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ここ1〜2週間の間に太陽系に関する話題が3つも出ている。「月探査機かぐや打ち上げ成功」「アメリカ小惑星探査ドーンを打ち上げ」「火星に7つの地下洞窟発見」である。

人類は深海以外、ほぼ地球全域の探査を終了した。これからは地球外に出かけていく。まるでとなりの町であった出来事を伝えるように、太陽系内の発見や出来事が毎日話題になるのだろう。まさに宇宙時代の到来といった観がある。



今日は最近の太陽系関係の記事を見てみよう。(参考HP JAXA・NASA)


関連するニュース
米探査機、小惑星帯へ27日打ち上げ…太陽系誕生の謎挑戦


太陽系誕生の謎に迫る探査機ドーンが、火星と木星の間にある小惑星帯に向けて、27日朝(日本時間同日夜)に、米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる。米航空宇宙局(NASA)が25日、準備が順調に進んでいることを発表した。

計画では、ドーンはまず2009年2月に火星へ接近し、その重力を利用して加速。11年8月、小惑星ベスタに到着する。翌年5月にベスタを離れ、15年2月に準惑星セレスへ到着、同年7月まで観測を行う。

ベスタは、大半の小惑星と異なり、地球のような岩石質の内部構造をもっている。一方のセレスは、典型的な小惑星として知られてきたが、昨年、冥王(めいおう)星と同じ準惑星に分類し直された。

いずれも太陽系の初期に形成されたと考えられており、性質の違う二つを詳しく観測することで、できた当時の状態を知る手がかりが得られると期待される。(2007年9月26日  読売新聞)

火星に謎の穴7個 地下に洞窟? NASA発見


火星の大火山に7個の穴が口を開けているのを、米航空宇宙局(NASA)の探査機マーズオデッセイが発見した。地下に洞窟(どうくつ)が存在する可能性がある。NASAなどのチームは「火星の地下深くに生命がすめる場所が残されているかもしれない」とみている。

チームが「七姉妹」と名付けた穴は、直径100〜250メートルほど。火星の赤道の南にある標高2万メートルの大火山の山腹で見つかった。火山活動に伴う地殻のひずみでできたとみられ、地下深くまで達しているらしい。

火星は気温が20度〜零下130度と寒暖差が激しい。赤外線カメラの観測によると、「七姉妹」中は寒暖差が地表の約3分の1と穏やかな気候。昼は涼しく、夜は暖かいことがわかった。

「七姉妹」は、標高が高すぎるので生命がすむのに適さない。ただ、チームは、低地に同じような穴があれば、地下で生命が存在できる可能性がある、とみている。(2007年09月25日 asahi.com)

月探査機「かぐや」打ち上げ成功 種子島宇宙センター


月の起源や環境などを探る月探査機「かぐや」を載せた国産のH2Aロケット13号機が14日午前10時31分、鹿児島県種子島の宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから打ち上げられ、目的の軌道に投入することに成功した。

H2Aロケットは7回連続の成功。宇宙機構から製造、打ち上げを移管された三菱重工業にとっては初の成功。本格的な衛星打ち上げビジネスへの参入が期待される。

宇宙機構によると、かぐやは地球を約280〜23万3000キロの高度で回る楕円(だえん)軌道に投入された。地球を2周した後にエンジンを噴射して月へ向かう。約20日後には月を回る軌道に到着する。

かぐやは約3トンの機体にX線や赤外線、ガンマ線のセンサーなど14種類の観測機器やハイビジョンカメラを搭載。「米のアポロ計画以来の本格的な月探査」(宇宙機構)という。 (2007年09月14日 asahi.com)

再び月へ!「かぐや」は何を目指すのか?


皆様、ご存知のように、1960年代から1970年代にかけて多くの探査機が月に打上げられました。その代表がアポロ計画です。アポロ計画により、月の性質に関する多量なデータが取得され、月の誕生は地球と同じく約45億年前であること、表裏で地質的特徴がまったく異なるなど、多くのことが解明されました。しかしながら、当時は米国と旧ソ連の冷戦のさなかであり、月探査はこの政治的背景を受けて、「月の起源と進化(注)」を探るためではなく、「月へ人間を送る」競争として行われました。このため、月の起源と進化は謎として残されました。

その後、1990年代からこれまでに、米国のクレメンタイン、ルナプロスペクタ、そして欧州宇宙機関のSMART−1と呼ばれる小型衛星が月を周回し、科学観測を行っています。しかし、これらの月周回衛星は、観測機器の性能、観測軌道などの制約のため、科学的成果は限定的であり、月の起源と進化は依然として謎として残っています。

「かぐや」は、月を周回し、最新の高性能な14種の観測機器を用いて、月全域について、元素分布、鉱物分布、地形、表層構造、重力分布、磁場分布、月環境について、高精度な観測を行います。これらの観測データを統合的に解析することで、月がどのような物質で構成されているか、月の内部構造、月の表裏の地質の違い、誕生後に発生したと考えられている溶融状態からの変遷、火山活動の歴史などが明らかにされ、この結果、月の起源と進化の謎の核心へ迫ることができると考えています。

月は地球に最も近い天体です。従って、人類が地球周回軌道から、その活動領域を拡大する際に、まず、最初の目標となります。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、将来の宇宙開発活動として、月面有人活動や月の利用を行うことの検討を進めています。一方、NASAは、2004年1月に大統領が発表した新宇宙政策の実行を目指し、2018年頃から有人月探査を始める計画を精力的に進めています。この、21世紀の月面有人活動・利用では、アポロ計画と異なり、月の資源を活用することになりそうです。このため、月面上の有用物質である水氷、鉱物などの分布の把握が重要となりますが、「かぐや」が取得するデータは、この点からも大きな役割を果たすことになります。 (JAXA SELLENEプロジェクトマネージャー 瀧沢悦貞) 

 

人類が宇宙に住む
岩田 勉,宇宙航空研究開発機構,JAXA
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