地球温暖化で起きること

 地球温暖化が起きると、さまざまなことが起きると予想されている。今年の梅雨明けが予想以上に遅れたのも温暖化の可能性が指摘されている。

 地球温暖化はまた絶滅危惧種を増やすといわれている。たとえば数十年後には北極の氷がすべて溶け、氷の上を生活の場とするシロクマは絶滅危惧種に指定されている。先日発表された環境省レッドリストでは絶滅危惧種の数が461種も増えてしまった。

 地球温暖化でスーパーコンピューターが予想している現象の中に熱帯伝染病の北上がある。平安時代は地球が温暖な時期だったそうだ。当時日本には「オコリ」という病気があった。これが現在の「マラリア」で、平清盛はこの病気で亡くなったという。

 日本では撲滅したはずの熱帯性伝染病が再び流行する日がすぐそこまで来ている。

 イギリスのロナルド・ロスは1902年「マラリア」の原因を発見したことで、第2回ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

 今日、マラリアは不治の病ではないが世界で約4億人もの患者がいて年間100〜150万人の人たちが亡くなっているという。

 亡くなるのは医薬品も満足にない発展途上国に住む子供達だそうだ。現在でも大変な病気の複雑な発病過程を100年も前につきとめた功績はすばらしい。

 今日は「マラリア」と「ロナルド・ロス」について調べる。(参考HP Wikipedia)

 マラリアとは何か?

 マラリア(麻剌利亜、独語:Malaria、仏語:Paludisme)は、熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症。高熱や頭痛、吐き気などの症状を呈する。悪性の場合は意識障害や腎不全などを起こし死亡する。

 日本で古くはオコリと呼ばれていたのもマラリアの一種で、ハマダラカに媒介されたマラリア原虫が体内で増殖し、突然の寒気ののち高熱を発するという症状を1日〜数日おきに繰り返す。

 熱帯、亜熱帯地域の70ヶ国以上に分布している。全世界で年間3〜5億人、累計で約8億人の患者、100〜150万人の死者があると報告されている。もっとも影響が甚大な地域はサハラ砂漠以南のアフリカ諸国である。
 病原体
 
マラリア原虫を媒介するハマダラカ病原体は単細胞生物であるマラリア原虫(Plasmodium spp.)。ハマダラカ(Anopheles spp.)によって媒介される。  

マラリア原虫はアピコンプレクサ門 胞子虫綱 コクシジウム目に属する。微細構造および分子系統解析からアルベオラータという系統に属する。ここには他に渦鞭毛藻類が知られ、近年マラリア原虫からも葉緑体の痕跡が発見された。
 そのため、その全てが寄生生物であるアピコンプレクサ類も祖先は渦鞭毛藻類と同じ光合成生物であったと考えられている。ヒトの病原体となるものは熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)、卵形マラリア原虫(P. ovale)の四種。特に熱帯熱マラリア原虫によるマラリアは症状が重い。まれにサルマラリア原虫に感染することもある。
  マラリア原虫は脊椎動物で無性生殖を、昆虫で有性生殖を行う。したがって、ヒトは終宿主ではなく中間宿主である。ハマダラカで有性生殖を行なって増殖した原虫は、唾液腺に集まる性質を持つ。このため、この蚊に吸血される際に大量の原虫が体内に送り込まれることになる。
 マラリア原虫の生活史
 スポロゾイド → メロゾイド → 輪状体 → 栄養体 → 分裂体 → 生殖母体 → オーシスト → スポロゾイド 
 マラリア原虫は、媒介動物であるハマダラカ(Anopheles )の唾液腺にスポロゾイトとして集まる。

メスのハマダラカは産卵のために吸血を行うが、その際に唾液を注入するので、その中のスポロゾイトが体内に侵入する。
 血中に入ったスポロゾイトは45 分程度で肝細胞内に取り込まれて分裂を開始し、一つの肝細胞での分裂小体(メロゾイト)が数千個になった段階で肝細胞を破壊して血中に遊離される。
 メロゾイトは赤血球に侵入し、輪状体(早期栄養体)、栄養体(後期栄養体、あるいはアメーバ体)、分裂体の経過をたどり、8 個〜32 個に分裂した段階で赤血球膜を破壊して遊離し、メロゾイトは新たな赤血球に侵入して上記のサイクルを繰り返す。
 これが無性生殖のサイクルである。三日熱マラリア原虫と卵形マラリア原虫の場合には、肝細胞内で直ちに分裂を開始することなくしばらく潜んでしまう休眠原虫も形成され、これが後になって分裂を開始して血中に放出されると再発を生ずることになる。
 無性生殖を繰り返しているうちに、一部の原虫は雌雄の区別がある生殖母体(有性原虫)ヘと分化する。これは人体内では合体受精をしないが、ハマダラカに吸われるとその中腸内で合体受精して最終的にオーシストとなり、その中に多数のスポロゾイトが形成され、それらが唾液腺に集積する。
 症状
 
