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ブラックホールとはよく聞くが何だろうか?

ブラックホール(Black hole)は質量の大きい恒星が超新星爆発した後、自己重力によって極限まで収縮した天体のこと。

ブラックホールの周囲には非常に強い重力場が作られるため、ある半径より内側では脱出速度が光速を超え、光ですら外に出てくることが出来ない。この半径をシュヴァルツシルト半径と呼び、この半径を持つ球面をシュヴァルツシルト面と呼ぶ。

この天体を「ブラックホール」(黒い穴)と命名したのはアメリカの物理学者ホイーラーである。ブラックホールそれ自体は不可視だが、ブラックホールが物質を吸い込む際に降着円盤を形成するので、そこから放出するX線やガンマ線、宇宙ジェットなどによって観測することができる。

数年前まで、ブラックホールはただひたすら周囲の物体を飲み込み質量が増大してゆくだけであったが、現在はさまざまな可能性が考えられている。

今回、京大の上田佳宏准教授(X線天文学)らと米航空宇宙局(NASA)研究グループが、日本のX線天文衛星「すざく」が今まで厚い雲におおわれ存在がわからなかった、新タイプのブラックホールを発見した。

今日はX線天文衛星「すざく」と、新しいブラックホール像について調べる。(参考HP Wikipedia・JAXA)
 

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新型ブラックホール、衛星「すざく」が発見


巨大なドーナツ形の厚い「雲」に覆われ、これまで存在の分からなかった新しい型のブラックホールを、日本のX線天文衛星「すざく」がとらえた。観測した上田佳宏・京都大大学院准教授(X線天文学)ら京大と米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターなどの研究グループが、米専門誌「アストロフィジカルジャーナル・レターズ」8月1日号に発表する。

銀河の中心には、太陽の100億〜100兆倍のエネルギーを放射する巨大なブラックホールがあり、活動銀河核と呼ばれる。中に落ち込む物質が放射するX線を観測することによって、ブラックホールの存在を知ることができるが、これまでは1万電子ボルト以下の低エネルギーのX線しか観測できなかった。  

NASAの天文衛星「スウィフト」は、20万電子ボルトまでの高エネルギーX線を観測でき、新たに約200個の天体を見つけられた。そのうち、八分儀座の方向にあるESO005―G004(地球から8000万光年の距離)など二つを「すざく」で詳しく観測した。

ブラックホールを囲む濃いガス状の分子の「雲」が巨大なドーナツ形に広がり、特別に分厚いために、ブラックホール周辺にある光や低エネルギーのX線を吸収してしまっているらしい、という。  

上田准教授は「同じようなブラックホール天体がほかにも多く潜んでいるとみられ、銀河の誕生を解明するカギを握るのでは」と話している。( asahi.com 7月31日 )
 

科学衛星「すざく」(Astro-E2)とは何か?


「すざく(ASTRO-EII)」は日本の5番目のX線天文衛星で、2005年7月10日に打ち上げられた。「すざく」は直径2.1 m、全長6.5 m(軌道上で鏡筒伸展後)の大きさを持ち、太陽パドルを広げると5.4 mの幅になります。衛星の重量は1700 kgにもなり、日本の科学衛星としては、これまでにない大型衛星となる。

1993(平成5)年8月に打ち上げられたX線天文衛星「あすか(ASTRO-D)」の後継機。軟X線からγ線までの広い帯域(0.4〜600 keV)を高感度で観測できる。 世界最高水準のX線観測システムを国際協力で開発し、激動する宇宙の姿をX線像とスペクトルから解き明かす。

X線で何がわかるか?


