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現代の地球温暖化が化石燃料の燃焼による、急激な二酸化炭素の増加が原因であることは間違いない。

しかし、地球の歴史を調べると、過去に何回も温暖化の時期があったことがわかる。地球は気温の下がる氷河期(氷期)と気温の上がる間氷期を繰り返してきたことは聞いたことがある。

現在の地球上に残る「氷河」は氷河期にできたものであるし、マンモスが絶滅した理由は、1万年前の最近の氷河期のためだといわれている。

太古の昔には地球全体が氷河におおわれる強烈な氷河期があった。今から6億年〜8億年前の先カンブリア紀の終り頃、地球全体が氷に閉ざされた全球氷結という氷河時代が存在したことが最近になってわかった。

これをスノーボールアース説という。この説では、全球凍結という壮絶な環境変動が原生動物の大量絶滅とそれに続く跳躍的な生物進化をもたらしたとされる。このときの氷河期は火山から噴出される二酸化炭素により、しだいに温暖化に向かった。


氷河期が周期的に起こっていることを提唱したのは、セルビアの地球物理学者 M. ミランコビッチ(Milutin Milanković)である。説を発表した1920年代ごろは、過去の地球の気候変動のデータが得られなかったので、つい最近まで忘れられていた。

しかし、南極の氷床コアなどの分析から、地球の過去の気象データがわかりはじめるとミランコビッチ説とよく一致。その優れた計算式が一躍注目を浴び、世界に認められることになった。

ミランコビッチによると、氷河期の周期は、おもに地球の自転軸に「歳差運動」や「微妙な振動」があること、地球の「公転軌道が楕円」になることの3つの要素によって決まるという。

過去にもあった地球温暖化、過去を調べることで今後の地球を予測することができる。今日は「ミランコビッチ・サイクル」について調べる。(参考HP Wikipedia)
 

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氷期・間氷期:地球の公転・自転変化が原因 日米欧で実証


地球が約10万年間隔で氷期と間氷期を繰り返すのは、地球の公転軌道や自転軸の傾きの微妙な変化が原因との仮説を、東北大や国立極地研究所など日米欧の研究チームが南極の氷を使った過去の気候の解析で実証し、23日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

仮説はセルビア(旧ユーゴスラビア)の学者ミランコビッチが1920年ごろに提唱したが、過去の気候の精密なデータが得られず、1世紀近く論争が続いていた。論争に事実上の終止符を打ち、将来の地球温暖化予測にも役立ちそうだ。

同研究所の川村賢二助教(古気候学)らは、ドームふじ基地(日本)とボストーク基地(露)で掘削した氷に含まれる気泡から、過去36万年分の大気中の酸素と窒素の濃度比を解析。濃度比の変化は、南極の夏期日射量の変化と一致することを発見した。

日射量は、地球の約10万年サイクルの公転軌道の変化などに伴い、太陽と地球の距離などが変わるために変化する。変化の時期は、地球の軌道変化などから計算でき、濃度比を指標に、氷が作られた時期の精密な特定が可能になった。

この結果を利用し、氷の分析から分かる気温や二酸化炭素濃度などの変化の時期を高い精度で特定。日射量の変化後、2000〜7000年遅れて南極の気温や二酸化炭素濃度が変化していたことを突き止めた。

地球は氷期と間氷期を繰り返し、過去36万年間では、現在は4回目の間氷期にあたる。いずれも日射量の変化をきっかけに氷期や間氷期が始まっていた。

川村助教は「日射量の変化が地球全体に及ぶ仕組みを明らかにし、人間活動が原因で起きる温暖化の予測精度の向上にも役立てたい」と話している。
(毎日新聞 2007年8月23日) 


ミランコビッチ・サイクルとは?


ミランコビッチ・サイクル(Milankovitch cycle)とは、地球の公転軌道の離心率と自転軸の傾きの周期的変化、さらに自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期を言う。理論計算によると、周期は約2万年、約4万年、約10万年という3つに大別できる。

1920〜30年代に、セルビアの地球物理学者 M. ミランコビッチ(Milutin Milanković)は、地球に入射する日射量の緯度分布と季節変化について当時得られる最高精度の公転軌道変化の理論を用いてかなり正確な日射量長周期変化を計算した。その精度が地質学界で認められてきたことからこの名がある。