マラリアを発症すると、40度近くの激しい高熱に襲われるが、比較的短時間で熱は下がる。しかし、三日熱マラリアの場合48時間おきに、四日熱マラリアの場合72時間おきに、繰り返し激しい高熱に襲われることになる。(これが三日熱、四日熱と呼ばれるゆえんである。)卵形マラリアは三日熱マラリアとほぼ同じで50時間おきに発熱する。熱帯熱マラリアの場合には周期性は薄い。

 熱帯熱マラリア以外で見られる周期性は原虫が赤血球内で発育する時間が関係しており、たとえば三日熱マラリアでは48時間ごとに原虫が血中に出るときに赤血球を破壊するため、それと同時に発熱が起こる。熱帯熱マラリアに周期性がないのは赤血球への多重感染を起こすためである。
 いずれの場合も、一旦熱が下がることから油断しやすいが、すぐに治療を始めないとどんどん重篤な状態に陥ってしまう。一般的には、3度目の高熱を発症した時にはたいへん危険な状態にあるといわれている。
 放置した場合、熱帯熱マラリア以外は慢性化する。慢性化すると発熱の間隔が延び、血中の原虫は減少する。三日熱マラリアと卵形マラリアは一部の原虫が肝細胞内で休眠型となり、長期間潜伏する。この原虫は何らかの原因で分裂を再開し、再発の原因となる。
 
治療法
 マラリアかどうかは、血液をギムザ染色という方法で確認すると、赤血球内のマラリア原虫の存在がわかる。
 マラリア原虫へのワクチンはないが、抗マラリア剤はいくつかある。マラリアの治療薬としてはキニーネが知られている。他にはクロロキン、メフロキン、ファンシダール、プリマキン等がある。
 いずれも強い副作用が表れることがあり注意が必要。クロロキンは他の薬剤よりは副作用が少ないため、予防薬や治療の際最初に試す薬として使われることが多いが、クロロキンに耐性を示す原虫も存在する。
 通常は熱帯熱マラリア以外ではクロロキンとプリマキンを投与し、熱帯熱マラリアでは感染したと思われる地域での耐性マラリア多寡に基づいて治療を決定する。近年では、漢方薬を由来としたチンハオス系薬剤が副作用、薬剤耐性が少ないとされ、マラリア治療の第一選択薬として広く使用されている。

 近年は殺虫剤に耐性を持つハマダラカや、薬剤に耐性のあるマラリア原虫が現れていることが問題になっている。また地球温暖化による亜熱帯域の拡大とともにマラリアの分布域が広がることも指摘されている。

 予防法

一次予防
ワクチンがない以上、マラリアの流行地に行く場合は蚊に刺されないようにすることが最重要事項である。殺虫剤や虫除けスプレーなどを使うほか、夜間は蚊帳を用いることも必要である。抗マラリア薬の予防投与も行われる。  

二次予防
マラリア流行地域から帰国してから1〜2週間後に高熱が発生した場合はマラリアが疑われるため、熱が下がっても安心せず、直ちに病院を受診することが必要である。

三次予防
再発を防ぐため、投薬中止は自分で判断せず、必ず医師の判断を仰ぐ。

 ロナルド・ロス 
 
ロナルド・ロス(Ronald Ross, 1857年5月13日 - 1932年9月16日)は、イギリスの医学者・内科医。インド医務官の職にあった1881年 - 1899年の間、インドにてマラリアの研究を行い、1902年には、リバプール大学にて熱帯医学の教授に就任。1926年にはロンドンのロス熱帯病研究所及び病院の責任者になった。

 1898年、彼はマラリア原虫がハマダラカの胃にいることを実証し、西アメリカで、これが感染の原因であることを証明した。彼はこれにより、1902年にノーベル生理学・医学賞を受賞し、1911年にナイトに叙勲された。彼はまた、詩や小説、数学の研究を出版した。


  

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