宇宙に存在する銀河の少なくとも1%は、中心核から電波〜X線にわたる広い波長範囲で太陽の100億倍100兆倍もの莫大なエネルギーを放射している。これらは「活動銀河核」と呼ばれます。

その正体は太陽の100万倍から10億倍の質量をもつ巨大ブラックホールで、そこに周囲の物質が落ち込むと強い重力によってガスが高温に熱せられ明るく輝く。

最近の研究により、活動銀河核は銀河の星の形成過程と密接に関わっており、宇宙の進化に本質的な役割を果たしていることが分かってきた。 

このような巨大ブラックホールが宇宙にいくつ存在するか?という基本問題に答えるべく、天文学者はこれまで様々な方法で活動銀河核を探査してきた。その多くは、可視光や紫外線を用いたものだった。

標準的なモデルによると、巨大ブラックホールは「トーラス」と呼ばれる、ドーナツの形状をした物質に囲まれていると考えられています。見る角度によっては、ブラックホールがトーラスに隠され、中心からの可視光が見えない場合もあります(「2型活動銀河核」とよばれます)。

可視光でわからない場合でも、X線で観測すると直接的にブラックホールを探すことができる。しかし、視線方向をさえぎる物質の量が多くなると、エネルギーの低いX線や可視光は完全に吸収されてしまい、ブラックホールを直接、見通すことができなくなる。

このような、深く隠されたブラックホールがどれだけ宇宙にあるかということは、ほとんど分かっていない。これらを見つけるには、透過力の非常に強い、10キロ電子ボルト以上のX線(硬X線)を用いることが必要とされている。 

ブラックホールとは何か?


ブラックホール(Black hole)は質量の大きい恒星の最後に、超新星爆発した後自己重力によって極限まで収縮した状態の天体を指す。

ブラックホールの周囲には非常に強い重力場が作られるため、ある半径より内側では脱出速度が光速を超え、光ですら外に出てくることが出来ない。この半径をシュヴァルツシルト半径と呼び、この半径を持つ球面をシュヴァルツシルト面と呼ぶ。

この天体を「ブラックホール」(黒い穴)と命名したのはアメリカの物理学者ホイーラーである。ブラックホールそれ自体は不可視だが、ブラックホールが物質を吸い込む際に降着円盤を形成するので、そこから放出するX線やガンマ線、宇宙ジェットなどによって観測することができる。

ブラックホールは、光さえも吸い込む強力な重力場として知られているが、実際に観測したのは、1999年8月。日本の天文衛星「あすか」が、ガスがブラックホールに吸い込まれる様子を初めてとらえた。

ブラックホールでおきる現象とは?


現在、ブラックホールが引き起こす宇宙現象は、大きく分けて次の5つある。

それは、(1)見えない質量(ミッシングマス)、(2)X線など周囲の物質が落下する際の放射、(3)物質の吸い込み、(4)重力波源、(5)重力レンズ。

世界の科学者にショックを与えた「ホーキングの放射」理論


ブラックホールは、明るく輝いたり、縮んだり、ときには爆発したりすることがある」。1974年、イギリスの科学者スティーブン・ホーキングのこの予言は、科学の世界に大きなショックを与えた。

それまで、ブラックホールは宇宙の物質の究極的な吸込口であり、どんなものもそこから出ることはできないし、ガスや星を飲み込んで質量を増やし、大きくなることしかできないと思われていた。

ホーキングの理論は、一般相対性理論と量子力学を組み合わせて、さらに想像力を大きく飛躍させたもの。彼はブラックホールの周囲の重力場から、エネルギーが放射されることを発見した。

つまり、ブラックホールから質量とエネルギーがわき出ることもあるということだ。この「ホーキングの放射」は、通常のブラックホールではごくわずかである。しかし、非常に小さなブラックホールはエネルギーを放射し、やがて大爆発を起こす確率が高いとされている。

ブラックホールと降着円盤
ブラックホールに落ち込む物質は強力な潮汐力によって破壊され、ブラックホールを取り巻いて回転する降着円盤を作る。降着円盤の質量に比べてブラックホールの質量が十分に大きければ降着円盤を構成するガスは質点の周りのケプラー運動に近い差動回転をする。

このため降着円盤のガスは粘性による摩擦を受けて加熱され、X線やγ線を放出する。同時に角運動量を失って次第に中心へ落ちていき、ブラックホールに飲み込まれる。ブラックホールのシュヴァルツシルト半径はブラックホールの質量に比例するため、ブラックホールが物質を飲み込んで質量が増えると事象の地平面(シュヴァルツシルト面)の半径も大きくなる。

