遅れる梅雨明けその原因は?

 今年の梅雨明けは予想に反して遅くなった。6月末の時点ではラニーニャ現象が観測されて、今年の梅雨明けは早めで気温も高い「夏らしい夏」になると気象庁は予想した。

 ところが7月末になっても梅雨が終わらず、25日に「8月の気温は平年並み」と軌道修正した。「太平洋高気圧にエネルギーを供給するはずのフィリピン付近の高温海域が予想よりも南にずれたため」だという。

 梅雨明け後は平年並みの暑い夏を感じている。今年は予想を裏切られた感じになってしまったが、気象については、まだまだわかっていないことがたくさんある。

 なぜはじめの予想と違って、大幅に梅雨明けが遅れたのだろうか?地球温暖化との関係はあるのだろうか?現時点での今年の梅雨について専門家の分析を調べ、学びたいと思う。(参考HP 気象庁)

 遅れる梅雨明け、地球温暖化が影響か

 今年の梅雨明けは、昨年に続いて大幅に遅れた。この10年と60年代を比べると、全国平均は4日遅れた。この梅雨明けの変化と、地球温暖化との関係も注目されている。

 関東甲信の梅雨明けは昨年も7月30日だった。97〜06年の各地の梅雨明けを60年代と比較すると、九州南部で7日、東海で6日遅くなった。

 全国の梅雨明け日の平均日は、60年代が7月13日だった。だが、この10年は7月17日になっている。各地の梅雨明けが遅い記録上位5位をみると、7割が80年代以降だ。

 梅雨明けそのものがはっきりしない年も増えている。ぐずついた天気が続き、冷夏となった03年は、東北北部の梅雨明けが発表できなかった。一度発表した後、「特定できない」と修正するケースも増えてきた。いずれも93年、98年、01年、03年と、90年代以降だ。

 温暖化との関係はどうか。気象庁気象研究所の楠昌司室長(気候変動)らによる地球温暖化予測だと、約100年後、二酸化炭素濃度が現在の2倍になった場合、梅雨明けは8月まで遅れる傾向があるとの結果が出た。

 楠室長によると、温暖化が進んだ場合、海水温の上昇は赤道寄りでより顕著になる。海水温の高い地域が現在よりもフィリピンの南に移るのに伴って対流活動も南側で強まる。その影響で、太平洋高気圧も南下し、日本の南に居座る。さらに梅雨前線を押し上げることができずに、梅雨明けが遅れるとみる。

 気象庁によると、今年は太平洋西部の熱帯域の対流活動が、平年より南の赤道付近で活発だ。だが、楠室長は「日本の梅雨は、北や南からだけでなく、中近東の大気の流れの影響も受ける。もう少し長い目でみないと温暖化との関連はわからない」としている。 (asahi.com 2007年08月01日

 今年の梅雨入り梅雨明けは?

 関東甲信越地方は6月14日ごろ梅雨入りした。平年だと6月8日ごろなので平年より6日遅かった。

 梅雨明けは関東甲信地方は8月1日ごろ。平年だと7月20日なので平年より12日遅かった。

 過去の梅雨明けと比べると?

 気象庁が統計を取り始めた昭和26年以降、史上4番目の遅さ。

 関東・甲信の梅雨明けが8月にずれ込んだのは82年8月4日、98年、03年の8月2日の3回だけ。このほか、記録的な冷夏と日照不足で、タイ米の緊急輸入に踏み切った93年は「梅雨明け」を特定できなかった年もあった。

 このうち82年と93は、南米ペルー沖の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」の影響で、太平洋高気圧が強まらなかったことが原因の一つとされる。

 なぜ梅雨明けの予想がずれたのか?

 気象庁によると、梅雨明けが遅れたのは、日本に暑い夏をもたらす太平洋高気圧が梅雨前線を北に押し上げる勢力が弱かったのが一因とみられている。

 今年は南米ペルー沖の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」が4月ごろに発生。この影響で暖水の流れ込むフィリピン付近では水温が上昇した。これにより上昇気流が活発になると予想されたが、これに反し「予想外」に不活発な状況が続いた。

 この原因は、西のインド洋やアラビア海周辺での海水温上昇。そこで起きた上昇気流が、フィリピン付近で下降気流となり、通常は活発なはずの対流活動が抑え込まれ、結果的に太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、梅雨明けが遅れたようだと分析している。

 西のインド洋やアラビア海周辺での海水温上昇する現象を「ダイポール現象」というが、スーパーコンピューターによると「地球温暖化」でも梅雨明けが8月にずれるという。梅雨明けにはさまざまな要因が関係しているようだ。


気象衛星画像の見方と使い方
長谷川 隆司,上田 文夫,柿本 太三
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