ミランコビッチの仮説の再認識

ミランコビッチ・サイクルで表される日射量の変化は、北極や南極の氷床の規模の変化や氷河期や間氷期がおとずれたりする年代を求めるのに有効である。

ただし、その計算は複雑であって理論と実際が異なる場合があるため常に再計算が要求される。ミランコビッチの算出した数値は、1960年代まで地質学者たちの間で用いられてきたが、1959年にシカゴ大教授リビー(Willard Frank Libby)によって開発された放射性炭素年代測定法などが発展して普及するに伴い、60年代には、一時廃れかかった。しかし、70年代に、海洋底のボーリング調査が行われ、採取されたサンプルに遺された微生物(有孔虫)化石の酸素同位体比から得られる気候変動の周期は、ミランコビッチの算出した数値ないしは計算法で得られる値に近い値であり、彼の仮説が改めて見直されるようになった。

ミランコビッチ・サイクルを決めている複雑な要因


公転運動や自転運動の速度変化

ミランコビッチ・サイクルを計算するための要素である公転運動や自転は、太陽や月をはじめとして様々な物理的な条件に影響される。たとえば、地球の自転は月の引力による海水の干満作用によって海水と海底の摩擦がおきて地球の自転速度が減速させられることも影響する。

例えば20億年前は、自転周期は約20時間、つまり1日は20時間であった。つまり1日20時間の場合のサイクルを計算することになるのでその数値の変化は現在と比べて短期間において明らかに激しくなることが予想されるということである。当時は理論上現在の1/4程度の周期だったと考えられている。

ミランコビッチ・サイクルの3つの要因

ところで地球の自転軸は23.4度傾いているといわれるが、数万年単位で見ると実際には22.1度から24.5度の間を揺れ動いている。また、歳差運動により地球の自転軸は2万5800年周期で移動している公転軌道も正しい円ではなくわずかに楕円をえがいている。つまり太陽に近い近日点と太陽から離れた遠日点があるのだ。

自転軸の傾き、例えば北極が近日点に太陽の方向を向いていたら明らかに夏は暑くなる。また冬は遠日点になって自転軸は太陽より遠くを向くので非常に寒くなる。一方、北極が近日点に太陽と逆向きであれば、冬は暖かいことになる。また遠日点に太陽のほうへ向くので夏は涼しくなる。これを伊藤孝士氏は、1993年「歳差の因子」と呼んだ。

また自転軸は、傾きが大きければ極地方に入射する日射量は大きくなって氷床は溶けて小さくなり、自転軸の傾きが小さければ極地方に入射する日射量が減って氷床は成長しやすくなる。

この三つの要素がからみあって1万年から10万年の規模で変化し、極地方の氷床の大きさが変化したり数万年ごとに氷河期や間氷期がおとずれたりするのである。

ミランコビッチ・サイクルと公転軌道

最近100万年で見ると、90万年前と75万年前と39〜40万年前に公転軌道が正しい円に近づくと北緯65度における日射量が1m2あたり480W付近になるが95〜100万年前と60万年前及び20万年前には公転軌道が比較的激しくひしゃげて楕円になり日射量も変化した。公転軌道の変動周期には9万5000年、12万5000年、40万年の3周期がある。

ミランコビッチ・サイクルと自転軸変動

自転軸も80万年前は22.3〜7度前後の変動だったのが20万年前などは22.5度から24度の間を激しくゆれ動ようになって、日射量も440W〜540Wの間で激しく変化し、寒い氷河期と温かい間氷期が繰り返されたことがわかる。

ミランコビッチ・サイクルと歳差運動

歳差運動の変動周期はここ100万年間に3つあり、それぞれ1万9000年、2万2000年、2万4000年である。このように3つの要因の変化量もいつも一定しているわけでなく、周期的に変化している。このためミランコビッチ・サイクルは複雑な計算が行われる。

有孔虫化石による海水温の推定


一方、化石の証拠を用いることで、海水温を直接推定できる。最近250万年で見ると70万年前まで2〜4万年の周期で有孔虫化石内部の酸素同位体比が変化し、重い酸素18が多い、すなわち寒い年と考えられる期間と、海水量から推測できる氷床が発達した期間が一致することが分かった。

逆に、通常の酸素16が多い暑い年は氷床が小さくなることも判明し、周期的な変動が確認できた。70万年前から10万年単位で酸素同位体比は変化するように期間が長くなっている。

巨視的に見れば10万年単位で変化が見られるわけであるが微視的に見れば「歳差の因子」と自転軸の傾きの変化によってその年ごとの日射量が変化する。本来の意味でのミランコビッチ・サイクルの日射量は2〜4万年で増減をくりかえすため、70万年前から2〜4万年単位で氷床の規模がおおきく変化しなくなった理由については未だによくわかっていない。

 
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