大質量ブラックホール
天の川銀河の中心部にあるブラックホールは、太陽の200万倍の重力を持った巨大な存在である。1995年には、銀河M106の中心に太陽質量の3600万倍の質量のブラックホールがあることが確認されている。同様にして、これまでに多くの銀河の中心部に106-8太陽質量の大質量ブラックホールの存在が確認されている。

通常の恒星進化の果てに生み出される恒星質量クラスのブラックホールと銀河中心に見られる大質量ブラックホールの中間的な質量を持つブラックホールがこれまで全く発見されず、両者の間に関係があるかどうかも不明であった。

中質量ブラックホール
しかし1999年から2000年にかけて、日本の研究者グループによる電波やX線での観測から、M82 銀河の内部に太陽質量の1000倍程度のブラックホールがあるらしいことが初めて明らかになった。これを受けて現在、以下のような大質量ブラックホールの形成シナリオが考えられている。

銀河どうしの近接遭遇や衝突などによって銀河内部で爆発的な星形成(スターバースト)が起こり、これによって若くて密度の高い星団が大量にできる。このような星団には重い星が大量に含まれるため、高密度な環境ではこのような星同士が合体してさらに大きな星となり、ますます合体しやすくなるという合体不安定という過程が進行する。

こうして作られた重い星の寿命は非常に短いので早い時期に超新星爆発を起こし、太陽の数十倍から100倍の質量を持つブラックホールが誕生する。これらの合体によって103太陽質量程度の中間質量ブラックホールが星団内にでき、このような星団がいくつも銀河の中心に向かって沈む。

沈む途中で星団自体は潮汐破壊され、中間質量ブラックホールが銀河中心にたまり、互いに合体して大質量ブラックホールとなる、というものである。

ブラックホールの蒸発
古典物理学においてはブラックホールはただひたすら周囲の物体を飲み込み質量が増大してゆくだけである。しかし、一般相対性理論に量子論を加えた理論を開拓したことで知られるホーキングは、ブラックホールから物質が逃げ出して最終的にブラックホールが蒸発する可能性を指摘した。

この粒子の放出はブラックホールの地平面上で確率的に起こるため、巨視的にはブラックホールがある温度の熱放射で光っているように見える。これをホーキング輻射と呼ぶ。

この輻射によってエネルギーを失うと(エネルギーは質量なので)ブラックホールの質量は減少する。ホーキング輻射の温度はブラックホールの質量に反比例するため、通常の恒星質量程度のブラックホールではこの効果は無視できるほど小さい。

しかし、陽子質量ぐらいの微小なブラックホールではこの量子効果は無視出来ない。ホーキング輻射で質量が減るとさらにこの効果が強く働いて輻射の強度が増え、加速度的に質量とエネルギーを失い、最後には爆発的にエネルギーを放出して消滅する。

これがブラックホールの蒸発である。この蒸発の最後のプロセスがガンマ線バーストとして観測されるとする説もある。我々の宇宙が閉じた系でない限り、超長期的に見れば全てのブラックホールは蒸発すると考えられている。

2004年7月21日にホーキングは「ブラックホールに吸い込まれた物質が持っていた情報はブラックホールの蒸発に伴って何らかの形でホーキング輻射に反映され、外部に出てくる」という新説を発表し、従来の自説を修正した。

できるか?世界最小のブラックホール


2007年運転開始の加速器LHC(ラージハドロンコライダー)で極小型のブラックホールの生成実験が予定されている。方法としては、陽子を光速の近くまで加速させ7TeV(7テラ電子ボルト)もの運動エネルギーを持たせてさらにそれを陽子にぶつけて高エネルギー状態にすると、極小型のブラックホールができる。

LHCの生成実験では、毎秒一個の極小型のブラックホールができると予想されている。しかし、ブラックホールの根本的な性質はまだ分かっておらず危険性も充分にあるといえるので反発の声もあがっている。
 

相対性理論が明かすブラックホール

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