日曜日テレビ番組で、先日就任したばかりの舛添厚生労働相が登場し、ムコ多糖症の新薬を承認することを約束した。

 桝添厚生労働相がさっそく行動して見せたのはたのもしい。通常、新薬が承認されるのには時間がかかるのだが、英断である。ところで番組でも紹介されたムコ多糖症とは何だろうか?

 ムコ多糖とはあの納豆やオクラなどのねばねば成分に含まれ、主に細胞と細胞をつなげる働きをする。

 人体では骨と骨をつなぐ軟骨成分に含まれている。他には皮膚、内臓、角膜などのさまざまなところにある。コレステロール値を下げたりドロドロ血をサラサラ血にする働きもある。

「ムコ多糖症」とは遺伝病で、国内では数百人いる。代謝物質の「ムコ多糖」を分解する酵素ができない。ムコ多糖は体内にたまり、臓器障害や筋力の低下などが進行する病気である。

 治療法としては、「ムコ多糖分解酵素」を製剤化し、点滴投与により補充する療法がアメリカで行われ、一定の成果を上げていた。今回、この薬剤を承認することになった。

 また、”湘南乃風”がムコ多糖症の子供達を助けようと呼びかけ話題になっている。(参考HP ムコ多糖症親の会・Wikipedia)


 ムコ多糖症の新薬、10月に承認へ 舛添厚労相が見通し


 舛添厚生労働相は2日放送の日本テレビの番組で、遺伝性の小児難病「ムコ多糖症」の新薬について、「10月初めには承認する」との見通しを示した。薬事・食品衛生審議会の答申前に、厚労相がテレビで新薬承認に言及するのは異例。


 代謝物質の「ムコ多糖」が体内にたまり、臓器障害や筋力の低下などが進行する病気で、国内患者数は数百人とみられる。病気は7型まであり、1型の治療薬は昨年10月に承認。現在は2型と6型の治療薬の審査が行われており、舛添氏は100〜150人程度の患者がいる2型の治療薬の承認見通しを示した。

 厚労省はムコ多糖症治療薬を「希少疾病用医薬品」に指定し、米国での治験データなども活用しながら優先的に審査してきた。(asahi.com2007年09月02日)


 ムコ多糖類とは?
 
細胞と細胞をつないでいるゲル状の物質のことをムコ多糖類といいます。ムコ多糖類は、保水性に優れているため、肌の健康維持や間接のクッションの役割などの働きをしています。

 関節や皮膚、内臓、角膜などのさまざまなところにあります。また、コレステロール値を下げたりドロドロ血をサラサラ血にする働きもあります。

 ムコ多糖類はウナギや魚のヒレなどに含まれていて、鮫の軟骨から抽出されたものがサプリメントとして多く市販されています。


 ムコ多糖症とは何か? 

 ライソゾーム症
細胞の細胞質には、ライソゾームという小さな袋のようなところがたくさんあります。これは、いらなくなった老廃物を分解するところです。つまり、分解設備をもったゴミ箱のようなところです。

 この中には、当然、いろんな分解酵素が備え付けられています。だから、いろんな種類のいらなくなった物質を分解してしまうことができます。

 この中の分解酵素の一つの遺伝子に傷が付くと、その酵素は働けなくなり、ライソゾーム病という病気になります。ですから、ライソゾーム病はたくさんの種類があります。酵素の数だけ病気の種類が存在すると考えてよいでしょう。
 ムコ多糖症

 ムコ多糖症は、このライソゾームに備わっている酵素のうち、古くなったムコ多糖を分解する酵素が生まれつき欠損しています。すなわち、ムコ多糖の分解酵素の一つの遺伝子に傷が付いてしまっているのです。
 ムコ多糖を分解するだけでもいろんな酵素が必要です。ですから、欠損している酵素の種類それぞれによって病気の型がいろいろあるのです。

 症状も少しずつ違います。一般的に、全身臓器の細胞に分解されないムコ多糖が蓄積し、細胞のライソゾームはこの蓄積のため膨れ上がってきます。

 その結果、いろんな臓器が肥大し、細胞は機能障害を起こして次第につぶれていきます。だんだんと蓄積が起こってくるため、赤ちゃんのときは正常に見えますが、年齢が進むにつれて症状が次第に明らかになってきます。

 重症型では、症状が現れてくる年齢も早く、病気の進行も急速です。軽症型では、症状が現れる年齢が遅く、ゆっくりと進行します。
 劣性遺伝病

 ムコ多糖症は、遺伝性の病気です。遺伝の形式は、II型だけが伴性劣性遺伝(X連鎖性劣性遺伝)、そのほかの型は全て常染色体性劣性遺伝です。常染色体性劣性遺伝では、両親が共に保因者であったときに、初めて病気の子供が産まれます。

 片親だけが保因者であっても病気の子供は産まれません。病気の子供が産まれる確率は、4人に1人です。男の子、女の子ともに同じ頻度で産まれます。

 伴性劣性遺伝では、母親が保因者であったときに男の子の2人に1人の確率で病気の子供が産まれます。女の子は病気にはなりません。しかし、女の子の2人に1人が母親と同じ保因者になります。

 ムコ多糖症のタイプ
 日本での分類は以下のようにI型〜VI型までのタイプに分けられている。医療資料などではMPSという略称で使う事が多いようで、例えばムコ多糖症I型の場合MPS Iと表記する。

MPS I型
MPS IH型 - ハーラー症候群 (Hurler syndrome)
MPS IS型 - シャイエ症候群 (Scheie syndrome)
MPS II型 - ハンター症候群 (Hunter syndrome)
国内での推定患者数は120〜140人。
MPS III型 - サンフィリッポ症候群 (Sanfilippo syndrome)
MPS IV型 - モルキオ症候群 (Morquio syndrome)
MPS VI型 - マロトー・ラミー症候群 (モロト-ラミー症候群、Maroteaux-Lamy syndrome)
MPS VII型 - スライ病 (Sly disease)
 症状と特徴

 進行性の病気でありムコ多糖が蓄積することにより下記のような症状が現れる。

臓器への障害  知能障害 運動能力低下・喪失 聴力低下・喪失 呼吸困難
特異顔貌(ガーゴイル様顔貌) 患者は徐々に衰弱し、寿命は通常10歳〜15歳までといわれるが、有効な治療法が受けられるようになると状況が好転するとみられる。

 治療法
 ライソゾーム病全般に言えることだが、遺伝的要因によるものなので根治治療は難しい。確立されていない治療法も含め下記のようなものがある。

 酵素補充療法
 現在最も有効・期待される治療法。ムコ多糖を分解する酵素を製剤化し、点滴投与により補充する療法。I型とII型とVI型のみ欧米で認可。II型は国内では厚生労働省に認可されていないため行われていないが、2007年1月末にジェンザイム・ジャパンが稀少疾病用医薬品に指定されている治療薬「イデュルスルファーゼ」(Idursulfase。一般名、米国での商品名はElaprase)の承認申請を提出した(2006年12月14日付)。

 他に骨髄移植、造血幹細胞移植、遺伝子治療など。 
 

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